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2025年3月27日

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介護予防サービス受給者数6.0%増(介護給付費等実態統計月報 令和6年10月審査分)

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介護給付費等実態統計月報(令和6年10月審査分)(厚労省)

令和6年10月の介護給付費等実態統計月報が公表され、介護サービスの利用状況や費用額に関する最新のデータが明らかになった。全国の介護予防サービスおよび介護サービスの受給者数は増加傾向にあり、それに伴い介護費用も上昇している。この傾向は今後の介護業界の人材需要や事業運営に大きな影響を及ぼす可能性があるため、詳しく内容を確認していく。

まず、受給者数の動向を見てみると、介護予防サービスの受給者数は955,000人に達し、前年同月比で6.0%の増加が記録された。介護サービスの受給者数は4,797,900人となり、前年同月比で1.7%の増加を示している。特に、要支援1および要支援2の受給者が増えており、要支援1の受給者数は381,000人で前年同月比6.2%増、要支援2は569,900人で5.8%増加した。このことから、比較的軽度な支援を必要とする高齢者が増加していることが分かる。一方、要介護1の受給者数は1,278,500人で前年同月比1.9%増、要介護2は1,155,000人で3.0%増加しており、要介護度が比較的軽い層の利用者増加が続いていることが確認された。要介護3および要介護4の受給者もそれぞれ1.7%および1.4%の増加を記録し、介護サービスの需要が依然として高まっていることが明らかになった。ただし、要介護5の受給者数は前年同月比0.6%減少し、重度の介護を必要とする高齢者の割合はやや減少傾向にある。

介護サービスの種類別に受給者数を見てみると、居宅サービスの利用者数が3,526,500人と最も多く、前年同月比で2.2%増加している。次いで、地域密着型サービスの利用者は941,000人で1.5%の増加となった。施設サービスの利用者数は991,500人となり、前年同月比で0.9%増加したものの、居宅サービスの増加率と比較すると伸びは緩やかである。この傾向から、在宅での介護を選択する高齢者が増えていることが分かり、今後の介護サービスの提供体制に影響を与える可能性がある。

次に、介護にかかる費用について見ていく。令和6年10月の介護予防サービスにかかる費用額は266億4,400万円で、前年同月比7.2%増加した。介護サービスの総費用額は9,707億3,500万円に達し、前年同月比4.1%の増加となった。受給者1人当たりの費用額も上昇傾向にあり、介護予防サービスでは27,900円(前年同月比1.1%増)、介護サービスでは202,300円(前年同月比2.4%増)となった。これらのデータから、介護サービスの需要が増えるにつれて、それに伴う費用負担も増加していることが分かる。特に、居宅サービスの利用者増加により、介護保険財政への負担が今後さらに大きくなる可能性がある。

このような状況の中で、介護業界における人材確保は極めて重要な課題となっている。介護職員の需要は年々高まり続けており、多くの施設や訪問介護事業所が人手不足の問題に直面している。特に、要介護度が低い利用者が増加していることから、訪問介護やデイサービスの需要が増加し、それに対応できる人材が求められている。介護業界においては、新規の採用活動を強化するとともに、既存職員の定着率を向上させることが経営戦略上の重要なポイントとなる。給与の引き上げや福利厚生の充実、研修制度の整備などを通じて、働きやすい職場環境を整えることが不可欠である。

また、介護費用の増加により、自治体や介護事業者の財政負担も拡大している。介護保険制度の持続可能性を維持するためには、効率的なサービス提供が求められる。近年では、介護ロボットやAIを活用した介護業務の自動化が進められており、業務負担の軽減が期待されている。これらの技術を積極的に導入することで、介護スタッフの負担を軽減し、サービスの質を維持しながら効率化を図ることが可能となるだろう。

以上のように、令和6年10月の介護給付費等実態統計月報のデータから、介護サービスの利用者数が増加していること、それに伴い費用額が上昇していること、そして介護業界における人材確保の重要性が浮き彫りになった。今後、介護業界は高齢化の進展とともにさらなる変化を迎えることになるが、企業や自治体がどのように対応していくかが問われることになる。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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