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2025年4月1日

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令和6年の勤続年数別賃金データ発表!30年以上の賃金は43万円超に(令和6年賃金構造基本統計調査)

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令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況 勤続年数階級別(厚労省)

厚生労働省が発表した「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、勤続年数別の賃金には明確な格差があり、特に勤続年数が長いほど賃金が上昇する傾向が顕著に表れている。調査結果によると、全体の平均賃金は勤続30年以上の労働者が43万3,900円と最も高く、勤続1~2年の労働者の賃金が26万6,500円であるのと比較すると、16万7,400円もの差があることが分かった。これは、長期間勤務することで昇給が進むだけでなく、役職や業務の専門性が高まり、それに応じた給与体系が適用されるためと考えられる。

勤続年数別の賃金を男女別に見ると、男性では勤続25~29年で最も高く45万7,700円に達し、女性では30年以上で35万9,600円となっている。男性の場合、勤続年数が増えるごとに賃金が上昇し、勤続10~14年で32万9,600円、20~24年で40万400円と段階的に上がっていく。女性の場合も同様の傾向が見られるが、男性に比べて賃金の伸びが緩やかである点が特徴的である。これは、女性のキャリア継続率の低さや、管理職への昇進率が男性よりも低いことが影響していると考えられる。

企業規模別に見た場合、大企業では勤続30年以上の賃金が47万7,400円と最も高く、中企業では41万6,200円、小企業では36万6,000円となっている。これは、企業規模が大きいほど昇給の機会が多く、給与体系が安定していることを反映している。また、大企業では勤続1~2年の賃金が28万4,700円であるのに対し、小企業では25万3,200円となっており、勤続年数が短い段階でも企業規模による賃金差が存在している。

賃金の対前年増加率をみると、全体の平均で3.5%の伸びを記録しており、特に大企業では4.9%の増加率が見られた。勤続年数が長いほど昇給率は緩やかになる傾向があるが、それでも勤続30年以上の労働者の賃金は前年比2.5%増加しており、長期的な雇用の安定が給与面でも反映されていることが分かる。

勤続年数が賃金に与える影響は、職種や業種によっても異なる。特に専門性の高い業種では、勤続年数の長い労働者がより高い賃金を得やすい傾向がある。例えば、製造業や技術職では、経験やスキルの蓄積が直接賃金に反映されるため、勤続10年以上の労働者の賃金が特に高い。一方、接客業や販売業では、勤続年数が長くても給与の上昇幅が比較的小さい傾向がある。

企業の人事戦略において、勤続年数と賃金の関係を考慮することは非常に重要である。長期勤続者に対する給与体系の見直しや、勤続年数が短い労働者に対する早期昇給制度の導入などが、優秀な人材を確保するための有効な施策となる。特に、中小企業では、大企業に比べて勤続年数に応じた昇給幅が小さいため、人材流出を防ぐためにも、勤続5年~10年の労働者に対する報酬制度の強化が求められる。

また、労働市場全体での流動性が高まる中、企業は単に勤続年数に応じて賃金を引き上げるのではなく、スキルや業務成果に基づいた評価制度を導入することも重要である。特に若年層の求職者は、勤続年数よりもスキルや成果を重視する傾向が強いため、早期に昇進や昇給が可能なキャリアパスを提示することが、採用競争力を高める要素となる。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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