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2025年3月15日

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令和6年度10月の医療費が4.1兆円に!前年同月比2.5%増加の背景とは

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最近の医療費の動向-MEDIAS- 令和6年度10月 最近の医療費の動向[概算医療費](厚労省)

令和6年度10月の概算医療費に関する最新のデータによると、国内の医療費は依然として増加傾向にあることが明らかになった。厚生労働省の調査によれば、令和6年度10月の医療費総額は4.1兆円で、前年同月比で2.5%増加している。この増加は、医療技術の進歩や高齢化の進展に伴い、医療サービスの利用が拡大していることが背景にあると考えられる。

さらに、令和6年度4月から10月までの累計医療費は27.8兆円に達し、前年同期比で1.2%増加した。前年の医療費は47.3兆円であり、前年度比2.9%の増加となっていたことを踏まえると、医療費の伸びは引き続き緩やかに推移していることが分かる。一日当たりの医療費も増加傾向にあり、10月の対前年同月比では1.7%、4月から10月の対前年同期比では0.9%の上昇が確認されている。

受診延べ日数のデータによると、令和6年度10月の対前年同月比は0.7%増加し、4月から10月の対前年同期比では0.4%の増加となった。これは、全体的な医療利用がわずかに増えていることを示しており、特に高齢者層を中心に医療サービスの需要が高まっている可能性がある。

診療種類別の医療費の増加率を見ると、医科入院は前年同月比で2.7%の増加、医科入院外は0.7%の増加、歯科は4.6%の増加、調剤は3.6%の増加となった。特に歯科の医療費の伸び率が高く、これは歯科治療の需要が増えていることを示唆している。4月から10月までの累計データでも、医科入院は1.9%増加、歯科は3.4%増加、調剤は1.6%増加しており、医療費の増加が続いていることが分かる。

また、受診延日数の伸び率を見ると、医科入院が0.7%増加、医科入院外が0.2%増加、歯科が1.3%増加しており、診療の機会が増加傾向にあることが分かる。特に、訪問看護の利用が拡大しており、高齢者向けの在宅医療の需要が高まっていることが確認されている。

医療費の増加は、特に高齢者層の医療サービス利用の拡大と密接に関連している。75歳以上の医療費は依然として高水準にあり、4月から10月の医療費総額の中でも大きな割合を占めている。また、被用者保険の本人負担部分や家族の医療費も増加しており、企業が負担する医療保険料への影響が懸念される。

都道府県別の医療費の傾向を見ると、大都市圏では医療費の増加が特に顕著である。人口が多い地域では医療機関の利用が集中し、診療の機会が増えることで医療費が上昇している。これに対し、地方では高齢者の割合が増加しており、訪問看護や在宅医療の需要が高まっていることが分かる。

医療費の増加は、企業の採用戦略にも影響を及ぼす可能性がある。特に医療業界では、医療従事者の確保が重要な課題となっており、医師や看護師、薬剤師などの人材不足が続いている。さらに、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に伴い、IT技術者やデータ分析の専門家の需要が高まっており、医療とITの融合が進んでいることが分かる。

また、企業においても、従業員の健康管理や福利厚生の充実が求められている。医療費の増加に伴い、健康保険組合の負担が増す中で、企業は従業員の健康維持を目的とした施策を強化する必要がある。例えば、定期健康診断の充実や、予防医療の推進、メンタルヘルス対策の強化が重要となるだろう。

このように、医療費の増加は日本の社会全体に影響を与えており、特に高齢化が進む中で持続可能な医療制度の構築が求められている。企業としても、医療費の動向を注視し、従業員の健康管理や医療業界への人材供給の面で適切な対応を講じることが必要となる。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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