労務・人事ニュース

令和7年 山梨県 新製品事業化促進助成事業

地域に根ざした中小企業や小規模企業が新たな市場を開拓し、独自性の高い製品を生み出すためには、製品開発から販路拡大まで多岐にわたる準備と投資が必要です。こうした中、山梨県内の事業者を対象とした「新製品事業化促進助成事業」は、企業の創造的な挑戦を支える心強い制度となっています。令和7年度の本事業では、製品やサービスの事業化に向けたマーケティング、ブランディング、デザイン開発などの費用について、その2/3以内、最大100万円までが助成される仕組みとなっており、企業のリスクを大幅に軽減する設計がなされています。

対象となる事業は幅広く、新商品の開発はもちろん、デザインの改良や情報収集、市場調査、販路開拓に至るまで多岐にわたります。具体的には、商品デザイン開発に関する外注費や技術コンサルタント料、必要な機器やツールのリース費用などが含まれ、事業の段階に応じた柔軟な支援が可能です。また、調査活動にかかる旅費、資料購入費、翻訳費用なども助成の対象とされており、海外展開や新市場開拓を目指す企業にとっても有効な支援となることが期待されています。

応募に際しては、令和7年6月2日から7月31日までの期間内に、必要書類を公益財団法人やまなし産業支援機構に持参または郵送で提出することが求められます。提出前には、記載方法や留意点について説明を受けることが必須とされており、企業側が制度を正しく理解し、申請に不備がないような仕組みが整っています。

助成対象となる事業の選定は、令和7年8月下旬に書類審査をもって行われ、最大で4件程度が採択される見込みです。採択基準は、新規性や独自性、事業の実現可能性、成果の事業化見込みなど多角的な観点から評価されることとなっており、単にアイデアの斬新さだけでなく、実行可能な計画性が重視されます。採択後の事業期間は交付決定日から12か月以内と定められており、その期間内に実施・完了し、所定の実績報告を行うことが必要です。助成金は、事業完了後に実績に基づいて支払われる積算払いとなっており、補助金の適正な運用が求められます。

さらに、助成事業によって取得した財産や設備などについては、一定期間内の処分に制限がかけられ、事業の継続性や成果の還元を図る設計がなされています。また、助成によって一定以上の収益が得られたと認められる場合には、助成金の返還を求められることもあり、制度の健全性が担保されています。併せて、助成事業完了後も一定期間にわたり、決算書などを通じて効果検証が行われるため、助成事業をきっかけに持続的な成長を遂げていくためのフォローアップも見込まれています。

この制度は、山梨県における産業振興の一環として、地域経済の活性化と中小企業の成長を促進する重要な支援策と位置づけられています。既存の製品をブラッシュアップしたい企業や、新規市場への進出を検討している事業者にとって、この制度の活用は成長戦略の鍵となるはずです。今後の事業展開を見据え、少しでも早い段階での計画立案と応募準備が求められます。

⇒ 詳しくは公益財団法人 やまなし産業支援機構のWEBサイトへ