2025年6月1日
労務・人事ニュース
令和7年 年収500万円の人材採用で最大170万円補助、島根県の専門人材確保制度がスタート
- 「夜勤なし」/准看護師/クリニック/オンコールなし
最終更新: 2025年6月15日 22:38
- 「時短勤務可」/准看護師/病院/駅から近くて通いやすい
最終更新: 2025年6月15日 22:38
- 「夜勤なし」/准看護師・正看護師/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年6月15日 22:38
- 「駅チカ」/准看護師・正看護師/クリニック/夜勤なし
最終更新: 2025年6月15日 22:38
令和7年 島根県 専門人材確保推進事業費補助金
令和7年度、島根県では県内中小企業における専門人材の確保を支援するため、UIJターンによる常勤雇用を対象とした補助制度の実施を発表しました。これは、人口減少や若年層の都市部流出といった地域課題に対応しつつ、地域経済の活性化と企業の成長を後押しする重要な施策として位置づけられています。本制度は「専門人材確保推進事業費補助金」として整備されており、有料人材紹介会社を通じて専門人材を採用する場合の費用負担を軽減することを目的としています。
一般的に、有料人材紹介会社を利用して人材を採用した場合、採用者の年収の約35%に相当する手数料が発生します。たとえば、年収300万円の人材を採用する場合の紹介手数料は105万円、500万円であれば175万円となり、中小企業にとっては決して軽視できない出費です。今回の補助制度では、通常の採用に対しては紹介手数料の2分の1以内、かつ最大130万円まで補助される仕組みとなっており、年度内で最大2名まで利用が可能です。
さらに、DX人材やスタートアップ企業における採用については、特例としてより手厚い支援が用意されています。具体的には、紹介手数料の3分の2以内、かつ最大170万円までの補助が認められており、年度内1名まで活用できます。これにより、専門的なスキルを有する人材の採用が一層促進されることが期待されています。DX人材とは、デジタル技術やデータ活用の知見を備え、企業の業務改革を推進できる人材を指し、ビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティのいずれかの分野に該当する人材が対象とされています。
また、スタートアップ企業がこの制度を利用する場合には、創業10年以内で直近3期の売上が増加傾向にあること、常用従業員の新規雇用または県外からの人材転入があること、さらに日本ベンチャーキャピタル協会に加盟するVCや大手企業からの投資を受けていることなどの要件が課されており、成長意欲と将来性を兼ね備えた企業への重点的支援を明確にしています。
この補助制度は、UIJターン人材を対象としている点も重要です。UIJターンとは、県外から島根県に移住し、県内での就職を機に生活基盤を移すことを意味します。ここでは、島根県に移住して1年以内の段階でまだ常勤雇用されていない人材を含む広い対象が設けられており、県外からの人材流入を促進する仕組みが整えられています。地方への定着を促すには、単なる就職支援だけでなく、暮らしを含めた包括的なサポートが必要とされており、本制度はその一翼を担うものといえるでしょう。
補助金の申請にあたっては、いくつかの条件が定められており、まず県内に事業所を有すること、県税の未納がないこと、風俗営業や暴力団関係との関係がないことなど、適正な事業運営が求められます。また、申請時または交付決定時点で破産や会社更生手続き中でないことも必要です。これらの条件は、支援の透明性と健全性を確保するための基本的な枠組みとなっています。
補助の対象期間は、令和7年4月1日から令和8年2月16日までであり、補助対象となる紹介手数料の支払いは遅くとも令和8年2月27日までに完了している必要があります。採用スケジュールと照らし合わせながら、計画的に制度を活用することが重要です。
企業の採用担当者にとって、この制度は単なる経費削減の手段にとどまりません。島根県という地域特性の中で、優秀な人材をいかに確保し、いかに定着させていくかは、今後の経営戦略に直結する課題です。デジタル化や業務改革を進めたい企業にとっては、DX人材の採用は喫緊の課題であり、それを制度的に支援する今回の補助金はまさにタイムリーな施策といえるでしょう。また、スタートアップ企業においては、初期フェーズでの人材確保が事業の成否を分けるポイントであるため、この補助金の活用は経営基盤の強化に直結します。
さらに、県外からの人材を受け入れるという点では、企業が単なる雇用主としての役割にとどまらず、地域社会の一員としての責任を果たすことが求められます。地域との連携や、移住者に対する生活支援を含むサポート体制の整備も含めて、採用活動を進めていくことが、結果的に人材の定着率を高め、企業全体の安定成長につながることになります。