労務・人事ニュース

令和7年 福智町民間賃貸住宅建設促進事業補助金

---

この記事の概要

福岡県福智町では、地域への移住と定住を促すため、町内で建設される賃貸アパートなどに対して、1戸あたり100万円を上限とする補助金制度を実施しています。対象は一定の条件を満たす個人または法人で、最低でも2戸以上の住宅建設が必要です。事前の申請と10年間の管理義務が求められます。

---

福智町は、町内の定住人口増加と地域経済の活性化を目的として、「民間賃貸住宅建設促進事業補助金」を実施しています。この制度は、福智町内に新たに建設される一般向け賃貸住宅に対し、1戸あたり100万円を上限として建設費の一部を補助するもので、賃貸経営を検討している個人や法人にとっては非常に魅力的な支援策です。たとえば、8戸建ての賃貸住宅を建設する場合、最大800万円の補助を受けることが可能となります。

この補助制度の背景には、「まずは福智町に住んでみる」という体験を気軽にしてもらうことで、町外からの移住者を増やし、将来的な定住につなげるという町の戦略があります。空き家対策や定住促進といった施策と並行し、移住希望者の受け皿となる質の高い賃貸物件の供給を促す取り組みでもあり、持続可能な地域社会を実現するための一歩として注目されています。

補助対象となるのは、町内に建設される2戸以上の戸建て住宅、もしくは1棟につき4戸以上の共同住宅で、1戸あたりの床面積が40平方メートル以上であることが求められます。また、各戸には居室、玄関、台所、浴室、便所が備わっていることに加え、1台以上の駐車スペースを確保する必要があります。仮設住宅や社員寮、グループホームなどの特殊用途の建物は対象外となっており、あくまでも一般賃貸住宅として提供されるものに限定されています。

補助対象者は、福智町内で対象条件を満たす賃貸住宅を建設する個人または法人です。ただし、同一の事業者やその三親等以内の親族が入居する場合や、他の補助制度と併用している場合、または公共事業による補償を受けている場合は、対象から除外されます。これにより、公平かつ明確な補助金の運用が担保されています。

申請の流れとしては、まず建築基準法に基づく確認済証を取得し、その後、福智町住宅課へ事業認定申請書を提出することから始まります。必要書類には誓約書兼同意書、確認済証の写し、設計図面、工事費の見積書、税の完納証明書などが含まれ、町の審査を経て認定通知が交付されます。工事はこの通知を受け取った後に着手する必要があり、工事完了後には不動産登記を行った上で補助金の交付申請を行います。

交付申請に際しては、登記事項証明書、検査済証、完成図面や写真、税の完納証明書などを提出する必要があり、町による審査を経て交付決定通知が発行されます。補助金はその後、補助金請求書を提出することで指定口座に振り込まれます。制度を利用するには一定の手続きと条件を満たす必要がありますが、それに見合った金額が支給される制度となっています。

さらに、補助金の交付を受けた物件については、10年間の管理義務が課せられます。この期間中は、物件の用途変更、解体、売却などが禁止され、毎年の報告義務や町による現地調査への対応が求められます。もし、これらの管理義務に違反があった場合は、補助金の一部または全額の返還を求められることもあるため、継続的な管理が必要です。

福智町ではこの制度を通じて、賃貸住宅市場の質的向上と移住促進の両立を目指しています。単なる住宅の供給ではなく、町に新たな人の流れを生み、定住へとつなげる仕組みづくりがなされている点が大きな特徴です。地域に貢献しながら賃貸経営を始めたいと考える方にとっては、この制度を活用することが経済的にも社会的にも大きなメリットとなるはずです。

この記事の要点

• 福智町で賃貸住宅を建設する場合、1戸あたり100万円の補助を受けられる
• 補助対象は2戸以上の戸建て住宅または4戸以上の共同住宅に限られる
• 1戸あたりの床面積は40平方メートル以上で、居住機能と駐車スペースの確保が必要
• 社員寮や仮設住宅は補助対象外で、一般向け賃貸のみが対象
• 補助金を受けた住宅は10年間、用途変更や売却が禁止される
• 建設着工前に事業認定申請が必要で、町による審査後に補助金が交付される
• 管理義務に違反があった場合、補助金の返還を求められることがある

⇒ 詳しくは福智町のWEBサイトへ