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2025年5月9日

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令和7年1月既存住宅販売量指数が5.7%上昇、全国で取引活発化の兆し

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既存住宅販売量指数 令和7年1月分を公表(試験運用) ~全国において、前月比5.7%上昇~(国交省)

2025年4月30日、国土交通省は既存住宅販売量指数の令和7年1月分を発表しました。この指数は、個人が取得した既存住宅の所有権移転登記データを基に加工・指数化したもので、日本の住宅市場の実勢を月次で把握するための有力な指標として近年注目を集めています。今回公表された1月の数値では、全国ベースで戸建て住宅とマンションを合わせた季節調整済みの販売量指数が131.0を記録し、前月比で5.7%の上昇となりました。これは、取引件数が活発化していることを示し、既存住宅市場が新年早々から堅調な動きを見せていることを意味しています。

指数の基準値は2010年の平均を100としたもので、131.0という水準は過去平均を大きく上回る活発な市場状況を反映しています。特に注目すべきは、マンションの季節調整指数が前月比7.8%増の136.4と大きく伸びている点です。これは都市部を中心に、マンションの取得意欲が強まっていることを示しており、住宅ローン金利の相対的な安定や都市居住の再評価といった背景が影響している可能性があります。一方で、床面積30㎡未満のワンルームなどを除いたマンション指数も112.4と、同じく7.8%の上昇を示しており、単身者向け住戸にとどまらず、ファミリー層による取引も堅調であることがうかがえます。

戸建住宅に関しても、前月比3.2%増の125.7と引き続き安定した伸びを見せており、郊外や地方都市における需要が底堅いことを示しています。テレワークの定着や生活空間の広さを重視するライフスタイルの変化などが、戸建住宅へのニーズを支えていると見られます。

また、同時に公表された地域別のデータも興味深い動きを示しています。たとえば、東京都における合計指数は152.0に達し、全国平均を大きく上回る結果となっています。特にマンションに関しては、160.2という非常に高い水準を記録し、前年同月からの力強い回復が確認されました。さらに、大阪府ではマンション指数が164.5、九州・沖縄地方では146.9と、都市圏を中心にマンション取引の活況が全国的に広がっている傾向が見て取れます。

一方、北陸地方では全体的に指数が低下しており、非都市圏における住宅取引の動向が異なる様相を見せています。たとえば、北陸地方の合計指数は117.4と前月比7.4%のマイナス、30㎡未満除くマンションの指数に至っては88.7と2桁の下落率となっています。このような地域差は、住宅市場が単一ではなく、エリアごとの経済動向や人口構造、生活スタイルの違いが色濃く反映されていることを物語っています。

これらのデータは、企業にとっても戦略的に極めて重要な示唆を含んでいます。たとえば、不動産・住宅関連事業に携わる企業では、エリアごとの販売動向を的確に把握することで、販売計画や商品企画、営業戦略に反映させることができます。また、人事・採用戦略の観点からも、地域ごとの住宅市場動向は有用な情報源となります。住宅購入を前提とした人材の定着を見込む場合、その地域の住宅取得のしやすさは重要な要素であり、既存住宅の流動性が高まっているエリアは人材確保の観点でも好材料といえるでしょう。

この既存住宅販売量指数は、従来の住宅着工統計や不動産取引価格情報と異なり、「所有権移転登記件数」に基づくデータであることから、実際の取引実態を迅速かつ網羅的に捉えることができます。加えて、国際的にはアメリカの「Existing Home Sales」に相当するものであり、日本における中古住宅流通の実像をより正確に把握する手段として、政策立案や市場分析においての活用も期待されています。

今後も本指数は毎月定期的に公表される予定であり、住宅市場の短期的な変動を確認する上でも貴重な情報源となります。各企業は、これを単なる参考資料にとどめることなく、自社の経営判断やマーケティング戦略、人事施策に積極的に取り込むことで、変化に強い組織運営を実現することができるでしょう。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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