労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 令和7年3月鳥取県の有効求人倍率1.35倍、建設業・運輸業で広がる人材確保の波

2025年5月14日

労務・人事ニュース

令和7年3月鳥取県の有効求人倍率1.35倍、建設業・運輸業で広がる人材確保の波

Sponsored by 求人ボックス

鳥取県内の雇用情勢(令和7年3月分及び令和6年度分)(鳥取労働局)

令和7年3月に鳥取労働局が発表した最新の雇用情勢によると、鳥取県内の有効求人倍率(季節調整値)は1.35倍となり、前月と同水準を維持しました。全国平均が1.26倍、近畿地方平均が1.16倍であることを踏まえると、鳥取県の労働市場は全国水準を上回り、引き続き良好な状況にあることが確認できます。有効求人数は13,022人で前月より62人、0.5%増加しました。同時に有効求職者数も9,659人と30人、0.3%増加しており、求人数・求職者数ともにわずかながら増加したことから、有効求人倍率自体は変動しなかったものとみられます。

新規求人動向については、新規求人数が4,959人となり、前年同月比で60人、1.2%の増加となりました。産業別に見ると、建設業が前年同月比で9.7%増、運輸業・郵便業が21.6%増、公務・その他が27.6%増となり、これらの分野で積極的な採用が行われていることがわかります。特に建設業では公共工事や民間開発需要が堅調に推移しており、人材確保の必要性が引き続き高い状況です。運輸業・郵便業でも物流需要の拡大に対応する形で採用活動が活発化しています。一方、医療・福祉分野では前年同月比で7.7%減少しており、宿泊業・飲食サービス業でも3.5%の減少、卸売業・小売業でも1.8%の減少が見られ、産業間で求人意欲に差が生じています。

求職者の動きについては、新規求職者数が2,207人となり、前年同月比で132人、6.4%増加しました。形態別では、在職者が6.4%増、無業者が7.6%増、離職者が5.5%増加しており、いずれの層でも求職活動が活発化していることがわかります。特に離職者では、事業主都合による離職者が16.5%増加、自己都合離職者も1.0%増加しており、企業側の人員整理や個人のキャリアアップ意識の高まりが影響していると考えられます。

正社員に関しても注目すべき変化が見られます。正社員の有効求人倍率は1.12倍となり、前年同月比で0.09ポイント上昇しました。正社員の有効求人数は6,621人で前年同月より4.9%増加し、有効求職者数は5,903人で3.8%減少しています。この動きから、正社員のポジションに対する企業側の採用意欲が高まっている一方で、求職者側の選択肢も広がっている状況がうかがえます。特に正社員希望者にとっては、より良い条件を求める動きが今後さらに加速する可能性があるでしょう。

安定所別に見ると、鳥取所では有効求人倍率が1.51倍、倉吉所が1.42倍、米子所が1.26倍となっており、県全体の平均1.35倍を上回る地域が存在しています。地域による求人需給の格差は依然として存在しており、特に鳥取所管内では人材不足感が強まっていることがわかります。この地域差を意識した採用戦略が企業にとって重要になるでしょう。

令和6年度通年の鳥取県の有効求人倍率は1.29倍で、全国平均の1.25倍を上回る結果となりました。このことは、県内企業の安定した採用意欲を示しており、また求職者にとっても比較的多くの就業機会が提供されている環境であることを意味しています。ただし、物価上昇や景気動向の変化による影響には引き続き注意が必要であり、今後も労働市場を取り巻く環境には不確実性が残ります。

求人数が増加傾向にある建設業、運輸業・郵便業、公務分野では、今後も積極的な人材確保が求められるでしょう。一方で、医療・福祉分野や宿泊業・飲食サービス業では、採用活動の見直しや働き方改革、職場環境改善が急務となっています。企業にとっては、賃金や福利厚生の充実、働き方の柔軟性確保、キャリアアップ支援などを通じて、他社との差別化を図ることがこれまで以上に重要になるでしょう。

鳥取県内の労働市場は総じて安定しているものの、業種間・地域間での差異が拡大する兆しが見られ、今後の採用活動ではより戦略的な対応が必要となるでしょう。特に、人口減少や高齢化が進む中で、若年層、女性、高齢者、外国人労働者など多様な人材をいかに取り込むかが、企業の持続的な成長に直結する課題となります。採用ターゲットの拡大、多様な働き方への対応、教育研修制度の充実といった施策が、これからの企業活動に不可欠となるでしょう。

⇒ 詳しくは鳥取労働局のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ