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2025年6月18日

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令和7年4月の鳥取県で有効求人倍率1.34倍、採用競争激化の中で企業が今すぐ見直すべき採用戦略とは

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米子地域で高水準を維持する求人倍率、地元企業が人材を確保するために必要なアクションとは

令和7年4月、鳥取労働局が発表した最新の雇用統計によると、鳥取県における有効求人倍率は1.34倍となり、前月と比較してわずかに0.01ポイント低下しました。この数字は一見すると大きな変動ではないように見えますが、実際には有効求人数が減少し、有効求職者数が増加しているという背景があります。つまり、求職者側の動きがやや活発になっている一方で、企業側の求人がやや慎重になっている傾向が見られます。このような状況を正しく読み取ることで、企業の採用活動における戦略を見直すきっかけとなります。

まず、有効求人倍率とは、1人の求職者に対してどれだけの求人数があるかを示す重要な指標です。1倍を超えると求人の方が多く、採用側が人材確保に苦労する傾向を示します。令和7年4月時点での全国平均は1.26倍であり、鳥取県の1.34倍という数値は、全国水準よりも高く、依然として売り手市場が続いていることを意味しています。このような環境下では、従来の採用方法では思うように人材を確保できないケースが増えてきます。

企業の採用担当者にとって、重要なのは「数値を読み解いた上で自社の課題に応じた対策を講じること」です。たとえば、4月の新規求人数は前年同月比で4.5%増の4,738人でしたが、産業別に見ると宿泊業・飲食サービス業が19.5%増、卸売業・小売業が17.7%増、運輸業・郵便業が17.6%増と大幅な求人増が見られました。こうした業種では人手不足が慢性化しており、待遇改善や柔軟な働き方の導入が求められています。一方、製造業では21.7%の減少があり、業種ごとに雇用の動向は大きく異なることがわかります。

こうした産業別の求人動向を踏まえると、採用戦略も業種に応じて柔軟に対応する必要があります。たとえば、サービス業や飲食業では「週3勤務の正社員」など多様な雇用形態を用意することで、これまで労働市場に参加できなかった潜在的な人材を取り込むことができます。また、地域別のデータを見ても、米子所では有効求人倍率が高止まりしており、特定地域での採用競争が激化している様子がうかがえます。企業としては、勤務地や通勤手段への配慮、交通費支給の強化なども含め、応募者にとっての利便性を訴求することが求められます。

正社員に関するデータにも注目すべきポイントがあります。正社員の有効求人倍率は前年同月比で0.06ポイント上昇し、1.08倍となりました。これは6カ月連続で前年同月を上回っており、正社員のニーズが安定して高いことを示しています。つまり、非正規雇用から正社員登用を目指す人材や、安定志向の高い求職者にとっては好機である一方、企業側はより魅力的な採用条件を提示しない限り、優秀な人材の確保は難しいという現実があります。

さらに、常用新規求職者数の内訳を見ても、在職中の求職者が2.3%増、無業者が16.4%増、離職者が0.5%増と、全体的に求職活動が活発化していることがうかがえます。離職理由では「事業主都合」の増加が目立ち、企業側の雇用維持努力が十分でなければ、すぐに人材が流出してしまうリスクもあるということを示しています。採用活動だけでなく、定着支援の施策も重要なテーマとなっているのです。

こうした複合的なデータから、企業の採用担当者がとるべき行動は明確です。まず、自社の属する業種や地域における雇用情勢を的確に把握することが第一です。次に、採用市場の中で自社がどの位置にあるのかを冷静に見極めたうえで、求職者に選ばれる企業となるための取り組みを強化していくことが求められます。待遇面の見直しや福利厚生の充実はもちろん、企業の文化や価値観を伝える広報活動も、今後の採用競争においては欠かせません。

また、採用のハードルが高まる中で、選考プロセスの見直しも必要です。書類選考や面接の基準が過度に厳しい場合、せっかくの有望な人材を逃してしまう可能性があります。とくに若年層や未経験者の活用にあたっては、ポテンシャルや意欲を重視する視点を持つことが望ましいです。

最後に、有効求人倍率はあくまでも「状況を映す鏡」であることを忘れてはなりません。この指標から得られる示唆をどのように採用戦略へと反映させるかが、今後の人材確保における鍵となります。人手不足という言葉がもはや日常となった現在、企業が選ばれる存在となるための努力を継続することが、持続的な成長を支える基盤となるのです。

⇒ 詳しくは鳥取労働局のWEBサイトへ

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