2025年6月18日
労務・人事ニュース
令和7年4月大阪府の有効求人倍率1.23倍に注目、採用難を乗り切る戦略とは
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最終更新: 2025年6月17日 22:36
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最終更新: 2025年6月17日 22:36
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最終更新: 2025年6月17日 22:36
新規求人倍率2.54倍の背景にある労働市場の変化、企業が注目すべき採用手法とは
令和7年4月に公表された大阪府の有効求人倍率は1.23倍と、前月から変動のない安定した数値となりました。企業の採用担当者にとって、この数値が示すのは「人手不足感は続いているが、急激な悪化や改善は見られない」という現実です。求人倍率が1倍を超えるということは、求職者1人あたりに1件以上の求人があることを意味し、企業が人材を確保するためには、他社との競争に打ち勝つ戦略が求められます。
特に注目すべきは、新規求人倍率が2.54倍という高水準を記録している点です。これは新規に登録された求人に対して、求職者が相対的に少ないことを表しており、新たに人材を採用しようとする企業が非常に多い一方で、求職の動きがそこまで活発ではない状況です。実際、新規求職申込件数は25,816件と、前月比で4.1%の増加ではあるものの、長期的には伸び悩んでいます。
こうした状況下で、企業の採用担当者がまず行うべきは、労働市場の供給構造を的確に把握することです。例えば大阪府では、有効求人数が189,263人であるのに対し、有効求職者数は154,098人となっており、求人数が求職者数を大きく上回っています。このようなアンバランスな需給構造においては、「求人を出せば人が来る」という従来の考え方は通用しません。むしろ、求人を出すタイミング、内容、魅力の伝え方がますます重要となります。
また業種別に見ると、医療・福祉分野の新規求人が19,184人と依然として高水準で推移しており、特に高齢化の進展に伴い慢性的な人材不足が続いています。一方で、建設業(4,314人)、製造業(4,476人)、情報通信業(2,645人)などは前年比で減少傾向にあり、業界間での採用ニーズの差が広がっていることがわかります。これは、採用計画を立てる際に業界トレンドを見極め、自社の属する分野での人材の動向をしっかりと分析する必要性を示しています。
さらに、求職者の属性にも目を向けることが肝要です。新規求職申込者の中で、55歳以上の層は前年比で増加していますが、それ以外の年代では軒並み減少しています。若年層の新規求職は特に顕著に減少しており、24歳以下では前年同月比で7.4%減、25〜34歳でも3.0%の減少です。つまり、企業が求める即戦力の若手人材を採用することは年々困難になってきており、採用戦略として若手を狙う場合には、訴求力の高い求人票の作成や、柔軟な勤務体系の提案が不可欠となるでしょう。
採用活動においては、「条件の提示」と「企業の魅力づけ」をバランス良く行うことが成果を左右します。例えば給与水準だけでなく、成長機会や職場環境、リスキリング制度の有無など、求職者が重視するポイントを求人票に盛り込むことが、他社との差別化につながります。特に大阪のような都市圏では選択肢が多いため、自社ならではの魅力を明確に打ち出すことが求められます。
加えて、求人の出し方にも工夫が必要です。大阪府では、近年ハローワークインターネットサービスを利用したオンライン登録者数が増加しており、求人票のデジタル化やオンライン応募対応が標準となりつつあります。これに対応していない企業は、若年層や転職回数の多い求職者からのエントリーを逃している可能性があります。ITリテラシーの向上と求人情報のオンライン最適化は、今や企業競争力の一環です。
また、採用後の定着にも目を向ける必要があります。有効求人倍率が高いということは、転職市場が活発であることの裏返しでもあります。つまり、一度採用できた人材がすぐに流出してしまうリスクも高いのです。そのため、面接時のマッチング精度を高めることに加え、入社後のオンボーディングや育成体制を整えることも、安定した人材確保の鍵を握ります。
採用活動においては、求人倍率という「数字」に一喜一憂するのではなく、その背景にある労働市場の動きや求職者心理を読み解き、総合的な戦略を立てることが肝心です。令和7年4月時点の大阪府の求人倍率データからは、採用活動の難易度が高まっていること、そして従来型の採用手法だけでは対応が難しいことが明らかです。企業の採用担当者には、求人市場のトレンドを敏感に捉えた柔軟かつ戦略的な取り組みが求められています。
特にこの時期は、採用活動の方向性を見直すチャンスでもあります。業種や職種、対象とする年齢層など、自社の求人の特性を再確認し、それに最も適した手法を選ぶことが求められています。人材の流動性が高まる中で、企業は「採用される側」でもあるという視点を持ち、魅力ある職場づくりと情報発信に積極的に取り組むことが、これからの採用成功の鍵になるでしょう。
⇒ 詳しくは大阪労働局のWEBサイトへ