2025年6月18日
労務・人事ニュース
令和7年4月発表の滋賀県の有効求人倍率1.02倍を踏まえた人材確保のための戦略
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最終更新: 2025年6月17日 22:36
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最終更新: 2025年6月18日 01:06
令和7年4月の大津市で求人倍率0.82倍、求職者数減少に企業がとるべき行動とは
令和7年4月の滋賀県の有効求人倍率が1.02倍に上昇したという最新の労働市場統計は、企業の採用活動にとって注目すべきシグナルである。この数字は前月の1.01倍からわずか0.01ポイントの上昇であり、2か月ぶりの回復となっている。小幅な動きに見えるかもしれないが、その裏には求職者数の減少と求人件数の微増という、需給バランスの変化が存在しており、企業が中長期の採用計画を見直すきっかけとなる情報である。
具体的には、滋賀県における有効求人数は21,744人と前月比で0.1%増加したのに対し、有効求職者数は21,390人で0.9%減少している。新規求人倍率は1.67倍と高い水準を保ちながらも、前月の1.68倍からわずかに低下しており、求職活動の動きがやや活発化している様子がうかがえる。こうしたデータは、企業の採用難易度が業種や地域によって変化していることを示唆している。
実際、産業別の新規求人数を見ると、卸売業・小売業が前年比5.0%、学術研究・専門・技術サービス業が12.8%、生活関連サービス業・娯楽業では53.2%の大幅増加となっている。一方で、建設業は4.9%減、製造業は16.2%減、医療・福祉も11.1%減と、特定の分野では人材募集の縮小傾向が見られる。これは、業界ごとに景気の影響や人件費の高騰、労働環境の変化への対応が分かれていることを表している。
また、正社員の有効求人倍率は0.74倍と、前年同月から0.03ポイント上昇しており、6か月連続で増加している。この数字は、非正規雇用よりも正規雇用を希望する求職者が増加していることを意味しており、企業側としては、魅力的な労働条件の提示がこれまで以上に重要になるといえる。
地域別に見ると、大津市の求人倍率は0.82倍と低く、甲賀市は1.28倍と高水準を示している。これは地域ごとの産業構造や通勤圏の違いによるものであり、企業は自社の所在地域だけでなく、近隣市町の求人倍率も参考にしながら採用戦略を立てる必要がある。とくに、草津市や東近江市では求人倍率が0.92倍や0.87倍と1倍を下回っており、比較的求職者を確保しやすい地域といえるかもしれない。こうした情報をもとに、勤務地の柔軟な設定やテレワーク制度の導入を検討することが、広範な人材獲得につながる可能性がある。
求職者の動向も見逃せない。新規求職者数は4,653人で前月比6.0%増加しており、とくに自己都合離職者と事業主都合離職者の増加が顕著であった。これらの層は、就労意欲が比較的高く、早期の就職を希望する傾向があるため、タイミングを逃さずアプローチすることが重要である。また、新規求職者のうちパートを除く常用の申込者は3,259人で、前年同月比1.6%増加しており、正社員を志望する層が戻りつつある状況が読み取れる。
企業の採用担当者としては、こうした統計情報をもとに、採用活動の精度を高めることが求められる。単に求人広告を出すだけでなく、対象とする人材層を明確に設定し、年齢や経験、希望職種の傾向に応じてメッセージを最適化することが必要だ。たとえば、55歳以上の求職者が一定数存在していることを踏まえ、シニア世代に特化した職務内容や就業時間の提示を行うことは有効な施策となり得る。
また、非正規雇用の求人がやや減少傾向にある中で、企業側が正社員雇用に切り替えることで、優秀な人材を早期に確保できる可能性がある。求職者の多くが安定的な雇用を求めていることを考慮すると、雇用形態の柔軟性とともに、福利厚生や職場環境の整備も合わせて検討するべきである。
求人倍率が1.02倍という数字は、決して極端な売り手市場ではないものの、求職者にとっては選択肢が一定数ある状況を意味する。企業がその中で選ばれる存在となるには、自社の魅力を的確に伝える採用広報や、選考過程での対応品質の向上が不可欠である。とくに、面接までの対応スピードやフィードバックの有無は、求職者の印象に大きな影響を与えるため、採用担当者自身のコミュニケーションスキルの強化も問われてくる。
さらに、ハローワークインターネットサービスの機能拡充により、オンラインでの求職活動が進んでいる点にも留意したい。企業としても、オンライン応募対応やWeb面接の環境整備を進めることで、採用効率の向上と広域からの応募獲得が見込める。求人掲載内容をオンライン仕様に最適化する、写真や動画で職場の雰囲気を伝えるなどの工夫も効果的である。
最終的に、滋賀県のような地域では、地域ごとの求人倍率の違いや産業別の傾向を精査し、他社との差別化を図った戦略的な採用活動が必要となる。今後も定期的に公開される労働局の統計をもとに、自社の採用活動を振り返り、PDCAを意識した改善を続けていくことが、持続的な人材確保の鍵となる。
⇒ 詳しくは滋賀労働局のWEBサイトへ