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2025年8月1日

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令和7年6月、有効求人倍率1.22倍の全国平均を背景に企業が取るべき人材確保策

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一般職業紹介状況(令和7年6月分)について(厚労省)


この記事の概要

令和7年6月における有効求人倍率は1.22倍と、前月よりわずかに低下しました。これにより、求職者一人あたりの求人数は引き続き高い水準にあるものの、採用環境は緩やかに変化しつつあります。本記事では最新の労働市場動向をふまえ、企業の採用担当者が今後どのように人材確保に取り組むべきか、具体的な視点から丁寧に解説します。


令和7年6月の一般職業紹介状況が厚生労働省から発表され、全国の有効求人倍率は1.22倍となりました。これは前月と比較して0.02ポイントの微減であり、雇用市場が依然として求職者にとって優位である一方で、若干の調整が進行している兆しとも言えます。新規求人倍率は2.18倍と前月より上昇しており、企業側が引き続き積極的な採用姿勢を維持していることがうかがえます。

このような状況の中、企業の採用担当者にとっては、求人倍率の数値を単なる統計として受け取るのではなく、自社の採用戦略を再構築する材料として活用する視点が必要です。特に注目すべきは都道府県別の求人倍率の差異です。たとえば就業地別で最も倍率が高かった福井県では1.84倍に達し、求人が求職者を大きく上回る「売り手市場」の典型例と言えます。一方、大阪府では1.04倍と全国平均を下回っており、企業にとっては比較的採用が進めやすい状況とも考えられます。

また、受理地別では東京都と福井県がともに1.70倍となり、神奈川県は0.85倍と最も低くなっています。このような地域ごとのばらつきは、支店や事業所を複数持つ企業にとって、地域ごとの採用計画を見直すヒントになります。採用活動を一律に展開するのではなく、地域の労働需給に即した柔軟な戦略を構築することが、優秀な人材の確保には欠かせません。

特に注目すべきは正社員の有効求人倍率が1.02倍と、前月から0.02ポイント減少している点です。これは、正社員を希望する求職者の数がわずかに増えた一方で、企業側の求人数がやや抑制された可能性を示しています。すなわち、非正規雇用に比べて、正社員の採用については企業の慎重な姿勢が強まっていると解釈できます。

このような状況下で、企業が採用活動を成功させるためには、単に求人情報を出すだけでなく、自社の魅力や働きやすさ、成長の機会を明確に伝える必要があります。とくに情報通信業や建設業など、一部の産業では新規求人が前年比で増加しています。これらの分野では、業界全体で人材ニーズが高まっていることから、他社との差別化がより重要になります。

その一方で、卸売業・小売業や生活関連サービス業、教育・学習支援業では新規求人が大きく減少しており、業界全体として人材確保に対する意欲がやや低下している可能性があります。このような業種では、賃金や福利厚生の見直し、働き方の柔軟性などを通じて、求職者にとっての魅力を再定義する必要があります。

また、求人倍率の変動は、季節調整や景気動向、企業の事業計画など多様な要因によって影響を受けます。そのため、企業の採用担当者は短期的なデータに一喜一憂するのではなく、過去数か月から1年程度の中長期的な推移を見ながら判断する視点が不可欠です。データに基づいた分析と現場の実感を融合させることで、実効性の高い採用戦略が構築できます。

最後に、令和7年6月時点での全体的な労働市場の傾向を見る限り、企業側は人材確保を引き続き積極的に行う必要があります。とくに人手不足が続く地方や専門職では、競争が激化する一方で、都市部の一部では採用しやすい状況も存在します。自社の業種、地域、雇用形態に応じた柔軟で戦略的な人材獲得が今後の経営において極めて重要な鍵を握るでしょう。

この記事の要点

  • 令和7年6月の有効求人倍率は1.22倍で前月から0.02ポイント低下
  • 新規求人倍率は2.18倍で前月比0.04ポイント上昇
  • 福井県は就業地別で1.84倍と最も高く、大阪府は1.04倍と低水準
  • 正社員の有効求人倍率は1.02倍で、正社員採用に慎重な動き
  • 情報通信業や建設業などで新規求人が前年比増加傾向
  • 卸売業、小売業、教育業では新規求人が大幅に減少
  • 採用活動は業種・地域ごとのデータをもとに柔軟に対応すべき
  • 短期的な数値よりも中長期の傾向を重視した戦略が必要

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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