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2025年8月21日

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令和7年6月岡山県の有効求人倍率1.43倍

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雇用情勢(岡山労働局管内)令和7年6月分(厚労省)


この記事の概要

令和7年6月における岡山県の有効求人倍率は1.43倍となり、2か月連続の低下が確認されました。新規求人倍率は上昇した一方で、有効求人倍率は減少しており、企業の採用活動における見極めが一層重要となる局面を迎えています。


岡山労働局が発表した令和7年6月の雇用統計によれば、有効求人倍率は1.43倍となり、前月比で0.05ポイント低下しました。これは2か月連続の減少であり、県内の採用市場がやや持ち直しに鈍さを見せている兆候といえます。一方で、新規求人倍率は2.43倍と前月比で0.06ポイント上昇しており、新たに発生する求人自体は回復の兆しを見せています。この乖離から見えるのは、採用市場における動きが一様ではなく、より業種別・地域別の傾向に即した対応が求められる状況にあるということです。

まず、新規求人数は13,405人と前年同月比で0.1%の微増となり、3か月連続で増加しています。業種別にみると、製造業や運輸業、卸売・小売業、宿泊・飲食サービス業などで増加が確認されており、企業の人手不足感が依然として続いていることがうかがえます。特に宿泊・飲食分野での求人増加は、インバウンド需要や地域観光の再開を背景としたもので、柔軟な雇用形態の整備が急がれる分野です。一方、建設業や医療・福祉分野では減少が見られ、業界全体の景況感や制度改革の影響を受けている可能性があります。

次に、有効求人の状況を見てみると、41,696人と前年同月比で3.6%増加し、こちらも3か月連続の増加です。この数値は、企業側が引き続き採用意欲を持ち続けていることを示しており、決して採用市場全体が冷え込んでいるわけではありません。新規求職者も5,856人と前年同月比で2.4%増加しており、こちらは8か月ぶりの増加となりました。有効求職者数も31,782人で前年同月比1.2%増と、求職者側にも動きが出てきていることがわかります。こうした背景には、生活環境や就業条件の変化、物価の上昇などによる再就職意欲の高まりがあると考えられます。

就職件数は1,845件で前年同月比0.2%の微増となり、就職率は31.5%と前年より0.7ポイントの低下が見られました。この数字からは、求職者の数が増加しているものの、実際に就職に結びつく割合はやや減少していることが読み取れます。企業の採用担当者にとっては、求人募集を出すだけでなく、選考過程のスピードや柔軟な対応が今まで以上に重要になっているといえるでしょう。求職者側も多様な選択肢を比較検討しているため、採用活動におけるスムーズなコミュニケーションや職場情報の透明性が問われる時代に入ってきています。

また、正社員の有効求人倍率は1.21倍と、前年同月比で0.01ポイント上昇しており、引き続き正社員としての安定雇用を求めるニーズと、企業側の確保意欲が拮抗しています。企業にとっては、非正規雇用と比較したときのコスト面での負担をどう乗り越えるか、また優秀な人材を正社員としていかに囲い込むかが課題となります。福利厚生や研修制度、働き方の多様化への対応などを進めることで、他社との差別化を図ることが可能です。

雇用保険の状況を見ると、被保険者数は601,213人で前年同月比0.3%減少し、11か月連続の減少となりました。一方で、解雇などによる資格喪失者数は311人と、前年より30.1%の減少が見られ、3か月連続での減少です。これは、企業が雇用維持に努めていることを示す好材料ともいえます。基本手当の受給者数は7,000人で前年より7.8%増加し、12か月連続の増加となっています。これらのデータは、雇用の安定化に向かう動きと一部の再就職困難者の存在という、二面性を併せ持つ現状を如実に表しています。

このように、岡山県の労働市場は一見安定的に見えるものの、内実には業種や雇用形態別での差が大きく、採用活動にあたっては一律の戦略では対応しきれません。採用担当者は、求人倍率の数値にとどまらず、地域や業界の特性、そして求職者側のニーズを総合的に理解したうえで、採用戦略を立てる必要があります。特に注目すべきは、採用活動における情報発信の質です。求人票の内容に加えて、会社のビジョンや職場の雰囲気、働きがいといった定性的情報を充実させることで、求職者の共感を得ることが可能になります。

今後、物価や経済情勢の不安定化が続く中で、労働市場も変動することが予想されます。企業にとっては、短期的な採用充足だけでなく、中長期的に自社を支える人材をいかに確保し育成していくかが問われています。特に若年層や再就職希望者などの潜在的な求職者層へのアプローチを強化し、地域に根差した雇用を促進することが、企業競争力の強化につながるといえるでしょう。

この記事の要点

  • 令和7年6月の岡山県の有効求人倍率は1.43倍で2か月連続の低下
  • 新規求人倍率は2.43倍で前月から上昇し求人発生は堅調
  • 新規求人数は13,405人で3か月連続の増加
  • 製造・運輸・小売・宿泊業などで求人が増加傾向
  • 就職率は低下し採用後の定着や選考プロセスの改善が必要
  • 正社員求人倍率は1.21倍で前年同月より微増
  • 被保険者数は減少、解雇者も減少傾向で雇用維持の動き
  • 採用活動では情報発信の質と対応スピードが求められる

⇒ 詳しくは岡山労働局のWEBサイトへ

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