2025年8月21日
労務・人事ニュース
令和7年6月滋賀県の有効求人倍率1.03倍を受け企業が採るべき採用強化戦略とは
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最終更新: 2025年9月7日 22:36
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一般職業紹介状況(令和7年6月分)について(滋賀労働局)
この記事の概要
令和7年6月における滋賀県の有効求人倍率は1.03倍となり、前月から0.01ポイントの上昇を見せました。新規求人倍率も1.88倍と上昇傾向にあり、県内の求人活動には持ち直しの兆しが見えていますが、一方で求職者数も増加しており、雇用情勢は依然として流動的です。
令和7年8月1日に滋賀労働局より発表された雇用統計によると、令和7年6月時点の滋賀県における有効求人倍率は1.03倍となりました。これは前月比で0.01ポイントの上昇であり、2か月ぶりの上昇となったことから、県内の労働市場にわずかながらも持ち直しの動きがあることを示しています。求人数の増加と求職者数の変動が複雑に絡み合う中、採用活動を担う企業担当者にとっては、より戦略的かつ的確な判断が必要とされる局面です。
有効求人数は22,360人で、前月比2.0%の増加を記録しました。これに対して有効求職者数も21,651人と、前月より0.4%増えており、企業側の求人活動が活発になっている一方で、求職者の動きも再び活発化していることがわかります。つまり、求人が増えたからといって採用が容易になるわけではなく、より魅力的で納得感のある採用活動を行わなければ、求職者に選ばれることが難しくなっている現状を表しています。
さらに注目すべきは、新規求人倍率が1.88倍に上昇したことです。これは前月比で0.12ポイントの上昇であり、2か月連続のプラスとなりました。新規求人数は8,120人と前月より2.3%増加し、これは建設業や製造業、宿泊業・飲食サービス業、教育・学習支援業、医療・福祉、サービス業など多くの産業で求人が増えていることが背景にあります。特に教育分野では前年同月比で約59.8%という大幅な増加が見られ、地域全体で人材を求める動きが強まっている様子が伺えます。
一方で、求職の動きについても目を向けると、新規求職者数は4,329人と前月から4.0%減少しました。この数字からは、求職活動を開始する人の数が減少傾向にあることが読み取れます。求人数が増えても、求職者側の動きが鈍ければ、採用活動には依然として課題が残ることになります。企業としては、求人を出せば応募があるという安易な考えを改め、積極的かつ丁寧な採用広報を行っていく必要があります。
また、正社員有効求人倍率に関しては、原数値で0.77倍となっており、前年同月より0.04ポイント上昇しました。これで8か月連続の上昇となっており、正社員採用に対する企業側の意欲が継続していることが確認できます。ただし、この数値が示す通り、依然として正社員の需要に対して供給が不足しており、優秀な人材の確保には一層の努力が求められる局面といえます。
採用担当者にとって、こうした統計データは単なる報告ではなく、実際の採用活動に直結する重要な判断材料です。有効求人倍率が上昇したとはいえ、これは求職者側にとっても選択肢が広がったことを意味し、自社が選ばれる理由を明確に示す必要性が増しています。単に待遇や給与といった表面的な条件だけでなく、企業文化や働き方、将来のキャリア形成といった面でも魅力を発信することが重要です。
また、オンライン採用の重要性も引き続き高まっており、ハローワークインターネットサービスの機能拡充により、求職者がインターネット上で求人を探すことが一般的となっています。企業側も、インターネット求人の掲載内容を充実させるとともに、自社のWebサイトやSNSを活用して企業情報を発信し、求職者に対するアプローチを多角的に展開する必要があります。
求職者が何を重視しているのかを見極めるためには、採用面接や説明会での双方向コミュニケーションが不可欠です。単なるスクリーニングの場としての面接ではなく、求職者に対して企業の魅力を丁寧に伝える機会と捉えることで、内定辞退や早期離職といった問題の防止にもつながります。加えて、採用活動は短期的な採用数だけを追い求めるのではなく、将来を見据えた組織づくりの一環として位置付けることが求められます。
物価上昇や経済情勢の変化が雇用に与える影響についても、今後注視していく必要があります。滋賀県のように、地域によって産業構造や雇用の特性が異なる場合、全国的なトレンドに流されるのではなく、自地域の特性を反映させた独自の採用戦略が求められます。例えば、製造業が基幹産業である地域では技能人材の確保が重要視される一方、サービス業が中心となる地域では人間性や接客スキルが重視されるなど、求められる人材像も大きく異なります。
滋賀県における今回の求人動向を見る限りでは、求人が回復傾向にある一方で求職者の動きが一様ではなく、労働市場は依然として不安定な側面を持っています。そのため、採用活動においても単なる数値に一喜一憂するのではなく、背後にある社会的背景や業界別の傾向を丁寧に分析し、柔軟かつ機動的な採用方針を確立することが、これからの人材戦略の中核を成すといえるでしょう。
この記事の要点
- 令和7年6月の滋賀県の有効求人倍率は1.03倍と前月から上昇
- 新規求人倍率は1.88倍に達し、求人活動に回復傾向が見られる
- 有効求職者数も増加しており、求職者の動きも活発化
- 新規求職者数は減少し、求職開始に慎重な傾向がある
- 正社員有効求人倍率は0.77倍で8か月連続の上昇
- 求人だけでなく採用広報の質と戦略性が今後の鍵を握る
- オンライン求人への対応と情報発信力が採用成功の要因
- 地域の産業構造に即した柔軟な採用戦略の構築が不可欠
- 採用活動は中長期的な視点で行い、組織づくりの一環と捉える必要がある
⇒ 詳しくは滋賀労働局のWEBサイトへ