2025年8月22日
労務・人事ニュース
令和7年6月鹿児島県の有効求人倍率1.08倍
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「夜勤なし」/准看護師/有料老人ホーム/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年8月21日 23:02
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「駅チカ」/正看護師/整形外科/外科/クリニック/夜勤なし
最終更新: 2025年8月21日 23:02
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「夜勤なし」/准看護師/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年8月21日 23:02
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「駅チカ」/准看護師/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年8月21日 23:02
鹿児島の雇用失業情勢(令和7年6月分)の概要について(鹿児島労働局)
この記事の概要
令和7年6月、鹿児島県における有効求人倍率は1.08倍となり、前月から0.03ポイント低下しました。求人数は減少し、求職者数は増加傾向にあり、採用を取り巻く状況はやや厳しさを増しています。
鹿児島県が発表した令和7年6月の雇用統計によれば、有効求人倍率は1.08倍で、前月比で0.03ポイントの減少となりました。この結果は、県内の求人市場における需給バランスの微妙な変化を示しています。求人数が減少する一方で、求職者数は増加傾向にあり、企業が求人を出しても応募者が即座に集まるとは限らない現状が浮かび上がっています。企業の採用担当者にとっては、このような環境の中で自社の採用競争力を高めるための新たな工夫が求められる局面といえるでしょう。
有効求人数は36,535人で前月から1.5%の減少となっており、これは2か月ぶりの減少です。求人活動を控える企業が増えている背景には、人件費や物価の上昇、経済先行きへの不安感など、さまざまな外部要因が影響しています。とくに中小企業では経営資源の制約から、採用の優先順位を下げざるを得ないケースも散見されます。一方で、有効求職者数は33,817人で、前月比1.1%の増加、こちらは2か月連続の増加です。求職者が増えているということは、雇用市場において人材を確保するチャンスも存在していることを意味しますが、同時に企業間の人材獲得競争は激化していくことが予想されます。
新規求人倍率は1.87倍で、こちらも前月より0.05ポイント低下しており、3か月連続の減少となりました。新規求人数は11,764人と前年同月比で3.7%の減少となっており、企業の新たな求人が抑制傾向にあることを示しています。特に、宿泊業・飲食サービス業では15.8%の減少、サービス業(分類外)でも13.1%の減少と大きく落ち込んでおり、対面接客型の業種を中心に求人活動が鈍化しています。一方、建設業は1.5%増加、製造業は4.8%増加と、モノづくりやインフラ関連の分野では引き続き人手が必要とされている状況です。
このような業種間の求人動向から見えてくるのは、業種特性に応じた採用戦略の構築が不可欠であるということです。たとえば、サービス業や飲食業で採用難が進んでいる場合には、従来の採用チャネルだけに頼るのではなく、SNSや動画による企業PR、アルバイトからの正社員登用制度の整備など、柔軟なアプローチが求められます。反対に建設業や製造業においては、技能継承や安全教育といった要素が採用活動において重視される傾向があるため、教育体制やキャリアパスを明確にすることで優秀な人材を惹きつけることが可能となります。
また、新規求職者数は6,463人と前年同月比で6.8%増加しており、こちらは8か月ぶりの増加です。この増加は、働き方や職場環境の見直しを希望する層が求職市場に戻ってきている兆しといえるでしょう。中には、長時間労働や低賃金に不満を感じて転職を考える層も含まれており、企業にとっては待遇改善や労働環境の整備がこれまで以上に重要な経営課題となります。特に働き手が企業に求める価値観が多様化するなか、画一的な採用方針では人材を惹きつけることは難しい時代となっています。
こうした背景のもと、企業の採用担当者が注視すべきは、求人倍率という数字の変化だけでなく、その背景にある社会的・経済的文脈です。有効求人倍率1.08倍という数値は、表面的には求人数が求職者数を上回っている状態を示していますが、実際には「条件の良い職」を求める人と「すぐに採用したい企業」との間にギャップが存在することを意味します。このギャップを埋めるためには、自社がどのような価値を提供できるのかを言語化し、丁寧に伝えていくことが求められます。
特に重要なのは、応募から面接、採用決定、入社後フォローまでの一連の流れにおけるスピードと透明性です。採用フローが長引けば長引くほど、他社に先を越されるリスクが高まり、優秀な人材の獲得機会を失う可能性が高まります。面接日程の柔軟な調整、Web面接の導入、選考中の情報共有の充実など、求職者にとって「この企業は自分に関心を持ってくれている」と感じさせる仕組みを設けることで、採用成功率を高めることができます。
さらに、採用活動は単なる人材補充のための作業ではなく、企業の未来をつくるための戦略的投資でもあります。人材不足が叫ばれる今だからこそ、目の前の人員確保にとどまらず、育成や定着を見据えた採用の在り方が問われています。特に若年層の採用においては、研修制度やキャリアステップの明示が大きな魅力となるため、これらを求人票や企業説明会の中で積極的に伝えていくことが重要です。
令和7年6月の鹿児島県の雇用状況を見る限り、求人の動きにはやや慎重さがうかがえるものの、求職者の動きは活発化しており、うまく戦略を立てれば人材確保の好機ともなり得ます。企業の採用担当者としては、この時期を単なる「採用が難しい時期」と捉えるのではなく、「戦略的に採用力を強化するための機会」として前向きに捉え、行動を起こすことが求められるでしょう。
この記事の要点
- 令和7年6月の鹿児島県の有効求人倍率は1.08倍で前月より0.03ポイント低下
- 有効求人数は1.5%減少し、2か月ぶりのマイナスに転じた
- 有効求職者数は1.1%増で2か月連続の増加
- 新規求人倍率は1.87倍で3か月連続の減少
- 宿泊業・飲食サービス業などで大幅な求人減少が発生
- 建設業と製造業では新規求人が前年同月比で増加
- 新規求職者数は6.8%増と8か月ぶりに増加し人材流動が活発化
- 採用活動のスピードと情報発信の質が競争力の鍵となる
- 求人票に職場環境や育成制度を丁寧に記載することが重要
⇒ 詳しくは鹿児島労働局のWEBサイトへ