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2025年9月3日

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令和7年7月の景気判断、緩やかな回復も物価3.2%上昇で消費に影響

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月例経済報告 令和7年7月 景気は、米国の通商政策等による影響が一部にみられるものの、緩やかに回復している。(内閣府)


この記事の概要

令和7年7月に発表された月例経済報告では、日本経済が米国の通商政策の影響を一部受けながらも、緩やかな回復基調にあると評価されました。個人消費や設備投資、雇用情勢の改善が支えとなる一方、物価上昇と消費者マインドの低迷、金融市場の変動リスクが引き続き懸念されています。


内閣府が公表した令和7年7月の月例経済報告によると、日本の景気は依然として緩やかに回復しているものの、その歩みには慎重な見方が必要です。とりわけ、米国の通商政策による影響が一部で顕在化しており、景気全体の先行きに下振れリスクがあると警鐘が鳴らされています。加えて、消費者物価の上昇が続いていることにより、家計の実質購買力が圧迫され、消費者マインドの回復に遅れが見られる点も懸念材料として挙げられています。

報告によれば、個人消費は新車や家電の販売回復、外食の緩やかな増加など、雇用や所得環境の改善を背景に持ち直しの兆しを見せていますが、消費者心理は依然として慎重な状態が続いています。また、設備投資は法人企業の前向きな動きが続き、2025年1~3月期には前期比1.6%の増加が確認されており、製造業・非製造業ともに投資意欲が維持されています。特に省力化やデジタル化を目的とした投資が、企業の競争力強化に直結していると見られています。

住宅建設については、新設住宅着工戸数が一時的な駆け込み需要の反動により減少するなど、不安定な動きが続いており、今後も横ばいの推移が予想されます。公共投資は政府の補正予算の執行により底堅さを維持しており、民間投資との相乗効果も期待される状況です。一方で輸出は全体的に横ばいであり、アジア、米国、EU向けともに動きに大きな変化は見られません。輸入はアジア地域を中心に持ち直しの動きが出てきており、貿易・サービス収支は依然として赤字となっています。

企業収益に関しては、改善傾向が見られるものの、依然として通商問題や世界経済の先行き不透明感の影響を受けやすい状況です。特に製造業では減益傾向が見られ、非製造業や中小企業が支える構図となっている点が特徴です。企業の業況判断は全体的に横ばいですが、景況感に関しては先行きへの慎重な見方が根強く、金融市場や国際情勢の動向が企業活動に与える影響は依然として大きいといえます。

雇用情勢に目を向けると、完全失業率は2.5%で横ばいを維持しており、就業者数は増加傾向にあります。人手不足感は依然として高く、特に非製造業における雇用人員の不足が顕著となっています。企業の人材確保意欲が高まる中で、賃金や雇用条件の見直しが進み、定期給与や現金給与総額が増加するなど、所得環境も改善の兆しを見せています。

物価動向では、企業物価は上昇テンポがやや鈍化している一方で、消費者物価は引き続き上昇を続けており、6月の「コア指数」は前年比で3.2%の上昇となりました。物価上昇に対する国民の期待感は高まりを見せており、今後の金融政策に影響を与える要素として注視されています。金融市場においては、日経平均株価が41,000円台まで上昇する場面があった一方で、為替相場は変動が大きく、円安が一時的に進行したものの、その後の円高局面も見られました。

こうした中で政府は、「経済財政運営と改革の基本方針2025」を掲げ、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」の実現を目指しています。令和6年度の補正予算や令和7年度の本予算を迅速かつ確実に執行することで、全世代の所得向上と生活の安定を図る方針です。加えて、米国の関税政策への対処として「緊急対応パッケージ」が取りまとめられており、経済の持続的成長と外部ショックへの柔軟な対応を両立させる構えが示されています。政府と日本銀行は引き続き連携を密にし、物価と賃金の好循環を目指す政策運営を続ける方針です。

海外経済に目を向けると、米国ではGDPが前期比0.1%減とマイナス成長となり、関税引き上げによる影響が広がりつつあります。アジア地域では中国が足踏み状態、韓国や台湾、インドなどはそれぞれ異なるテンポで回復の動きを見せています。ヨーロッパではユーロ圏やドイツ、英国などが持ち直しの兆しを示しているものの、政策金利の据え置きや高止まりするインフレ率が景気回復の足かせになる可能性も指摘されています。

日本経済は、緩やかな回復を維持しつつも、外部環境の変化に大きく影響を受ける状況にあることは明らかです。企業や消費者が今後の景気動向を見極める上で、こうした政府の経済報告は貴重な指標となり続けるでしょう。

この記事の要点

  • 景気は緩やかに回復しているが通商政策と物価上昇がリスク要因
  • 個人消費は雇用と所得の改善で持ち直し傾向も消費者マインドの回復は遅れ
  • 設備投資は企業収益と省力化対応を背景に増加基調
  • 企業収益は改善傾向だが製造業では減益も見られる
  • 雇用は改善傾向にあり失業率は2.5%で横ばい、人手不足感は依然強い
  • 消費者物価は前年同月比3.2%上昇しインフレ傾向が継続
  • 日経平均株価は一時41,000円台を超える上昇を記録
  • 政府は賃上げと投資を柱とする成長型経済を目指し政策を推進中

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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