2025年9月3日
労務・人事ニュース
北海道で令和7年の労災死亡者数が32人に、前年比33.3%増で危機的状況
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最終更新: 2025年9月3日 01:04
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労働災害による死亡者数は、令和7年32人に(北海道労働局)
この記事の概要
北海道労働局は、令和7年7月末時点における労働災害の発生状況を発表しました。死亡者数は前年同期比で8人増の32人に上り、特に建設業や林業での死亡災害が目立ちました。一方で、4日以上の休業を伴う死傷者数は3,728人と前年より440人減少しました。災害防止への取り組みが求められています。
厚生労働省北海道労働局は、令和7年(2025年)7月末までに発生した道内の労働災害について、最新の速報値をまとめ、公表しました。この発表によると、労働災害による死亡者数は32人となり、前年同期の24人から8人増加しました。増加率は33.3%に達しており、依然として死亡災害が重大な課題であることが浮き彫りになっています。一方で、4日以上の休業を伴う死傷者数は3,728人で、前年同期より440人減少しました。これは10.6%の減少であり、一定の災害防止対策の効果が出始めていると見ることもできます。
死亡災害の内訳を見ると、最も多かったのは建設業で9人、全体の28.1%を占めています。次いで林業が5人、商業が4人、製造業、陸上貨物運送業、清掃・と畜業がそれぞれ3人という結果でした。事故の型別では、「墜落・転落」が最も多く10人、続いて「交通事故(道路)」が7人、「はさまれ・巻き込まれ」「激突され」がそれぞれ5人ずつでした。中でも建設業における墜落事故、林業での接触災害、そして高温環境下での熱中症による死亡事例などが確認されており、業種ごとのリスクに応じた具体的な対策が必要とされています。
また、死亡に至らないが4日以上の休業を要する労働災害の状況にも注目が集まっています。この分類では、保健・衛生業が最も多く622人、製造業が555人、商業が545人、陸上貨物運送業が407人、建設業が390人、接客娯楽業が233人と続いており、第三次産業を中心とした災害リスクが依然として高い状況です。事故の内容別に見ると、「転倒」が全体の35.1%にあたる1,309人と最も多く、次いで「墜落・転落」537人、「動作の反動・無理な動作」430人、「はさまれ・巻き込まれ」318人などが続いています。これらの災害の多くが、日常的な業務の中で発生しており、職場環境の整備や労働者の安全意識の向上が重要な課題です。
北海道労働局では、このような状況を踏まえ、令和7年1月30日付で事業者団体や災害防止団体に対して「死亡労働災害撲滅のための緊急要請」を発出しています。この要請では、安全衛生活動の基本に立ち返り、各現場におけるリスクアセスメントの実施や安全対策の再確認を求めています。また、建設業では特にリスクアセスメントの徹底が求められ、個人事業主を含む作業者への保護措置も義務化されています。
さらに、令和7年には「労働安全衛生法および作業環境測定法」の一部改正が行われており、一部の改正項目は既に施行されています。2025年1月1日からは労働者死傷病報告や健康診断報告について、原則として電子申請が義務化されることが定められています。これにより、より迅速かつ正確な労災情報の収集と分析が可能となり、今後の災害防止策の精度向上が期待されます。
また、転倒災害に関しては、リーフレットやセルフチェック票を活用した教育啓発活動が進められており、高齢労働者の身体機能に配慮した対策も重要視されています。現場での危険因子を取り除くハード対策と、労働者の行動に着目したソフト対策の両面からのアプローチが求められています。小売業や介護施設などに向けては、「職場の災害防止ヒント集」も公開されており、業界特有のリスクに応じた具体策の普及が図られています。
北海道における労働災害の動向は、経済活動の回復とともに、再び注視すべき局面に入っています。死亡災害が増加している現状に対し、北海道労働局は労使双方の協力による安全意識の再構築を呼びかけており、企業にはより一層の安全配慮と労働環境の整備が求められています。
この記事の要点
- 令和7年の死亡者数は前年より8人増の32人で33.3%増加
- 死傷者数は3,728人で前年より440人減少、10.6%の改善
- 死亡災害の最多業種は建設業で9人、次いで林業5人
- 事故の型別では墜落・転落が最多の10人で全体の31.3%
- 休業4日以上の死傷災害では保健・衛生業が最多の622人
- 転倒による災害が1,309件で最多、全体の35.1%を占める
- 労働安全衛生法改正により2025年1月から電子申請が義務化
- 死亡災害撲滅に向けた緊急要請が1月に発出されている
⇒ 詳しくは北海道労働局のWEBサイトへ