2025年4月25日
労務・人事ニュース
北関東でコンビニ来客数が前年比105%、地域密着型業態に回復の兆し(令和7年3月調査)
- 看護師/2025年5月1日更新
最終更新: 2025年5月1日 11:34
- 「時短勤務可」/准看護師・正看護師/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年5月1日 22:32
- 「夜勤なし」/准看護師/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年5月1日 22:32
- 「夜勤なし」/准看護師・正看護師/介護施設/残業ありません
最終更新: 2025年5月1日 22:32
景気ウォッチャー調査(令和7年3月調査)― 北関東(現状)―(内閣府)
令和7年3月に実施された景気ウォッチャー調査における北関東地域の動向は、回復の兆しと足踏みの様相が交錯する複雑な経済状況を映し出すものでした。調査結果からは、消費者行動に対する慎重な姿勢が続く一方、季節的な需要やイベントを契機に一部の業種で回復傾向が見られることが明らかとなっています。企業の採用担当者にとっても、こうした現地の経済実態を把握することは、今後の採用戦略や雇用施策を考える上で極めて重要です。
まず注目すべきは、コンビニエンスストア業界で来客数が前年比105%を記録し、堅調な販売が続いているという報告です。消費者の外出頻度の増加や利便性の高さが背景にあるとみられ、引き続きこの業態の底堅さが強調されました。また、スーパーマーケットでは、4月の各種商材の値上げを見越した「まとめ買い需要」による売上増が期待されており、特に日用品を中心とした買い控えからの一時的な反動が業績を押し上げる材料となっていると評価されています。とはいえ、来客数自体は回復傾向にあるものの、客単価や買上点数にはばらつきがあり、慎重な消費行動が根強く残っていることも否めません。
観光やサービス業においては、春休みやイベントシーズンを背景に、ホテルやレストランの利用が増加しています。特に都市型ホテルでは、梅まつりや謝恩会、送別会といった催しが宿泊・飲食両部門の売上を押し上げており、高単価での販売が実現しているとの報告があります。旅行代理店では、見積もり依頼件数が日を追うごとに増加しており、インバウンド需要も例年よりも加速しているとのことで、観光産業全体にとっては好材料といえるでしょう。また、タクシー業界でも人の動きが活発になり、前年同月比で10%の増収を記録するなど、地域交通にも波及効果が及んでいます。
一方で、個人消費においては依然として物価高が大きな影を落としており、特に食料品価格の上昇が家計を圧迫しています。百貨店では、商品単価と客単価の上昇がみられるものの、買上客数の減少が顕著で、全体としては慎重な購買傾向が続いているとされています。季節を問わず利用できる実用的な商品への需要は残っているものの、高額品の動きは鈍く、需要の二極化が進行しています。また、家電量販店では客単価が前年比95%にとどまり、販売数量が前年割れとなっているという厳しい現実が報告されています。
自動車販売店では、販売台数自体は堅調ながら、受注残の減少が進んでおり、将来的な収益に対する懸念が残ります。加えて、サービス部門での売上は安定しているものの、全体の売上は減少傾向にあり、利益は横ばいにとどまっているとの声もあります。住宅関連分野でも、来場者の多くが外国人であり、日本人の購買行動は慎重さを増しています。物価高騰の影響により、消費者の優先順位が価格重視へとシフトし、付加価値の高い商品やリフォーム需要なども抑制されているようです。
飲食業界でも同様に、個人客の来店頻度の低下が懸念されています。団体の予約はあるものの、個人単位での利用が減っており、客単価も低迷傾向です。給食やレストラン運営など、業務用食材を多く扱う事業者にとっては、備蓄米や食材価格の高止まりが収支悪化の要因となっており、安定した運営を揺るがす要素となっています。また、テーマパークやゴルフ場などのレジャー施設では、天候不順に加え、燃料費や生活費の高騰により、消費者の余暇支出が抑制される傾向が続いています。
企業動向については、製造業の中でも電気機械器具製造業や一般機械器具製造業では、受注や見積もり依頼が増え始める兆しが見られました。ただし、受注金額は低めに設定される傾向にあり、必ずしも収益性の改善につながっていないケースも報告されています。輸送用機械器具製造業では、主要取引先の減産の影響により、受注が伸び悩む状況が続いています。輸送業では、インターネット通販の需要が底堅く、新生活需要の影響で物量は確保されているものの、車両不足や運賃高騰により、利益確保が難しくなっている現状が伝えられています。
雇用に関する動向では、年度末を迎えたことで、アルバイトやパートタイムの短時間雇用の求人がやや増加した一方で、正社員志望者の増加によって派遣社員の採用が伸び悩んでいるという現象が起きています。人材派遣会社では、製造業や建設業、公共事業関係の求人が一進一退の状態にあり、雇用の安定性には課題が残ります。さらに、派遣求職者が賃金水準を厳しく比較して職を選ぶ傾向が強まっており、採用側にとってはマッチングの難しさが増しているといえるでしょう。職業安定所からは、新規求人数の前年同月比が増減を繰り返しており、雇用環境の不安定さが続いているとの報告もありました。
こうした調査結果から見えてくるのは、北関東地域における景気回復の兆しが部分的に見られるものの、物価上昇や国際情勢の不安定さを背景に、家計・企業ともに慎重な姿勢を崩していないという現状です。企業の採用担当者にとっては、今後の採用計画において即戦力人材の確保と、求職者のニーズに応じた柔軟な雇用形態の提示が重要となるでしょう。また、地域経済の現場で起きている実情に即した人材戦略の再構築が求められているといえます。
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