2025年5月17日
労務・人事ニュース
医療費総額が令和6年12月単月で3.9%増加、企業保険料に影響する入院単価の上昇傾向
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最終更新: 2025年5月16日 09:21
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最近の医科医療費(電算処理分)の動向(令和6年度12月号)(厚労省)
令和6年12月における日本の医療費動向を示す厚生労働省の資料によれば、電算処理された医科医療費の総額は対前年同月比で3.9%の増加となりました。この伸びは、受診延日数が2.3%増、1日当たり医療費が1.6%増となったことに支えられており、医療費全体の増加が受診件数と単価の双方から影響を受けていることがわかります。企業の採用担当者にとっては、これらの数字が今後の健康保険料の上昇や、福利厚生制度の再設計に直結する可能性があるため、非常に注目すべきポイントです。
特に入院医療費の増加は顕著で、同月の入院費は6.6%増、1日当たりの入院医療費は5.0%増という結果となっています。入院外、すなわち外来診療については、医療費が1.0%の増にとどまっており、1日当たり医療費は1.4%減少しました。このことから、入院診療の単価上昇が全体の医療費増加を牽引していることが見て取れます。これにより、長期入院を必要とする従業員やその家族にかかる企業負担が相対的に増大する可能性が高まっているのです。
制度別で見ても、被用者保険にかかる医療費が前年同月比で4.6%増加しており、これは企業が直接的に影響を受ける領域です。これに対し、国民健康保険は1.5%の減少と対照的な動きを示しており、高齢者が多く含まれる後期高齢者医療制度では6.4%の増加と、大きな伸びが見られました。これは高齢従業員を多く抱える企業や、シニア層を積極的に採用する企業にとっては無視できない情報であり、医療費の急増による保険料率の変動が想定されます。
医療機関の種類別で見ても、大学病院における医科医療費の伸び率が最も高く、前年同月比で8.2%増でした。次いで公的病院が5.9%、法人病院が3.6%の増加となっており、病床数別で見れば、200床未満の病院では4.3%、200床以上では5.3%の伸びが確認されています。一方で、医科診療所の伸び率は1.3%と緩やかであり、大規模病院への医療依存度が高まっている現状が示唆されています。企業においても、健康診断や医療相談制度を外部医療機関に依存している場合、その費用増加の影響を受けるリスクが高まります。
地域別では、石川県が7.2%と最も高い伸びを示し、徳島県は1.0%と最も低く、都道府県による医療費の差が浮き彫りになっています。これは地域ごとの医療体制の差異や人口構成の違いに由来するものであり、地方拠点を多く持つ企業では地域別の医療費負担を踏まえた福利厚生制度の最適化が求められるでしょう。
年齢別では、75歳以上80歳未満の医療費が9.5%増と最も大きく、逆に70歳以上75歳未満では4.2%の減少が見られました。特に入院においては、10歳から15歳未満の伸び率が14.1%と突出しており、小児医療費の一時的増加も確認されています。入院外では、100歳以上の伸び率が7.1%で、0歳から5歳未満は12.1%の減少と、年齢層によって利用傾向が大きく異なっています。これらの情報は、家族構成やライフステージに応じた医療補助制度の導入において、有益な指針となります。
疾患別では、呼吸器系疾患の医療費が13.6%と最も大きな伸びを見せており、入院に限れば18.9%の増加です。これはインフルエンザやCOVID-19の影響とみられ、今後の感染症流行期に備えた対応策の必要性を企業側に強く示しています。筋骨格系および結合組織の疾患、損傷・中毒といった外因系の影響も5.5%の増加と、労働災害や職業病に起因する医療費の増加が継続しています。こうした背景から、職場での安全衛生対策や、産業医の活用による早期対応体制の整備が、医療費の抑制に資する施策として重要性を増しています。
診療内容別の伸び率では、DPC(診断群分類別包括評価)包括部分が9.6%と最も高く、手術・麻酔が6.6%、薬剤料が1.4%の増加でした。これに対し、検査・病理診断は0.1%の減少と、やや抑制傾向にあります。DPC制度の拡大や高額治療への依存が強まる中、企業としては、がん保険や先進医療への給付制度といった保障内容の見直しが、従業員満足度の向上に寄与する要素として挙げられるでしょう。
以上のように、令和6年12月の医科医療費動向からは、日本の医療制度全体の膨張傾向と、制度別・地域別・年齢別・診療内容別といった多角的な観点から見た差異が浮き彫りとなりました。企業の採用担当者にとっては、医療費に関するこうした動向を的確に把握し、採用後の人件費や福利厚生施策に反映させることが、人材獲得・定着の両面において競争力を高めるカギとなります。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ