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2025年6月15日

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国内GHG削減技術を世界へ展開、ミドリ・インフィニティでCO2削減と輸出市場拡大を両立

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「農林水産分野GHG排出削減技術海外展開パッケージ」策定!(通称:MIDORI∞INFINITY,ミドリ・インフィニティ)(農水省)

令和7年5月30日、農林水産省は、我が国の農業や食品産業が有する温室効果ガス(GHG)排出削減技術を国際的に展開するための総合パッケージ「農林水産分野GHG排出削減技術海外展開パッケージ(通称:MIDORI∞INFINITY、ミドリ・インフィニティ)」を発表しました。この取り組みは、2025年にブラジルで開催される国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)を見据え、我が国が持つ技術的強みを国際社会と共有することで、地球規模での気候変動対策に貢献するだけでなく、日本の食料安全保障の確保にも資するものと位置づけられています。

このパッケージは、「農林水産省地球温暖化対策計画(2025年4月改定)」の中で示されたGHG排出削減技術のうち、国際展開が可能かつ食料安全保障に資する技術に絞って構成されています。たとえば、水田や畜産業からのメタン排出量の削減、農地の土壌における炭素貯留の拡大、森林減少に伴うCO2排出の抑制といった分野が含まれており、これらはすでに国内で一定の成果を上げている技術です。

パッケージでは、二国間クレジット制度(JCM)をはじめとした国際的な連携の枠組みや、研究開発支援、さらに民間事業者が海外で実際に展開する際に活用できる予算措置なども取りまとめられています。民間の農業・食品関連企業にとっては、技術を海外市場に適応・実装するための明確な道筋とともに、制度面での後押しが提供されることになり、事業拡大や収益力の強化につながる大きな契機となるでしょう。

策定にあたっては、農業・食品分野でGHG削減に取り組む民間企業および研究機関との意見交換会が開催され、それぞれの現場で直面する課題や要望が丁寧に聞き取られました。その結果、単に技術のカタログを示すだけではなく、どのような支援制度があるのか、実際の事業展開にどう結びつけていくかといった実務的な観点を重視した内容となっています。

名称の「ミドリ・インフィニティ」には、みどりの食料システム戦略に込められた持続可能性の理念と、日本の革新技術が世界のネットゼロ社会に向けて貢献できる無限の可能性への期待が込められています。これは農林水産省の若手職員が命名したものであり、次世代に向けた政策の象徴的な存在ともいえるでしょう。

今後は、COP30をはじめとする国際的な舞台を活用し、このパッケージを広く発信する方針です。また、「みどり脱炭素海外展開コンソーシアム」と連携し、民間主導による具体的なプロジェクトの形成が加速される見通しです。これにより、脱炭素投資の呼び込みと国内農業の成長戦略が同時に実現され、日本発の気候変動ビジネスが国際市場で一層存在感を高めることが期待されます。

さらに、地方創生にも繋がる波及効果も見逃せません。たとえば、農山漁村から生まれた革新的技術が海外展開されれば、その開発や供給の拠点となる地域に新たな雇用が生まれ、地域経済の活性化が進むことになります。これは、農村の「稼ぐ力」を引き上げ、人口減少や高齢化といった構造的課題にも間接的に対応する手段ともなり得ます。

農林水産省は、これらの技術展開を一過性のイベントにとどめず、継続的な取り組みとして位置づけています。今後も民間企業や研究機関、地方自治体との連携を深め、現場に根差した実効性のある政策を推進していく方針です。この政策を通じて、日本の農業と食品産業が世界の脱炭素社会の構築に貢献する姿は、企業のSDGs対応やESG投資の観点からも大きな注目を集めることになるでしょう。

⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ

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