2025年8月14日
労務・人事ニュース
女性の労働力人口が3,157万人に到達、前年比33万人増で過去最高
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介護職員/福岡市博多区JR鹿児島本線/笹原駅/福岡県
最終更新: 2025年8月14日 02:02
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介護職員/福岡県/福岡市東区JR香椎線/土井駅
最終更新: 2025年8月14日 02:02
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介護職員福岡市早良区/福岡県
最終更新: 2025年8月14日 02:02
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介護職員福岡市西区/福岡県/JR筑肥線/九大学研都市駅
最終更新: 2025年8月14日 02:02
令和7年版厚生労働白書 第2部 第2章 女性、若者、高齢者等の多様な働き手の参画(厚労省)
この記事の概要
女性、若者、高齢者を含む多様な人々の労働市場への参加を支える施策が進展しています。特に女性の労働参加率は過去最高水準に達し、企業の認定制度や再就職支援も強化されています。この記事では、現状の課題と具体的な対策を紹介します。
2024年の日本における女性の労働力人口は3,157万人に達し、前年より33万人増加しました。労働力人口に占める女性の割合は55.6%に上昇し、生産年齢人口(15~64歳)の女性では76.1%という高水準となっています。雇用者数では女性が2,830万人となり、雇用全体に占める割合は46.2%を占めています。これらのデータからも分かるように、女性の社会進出が着実に進んでいます。
しかし、職場での性差別やハラスメントといった課題は依然として存在しており、2023年度に都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に寄せられた相談件数は19,482件に上ります。特にセクシュアルハラスメントや、婚姻・妊娠・出産等を理由とする不利益な扱いに関する相談が多く、現場での対策が求められています。これに対応して、各都道府県の労働局では法令に基づいた是正指導を実施し、必要に応じて企業に具体的な取り組み事例やノウハウの提供も行っています。
さらに、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」により、従業員が101人以上の企業には行動計画の策定が義務づけられ、301人以上の企業には男女間の賃金差異情報の開示も義務化されています。このような施策により、企業が女性の活躍を推進するための体制整備が進んでいます。また、「えるぼし」認定や「プラチナえるぼし」認定など、女性活躍に積極的な企業を認証する制度も広がりつつあり、認定取得に向けた支援も行われています。
再就職を希望する子育て中の女性に対しては、全国206か所に設置されたマザーズハローワークやマザーズコーナーが重要な役割を果たしています。これらの施設では、子連れでの訪問を想定した環境整備とともに、担当者による個別支援や保育サービスの情報提供など、就職活動を包括的にサポートしています。さらに、育児離職後の復職を目指す女性向けに「仕事と育児カムバック支援サイト」が運営され、成功事例の共有などを通じて再就職を後押ししています。
育児や介護との両立支援も制度的に整備されており、企業には短時間勤務制度や所定外労働の免除などが求められています。2025年までに女性の継続就業率を70%に引き上げる目標や、男性の育児休業取得率を50%に引き上げるといった数値目標も掲げられています。これらの目標は、労働力不足の中で性別を問わず多様な人材が働き続けられる環境を作るための重要な指標となっています。
こうした取り組みは、労働市場の柔軟性を高めるだけでなく、企業の生産性や持続可能性にも直結します。とりわけ、女性の離職防止や職場定着を図ることは、企業にとっても人的資源の安定確保という観点から重要です。企業がこれらの施策を実行に移すには、制度の理解と活用が鍵となるため、厚生労働省や関係機関が行うセミナーや支援サイトの活用が今後一層求められるでしょう。
また、育児や介護休業を取得した従業員に対して、不利益な扱いを行うことは法律で禁止されており、違反企業に対する指導や助成制度の導入も進んでいます。働き方改革の一環として、男性の育児休業取得を促進する「イクメンプロジェクト」なども展開されており、男女問わず育児に参加しやすい社会の実現が図られています。
企業の人事担当者や経営層にとって、これらの制度を正しく理解し、適切に導入・運用することは、従業員のモチベーション向上や企業のイメージアップにつながるだけでなく、持続的な経営基盤の確保にもつながります。多様な働き方を支える制度の整備と、その制度を実効性あるものとして運用する現場の意識改革が、日本全体の労働環境の質を高める鍵を握っているのです。
この記事の要点
- 2024年の女性労働力人口は3,157万人、労働力比率は55.6%
- セクハラや妊娠・出産による不利益扱いの相談件数は19,482件
- 従業員301人以上の企業には男女賃金差の情報開示が義務化
- 「えるぼし」「プラチナえるぼし」などの認定制度が企業の取組を促進
- マザーズハローワークは全国206か所で子育て女性を支援
- 男性の育児休業取得率50%を目指し、各種制度や助成金を整備中
- 育児・介護と仕事の両立支援は経済活力維持の観点でも重要
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ