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2025年8月16日

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女性管理職14.6%に上昇、令和6年度雇用調査が示す企業の意識変化

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令和6年度雇用均等基本調査(厚労省)


この記事の概要

令和6年度の「雇用均等基本調査」によって、日本における女性の労働参加や管理職登用、育児休業の取得状況など、雇用に関する最新の実態が明らかになりました。企業における男女雇用の均等化や育児との両立支援、さらにハラスメント対策など、多角的な観点から労働環境の改善に向けた取り組みが進展している様子が具体的な数値をもとに浮き彫りになっています。


厚生労働省が令和6年に実施した「雇用均等基本調査」では、企業や事業所における雇用管理の実態が詳細に示されており、特に女性の社会進出と職場環境の整備状況が注目されています。この調査は、全国の常用労働者10人以上の企業6,000社と、常用労働者5人以上の事業所6,300ヵ所を対象に行われ、有効回答率はそれぞれ53.9%、53.7%に達しました。調査時点は令和6年10月1日で、その時点の雇用実態に基づいたものです。

まず、正社員や正職員に占める女性の割合は27.6%で、前年から0.3ポイント上昇しました。職種別では、総合職が21.9%、限定総合職が37.7%、一般職が32.6%、その他が26.5%という結果でした。これにより、女性の正社員としての登用が着実に広がっていることがうかがえます。一方で、採用状況を見ると、令和6年春の新卒者を採用した企業は全体の20.6%にとどまり、前年よりも2ポイント低下しています。採用者の性別構成をみると、企業規模が大きいほど女性を採用している傾向が明確で、従業員5,000人以上の企業では100%の企業が女性を採用していることが分かりました。

女性の管理職登用に関しても進展がみられます。部長相当職に女性を登用している企業は14.6%、課長相当職は22.5%、係長相当職は24.8%であり、いずれも前年より増加しています。とりわけ、企業規模が大きくなるほど女性管理職の割合も高くなっており、5,000人以上の企業では部長に女性を登用している企業が82.4%、課長職では96.8%という極めて高い割合となっています。また、役職に占める女性の割合は、係長職で21.1%、課長職で12.3%、部長職で8.7%と上昇傾向が確認されています。

育児休業の取得状況についても大きな動きがありました。令和4年10月から令和5年9月までの1年間に出産した女性のうち、育児休業を開始した人の割合は86.6%に達し、前年から2.5ポイント上昇しました。また、男性の育児休業取得率は40.5%と、前年の30.1%から大幅に伸び、10.4ポイントも上昇しています。これは、男性の育児参加が急速に進んでいる証であり、「産後パパ育休」制度の浸透が背景にあると考えられます。有期契約労働者についても、女性の取得率は73.2%、男性は33.2%と、それぞれ前年度から微増傾向が見られました。

さらに、育児のための短時間勤務制度については、導入している事業所の割合が74.5%と前年より7.3ポイント上昇し、子育てとの両立支援体制の強化が進んでいます。加えて、育児のために利用可能な休暇制度を規定している事業所の割合も71.2%に達し、規定がある事業所での休暇取得者割合は女性で45.6%、男性で29.6%と、いずれも前年を上回っています。

ハラスメント対策に関しても、企業の取り組みは着実に進んでいます。セクシュアルハラスメント防止に取り組んでいる企業は全体の89.9%であり、企業規模が大きくなるほどその割合も高くなっています。5,000人以上の企業では100%が対策に取り組んでおり、事業所全体で見ても前年度から3.9ポイントの増加となりました。同様に、妊娠や出産、育児休業等に関するハラスメントへの対策にも88.0%の企業が取り組んでおり、こちらも前年から5.3ポイント増加しています。パワーハラスメント対策も90.0%の企業で実施され、前年より3.8ポイント上昇しました。

また、過去3年間におけるハラスメント相談や事案への対応として、セクハラ関連の相談があった企業は全体の6.0%であり、そのうち91.3%が事実関係を確認し、89.3%が被害者に配慮、85.3%が加害者への措置を講じています。さらに、妊娠や出産に関連するハラスメントの相談があった企業は0.9%、パワーハラスメントについては14.6%でしたが、いずれも丁寧な対応がなされていることが分かります。

カスタマーハラスメント(顧客からの迷惑行為)への対策も取り組みが進んでおり、30.1%の企業がすでに「一定の取組をしている」と回答しています。特に従業員5,000人以上の大企業では67.6%が取り組んでおり、今後さらに多くの企業が対策を進めることが期待されます。同様に、就職活動中の学生やインターンシップ生へのハラスメント対策も24.7%の企業が実施中で、取引先の労働者やフリーランスに対するハラスメント防止にも26.1%の企業が取り組んでいる状況です。

全体として、今回の調査は日本社会におけるジェンダー平等や子育て支援、職場環境の改善に向けた取り組みが着実に進んでいることを証明する内容となっています。特に女性の活躍促進と男性の育児参加に関する成果は顕著であり、これからの企業経営や人事政策の参考として、重要な示唆を与えるものでしょう。

この記事の要点

  • 令和6年の調査では女性の正社員割合が27.6%に上昇
  • 管理職に女性を登用している企業は部長14.6%、課長22.5%、係長24.8%
  • 男性の育児休業取得率が40.5%と過去最高を記録
  • 企業のセクハラ対策実施率は89.9%に達し、対策が広がる傾向
  • 育児目的休暇の規定がある事業所は71.2%で、育児支援が強化されている
  • カスタマーハラスメントへの対応は大企業で67.6%が実施中
  • 就職活動中のハラスメント対策も大企業中心に進行中
  • 女性の育児目的休暇取得率は45.6%、男性は29.6%でともに増加傾向

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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