2025年9月3日
労務・人事ニュース
山口県 民事上の労働紛争で自己都合退職が最多611件を記録した令和6年度
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最終更新: 2025年9月2日 22:37
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最終更新: 2025年9月2日 09:35
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助言・指導の申出件数が33.7%増加し企業対応が問われる令和6年度の労働紛争の実態
この記事の概要
山口労働局が令和6年度の「個別労働紛争解決制度」の施行状況を公表しました。総合労働相談件数は12,794件と前年より10.8%増加し、特に「自己都合退職」や「解雇」などの相談が増加しています。助言・指導、あっせん制度の活用も進んでおり、制度の有効性が示されました。
山口労働局が取りまとめた令和6年度の個別労働紛争解決制度の施行状況では、労働者と事業主の間で発生するトラブルに対し、迅速かつ円滑な対応が図られている実態が明らかになりました。この制度は、「総合労働相談」「労働局長による助言・指導」「紛争調整委員会によるあっせん」の三つの柱から構成され、法令違反の疑いがある場合から民事的な紛争まで、幅広い問題に対応しています。
総合労働相談は12,794件で前年度比10.8%の増加となり、そのうち法制度に関する問い合わせは8,692件、労働基準法などの違反の疑いがある相談は1,454件、民事上の個別労働紛争の相談は2,786件に達しました。この民事上の個別労働紛争相談で最も多かったのは「自己都合退職」に関する相談で、611件と前年より32.5%増加しており、特に退職に関するトラブルの深刻化がうかがえます。「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は398件で3年連続の減少となりましたが、これは改正労働施策総合推進法により別途計上されているためであり、必ずしも減少傾向とは言い切れません。
助言・指導の申出件数は115件で前年比33.7%増となり、「その他の労働条件」に関する申出が24件で最も多く、続いて「解雇」が23件、「自己都合退職」が18件と続いています。この制度では、労働局長が当事者に対して口頭または文書で問題点を伝え、話し合いを促す形式をとっており、当年度は申出件数のうち97.4%にあたる112件で実施されました。
あっせんの申請件数は27件と前年比107.7%の大幅増となり、「解雇」が最多の11件を占めました。あっせん手続きでは弁護士や社会保険労務士などが紛争解決の仲介を行い、当年度は29件の手続が終了しましたが、そのうち合意に至ったのは5件で、合意率は17.2%にとどまりました。参加率は31.0%とやや低調ですが、合意が成立した事案では早期解決につながる金銭的な和解が実現しています。
代表的な事例としては、有期雇用労働者が契約期間中に解雇され、あっせんを通じて50万円の解決金で合意したケースや、出向・配置転換を拒否した労働者との間で会社からの謝罪と20万円の解決金により和解が成立したケースなどが報告されています。
このように、個別労働紛争解決制度は、労働者の権利保護と事業主との適切な関係構築を両立させるための重要な仕組みとして定着しつつあります。今後も相談件数の動向や制度活用の促進に注目が集まる中で、制度運用の改善と広報活動の強化が求められます。
この記事の要点
- 総合労働相談件数は12,794件で前年比10.8%増
- 民事上の個別労働紛争では「自己都合退職」が最多の611件
- 助言・指導申出件数は115件で前年比33.7%増
- あっせん申請件数は27件で前年比107.7%増
- あっせんにおける合意率は17.2%にとどまる
- パワーハラスメントに関する相談件数は877件
- 助言・指導による円満退職や生活補償付き和解事例が報告されている
- あっせん事例では50万円や20万円の解決金による合意が成立
⇒ 詳しくは山口労働局のWEBサイトへ