2025年6月28日
労務・人事ニュース
年収や学歴よりも「性別希望」が教育支出に影響、内閣府の最新分析が示す衝撃データ
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介護職員/お多福来。/朝倉市/久大本線/筑後吉井駅/福岡県
最終更新: 2025年6月27日 17:43
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介護職員/福岡市営地下鉄七隈線/茶山駅からバス:天神方面より12番乗車「田島」より徒歩約15分福岡県/福岡市城南区
最終更新: 2025年6月27日 17:43
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医療業界の薬剤・調剤業務/即日勤務可
最終更新: 2025年6月28日 09:35
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介護職員/福岡市早良区/福岡市営地下鉄七隈線/賀茂駅/福岡県
最終更新: 2025年6月27日 17:43
ESRI Discussion Paper No.402 親のジェンダー選好が子の教育投資に与える影響(内閣府)
令和7年6月、内閣府経済社会総合研究所と横浜市立大学による共同研究が発表され、子どもの性別に対する親の希望が教育への支出に大きな影響を及ぼしていることが明らかになりました。この研究は、「親のジェンダー選好が子の教育投資に与える影響」と題され、親が子どもを持つ前に希望する性別と、実際に行われた教育投資との関連を明らかにしたものです。注目すべき点は、親の性別によって希望する子の性別に偏りが見られたことです。母親は娘を、父親は息子を希望する傾向が強く、それぞれが自分と同性の子を望む傾向が明確に観察されました。
特に注目すべきは、実際の子どもの性別よりも、出産前の性別希望が教育への支出に強い影響を与えるという点です。たとえば、息子を希望していた親は、たとえ生まれた子が娘であっても、教育費に対する支出を惜しまない傾向があります。一方で、娘を希望していた親は、子どもの性別にかかわらず、教育投資を抑える傾向が顕著でした。具体的には、娘を希望していた親は、年間の学校関連支出を約3万5000円も抑える傾向が見られ、さらにその投資額は最大で約4万8000円も低下する場合がありました。
この研究では、教育支出だけでなく、学校選択にも影響が及んでいることが確認されました。娘を希望していた親は、子どもの性別に関係なく、公立学校を選択する割合が高く、私立や国立といった比較的費用のかかる教育機関を避ける傾向が強いことが明らかになりました。
また、本研究のもう一つの重要な示唆は、親の性別希望が将来の介護への期待と深く関わっている可能性があるという点です。特に母親が自身の親の介護をすでに行っている、あるいは今後行う予定である場合、娘を希望する傾向が強くなることがわかりました。これは、娘が将来の介護者として期待されることで、教育への投資が抑制されるという構図を浮き彫りにしています。
このような親の期待とジェンダーに基づく行動は、将来的な教育機会や経済的自立に対する性別間の格差を固定化する要因になりかねません。研究では、大学進学以上の教育を望む割合が、息子を希望していた親では約84%に達したのに対し、娘を希望していた親では71%にとどまっており、教育に対する期待自体にも顕著な差が見られました。
この研究の背景には、1993年から継続的に実施されているパネル調査「日本消費者パネル調査(JPSC)」があり、親の性別希望や教育支出、さらには家庭の介護状況など、多角的なデータを用いて実証分析が行われました。こうした分析により、子どもの教育機会が無意識の偏見や社会的規範によって左右されている現実が浮かび上がります。
本研究は、教育政策の策定や育児支援制度の見直しにも大きな示唆を与える内容です。教育の公平性を確保するためには、家庭内にある性別に対する期待や役割分担意識を問い直す必要があります。親の意識改革だけでなく、制度的な支援や啓発活動を通じて、すべての子どもが平等な教育機会を得られる社会の実現が求められています。
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ