2025年3月26日
労務・人事ニュース
建設業の給与が3.3%増の377,118円!人手不足と残業増加が採用市場にどう影響するのか?(毎月勤労統計調査 令和7年1月分結果速報)
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最終更新: 2025年5月1日 11:34
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毎月勤労統計調査 令和7年1月分結果速報 第1表 月間現金給与額(厚労省)
令和7年1月の毎月勤労統計調査によると、日本の賃金動向は依然として上昇基調にあるものの、業種によって大きな違いがみられる。調査産業計の月間現金給与額は、前年同月比2.8%増の295,505円となり、雇用環境の改善を反映する形となった。特に「きまって支給する給与」は3.2%増の283,188円、「所定内給与」は3.1%増の263,710円と、給与のベースアップが続いていることが確認された。一方で、特別給与(ボーナスや臨時手当)は減少傾向にあり、企業のコスト管理が進んでいる様子がうかがえる。
産業別にみると、最も高い現金給与総額を記録したのは電気・ガス業で557,689円(前年同月比4.5%増)となり、所定内給与も417,377円(3.3%増)と堅調に伸びた。情報通信業も高水準で推移し、436,446円(4.5%増)と安定した成長を示した。特に、電気・ガス業では特別給与が55,955円と高水準で維持されている点が特徴的であり、他業種と比較して安定したボーナス支給が続いている。
製造業の現金給与総額は338,031円(4.1%増)、所定内給与は295,127円(3.7%増)となり、前年同月比での増加が確認された。特に、所定外給与(残業代)は29,012円(8.4%増)と大幅に伸びており、業務量の増加が影響していると考えられる。建設業も同様に給与水準が高く、377,118円(3.3%増)となっており、所定外給与は24,795円(7.3%増)と大幅に上昇している。これは、人手不足による労働時間の増加や、工事需要の拡大が要因とみられる。
一方、小売業では、現金給与総額が255,761円と前年同月比0.1%減少し、産業別で唯一マイナス成長となった。所定内給与は245,814円(1.1%増)とわずかに増加したものの、特別給与が12,353円(1.4%減)と減少しており、消費低迷の影響が表れている可能性がある。これは、小売業の企業がコスト削減を進める一方で、消費者の購買力が落ちていることが影響していると考えられる。
飲食サービス業では、現金給与総額が137,776円(6.4%増)、所定内給与は132,786円(5.9%増)と高い成長を示した。特に、所定外給与(残業代)は7,853円(10.0%増)と2桁成長を記録し、人手不足による労働時間の増加が影響している可能性がある。生活関連サービス業でも、現金給与総額が214,695円(4.5%増)、所定内給与が210,287円(6.2%増)と、非正規雇用の賃金上昇が続いている。
教育・学習支援業では、現金給与総額が321,810円(5.8%増)、所定内給与が305,530円(2.2%増)となり、前年同月比での増加が確認された。ただし、特別給与は6,043円(1.6%増)とほぼ横ばいであり、賃金の上昇率は他の業界と比較して緩やかである。
これらの動向を受け、企業の採用市場にも影響が及んでいる。賃金の上昇が続く業界では、企業間の人材獲得競争が激化し、より高い給与を提示しなければ優秀な人材を確保できない状況が続いている。特に、製造業や建設業では、所定外給与の増加が見られ、人手不足による残業増加が影響している。これは、企業が賃金を引き上げることで人材確保を試みる一方で、長時間労働の常態化が課題となる可能性がある。一方、小売業や飲食業では、給与の増加が見られるものの、特別給与の抑制が進んでおり、従業員のモチベーション維持が課題となっている。
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