2025年7月1日
労務・人事ニュース
採用担当者も注目、消費者庁が育てる若年層のリスク回避力とは?7つの事例で体験学習
-
「夜勤なし」/正看護師/リハビリテーション科/内科/病院/残業ありません
最終更新: 2025年6月30日 22:36
-
「夜勤なし」/准看護師・正看護師/介護施設/車で通えます
最終更新: 2025年6月30日 22:36
-
「夜勤なし」/准看護師/有料老人ホーム/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年6月30日 22:36
-
「駅チカ」/准看護師/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年6月30日 22:36
体験型教材で詐欺手口を見抜く力を育成、消費者庁が教育機関向けに全7種の事例配信
消費者庁は、子どもや若者を消費者トラブルから守るための教育の重要性を訴え、インターネットを活用した体験型教材の提供に力を入れている。その中心となるのが「鍛えよう、消費者力」というテーマのもとに展開されているVRコンテンツや漫画教材であり、教育現場の先生や講師が指導に活用できる構成となっている。この取り組みは、若年層が巻き込まれる悪質商法やネットトラブルの実態を視覚的かつ感覚的に理解させるためのもので、「気づく」「断る」「相談する」という三つの行動力を育てることを目的としている。
消費者庁が提示する教材の中では、実際に起きたトラブルを題材とした7つの事例が紹介されており、それぞれのケースがVR動画や漫画形式で再現されている。たとえば「偽装サークル」による金銭搾取や、「ネットトラブル(暗号資産)」における投資詐欺、「催眠商法」による無理な契約、「美容医療」を装った高額施術の勧誘など、幅広いジャンルにわたる実例が収録されている。中には、たった一度のクリックや、友人の紹介がきっかけとなって数万円以上の被害に発展した事案もあり、その深刻さをリアルに感じ取れる内容となっている。
教材は学校の授業に取り入れやすいよう、学習指導案やワークシートがダウンロードできる構成になっており、教員が指導しやすい工夫も施されている。とくに中高生のように金銭管理の経験が浅く、情報リテラシーも発展途上にある世代にとっては、こうした疑似体験型の学習が、将来的なリスクを回避する力を身につける第一歩となる。自己判断の力を高めることは、消費者トラブルの未然防止につながるだけでなく、周囲の家族や友人の安全を守ることにも直結する。
また、教育に関わる立場の者にとって見逃せないのは、この取り組みが「知識伝達」ではなく「行動変容」を目指している点である。単に悪質商法の定義を教えるのではなく、自らの判断で「おかしい」と感じて回避する、あるいは適切な窓口に相談するという行動が取れるよう導く構成になっている。消費者庁は、相談先として「消費者ホットライン188」を周知しており、実際に被害に遭った場合だけでなく、「遭いそうだ」と感じた段階でも気軽に相談することの重要性を訴えている。
企業の採用担当者にとっても、このような若年層向けの消費者教育が社会全体で推進されていることは無関係ではない。入社後に自社の商品やサービスを扱う社員が、情報に対して正しい判断力を持ち、詐欺的勧誘や不正取引のリスクを見抜く力を備えていることは、業務上の信頼性を確保するうえで極めて重要である。また、企業が社会的責任を果たすうえでも、社員教育の一環としてこうした教材を活用し、消費者としての意識を高めることは有効であるといえる。
さらにこの取り組みは、教育機関だけでなく、企業研修や新人教育、インターンシップなどにも応用可能な内容を含んでいる。近年では、SNSを活用した詐欺や、暗号資産を用いた投資勧誘が職場環境でも話題に上がることが増えており、業種や職種を問わず、誰もが「消費者」としての自覚を持ち、トラブル回避能力を高める必要がある。VRを活用した体験は、従来の講義形式では得られない深い気づきを与え、学習効果を高める点でも注目されている。
このように、消費者庁が推進する教育型プログラムは、今後の社会において重要な基盤となる「消費者力」の育成を支えるものであり、学校だけでなく企業にも波及し得る内容である。自社の人材が健全な消費者意識を持ち、社会的責任のある行動ができることは、企業のブランド価値を高め、信頼獲得にもつながっていく。