2025年6月28日
労務・人事ニュース
日本のデジタル赤字が6.7兆円に拡大、総務省「デジタル海外展開総合戦略2030」で巻き返しへ
-
「夜勤なし」/正看護師/訪問看護ステーション/訪問看護/残業ありません
最終更新: 2025年6月27日 23:04
-
「夜勤なし」/准看護師/有料老人ホーム/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年6月27日 23:04
-
「土日祝休み」/准看護師/リハビリテーション科/内科/精神科/病院
最終更新: 2025年6月27日 23:04
-
「夜勤なし」/准看護師・正看護師/介護施設/車で通えます
最終更新: 2025年6月27日 23:04
「デジタル海外展開総合戦略2030」の公表(総務省)
総務省は、急速に進化する国際社会とデジタル市場の変化に対応するため、「デジタル海外展開総合戦略2030」を令和7年6月11日に公表しました。この戦略は、2030年を見据えた日本の国際的な競争力の強化と経済安全保障の確保を目的として策定されたものです。背景には、我が国のインフラシステムの海外展開戦略が2024年12月に5年ぶりに改定され、インフラ分野における国際的な情勢や技術進化への対応が求められている現状があります。
特に今回の戦略では、デジタル分野に焦点が当てられ、データセンター、サイバーセキュリティ、大規模言語モデル(LLM)、オール光ネットワーク、量子暗号通信など、計8つの重点分野に対して、具体的な目標と取組が示されています。たとえば、海底ケーブルについては、日本企業の敷設シェアを2030年までに35%以上に拡大することを目指しており、データセンターでは世界市場における日本企業のシェアを20%以上に引き上げるという野心的な目標が掲げられています。
また、現在の我が国のデジタル赤字が2024年時点で6.7兆円に達していること、情報通信機器などICT財の輸出入における赤字が約3.6兆円に上っていることも、戦略策定の大きな動機となっています。研究開発面でも、日本の通信事業者による投資が欧米企業に比べて著しく低く、例えばNTTは売上高に対して2%、KDDIやソフトバンクは1%未満という水準にとどまっているのに対し、GAFAMと呼ばれる欧米の大手IT企業では10%から最大35%を投じている現状が報告されています。
その一方で、明るい材料もあります。国内の研究者数は2023年において70.6万人であり、これは中国、米国に次いで世界第3位の水準です。こうした人材の厚みを生かし、生成AIなどの新技術に対応できる体制を構築し、日本文化に即した信頼性の高い大規模言語モデルを開発するための環境整備が進められています。
加えて、これまでの取組として、Beyond 5G基金や「デジタル海外展開プラットフォーム」の構築なども進められてきました。2025年5月時点では、246社がこのプラットフォームに参加しており、地方企業向けには資本金1億円以下のスタートアップや中小企業を対象にした「地方枠」も設けられ、2023年度には11社、2024年度には23社が支援を受ける成果が出ています。
今後の展開としては、準備の整った重点分野については前倒しで実施する方針が示されており、研究開発から社会実装、海外展開に至るまで、産官学が連携した一貫した戦略が進められる予定です。特に海外市場においては、日本が技術的に優位に立てる分野で積極的なプレゼンスを確保し、経済安全保障の観点から過度な海外依存を脱却することが重要視されています。
これらの政策は単なる産業戦略にとどまらず、日本の将来の経済成長を左右する重要な国家戦略でもあります。企業にとっても、国の支援制度やインフラ整備の動向を把握し、海外展開や新技術の導入を見据えた経営戦略を検討するうえで、極めて重要な情報と言えるでしょう。
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ