2025年3月14日
労務・人事ニュース
日本の労働力人口が危機的状況に!出生数72万人で過去最少、企業はどう動くべきか?(人口動態統計速報 令和6年12月分)
- 「高給与」/准看護師・正看護師/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年4月30日 22:32
- 「夜勤なし」/准看護師/オンコールなし
最終更新: 2025年4月30日 22:32
- 「車通勤OK」/准看護師・正看護師/介護施設
最終更新: 2025年4月30日 22:32
- 「車通勤OK」/正看護師/介護施設/研修が充実で安心
最終更新: 2025年4月30日 22:32
人口動態統計速報(令和6年12月分)(厚労省)
令和6年(2024年)の人口動態統計速報が公表され、日本の人口構造の変化がより明確になった。この統計は出生、死亡、婚姻、離婚、死産などの人口動態事象を把握するためのもので、厚生労働行政の基礎資料として活用される。今回の速報では、日本の少子高齢化の進行が一層明確になり、企業の採用活動や労働市場にも大きな影響を与える可能性がある。
出生数は720,988人となり、過去最少を更新した。前年から37,643人減少し、5.0%の減少率となった。出生数は9年連続で減少しており、日本社会の人口減少が加速していることを示している。少子化の進行は労働力人口の減少に直結し、企業の採用活動にも影響を及ぼす。今後、若年層の減少により、新卒採用市場が縮小し、企業は限られた人材の確保に向けて、より魅力的な雇用条件を提示する必要が出てくる。
一方、死亡数は1,618,684人で、過去最多を更新した。前年より28,181人増加し、1.8%の増加率となった。死亡数は4年連続で増加しており、高齢化が加速していることがうかがえる。この結果、自然増減数(出生数から死亡数を引いた数)はマイナス897,696人となり、過去最大の減少幅を記録した。日本の人口減少は18年連続で続いており、この傾向が今後も続くと予想される。労働市場においては、高齢者の割合が増加することで、シニア層の活用や再雇用制度の強化が求められる。
死産数は16,031胎で、前年より122胎減少し、0.8%の減少率となった。死産の減少は医療の進歩や周産期医療の充実によるものであり、一定の改善傾向が見られる。一方で、出生数自体が減少しているため、出生に関する全体的な状況は依然として厳しいままである。
婚姻件数は499,999組で、前年より10,718組増加し、2.2%の増加率となった。近年、結婚件数は減少傾向が続いていたが、今回の速報では増加に転じた。この要因として、コロナ禍の影響による婚姻延期の反動や、結婚に対する価値観の変化が考えられる。結婚の増加は出生数の増加につながる可能性があるため、今後の動向が注目される。
一方、離婚件数は189,952組で、前年より2,154組増加し、1.1%の増加率となった。離婚の増加は、家庭環境の変化や価値観の多様化による影響が考えられる。企業の採用活動においても、ワークライフバランスの重要性が増しており、柔軟な働き方の導入が求められる傾向が強まる可能性がある。
今回の人口動態統計速報からは、日本の人口減少と少子高齢化がより深刻な問題となっていることが明らかになった。労働市場では、若年層の減少と高齢者の増加が進むことで、人材確保の競争が激化すると考えられる。企業は、多様な人材を活用するために、育児支援やシニア層の活用、リモートワークの拡充など、新たな雇用戦略を打ち出す必要がある。
また、出生数の減少が続く中で、今後の社会保障制度にも影響を与えることが懸念される。現役世代の負担が増加し、年金や医療制度の持続可能性が問われる中、政府や企業がどのような対策を講じるかが重要となる。
企業の採用担当者にとっては、労働力人口の減少を見据えた人材確保が喫緊の課題となる。特に、新卒採用市場の縮小が続く中で、企業は即戦力となる中途採用の強化や、外国人労働者の積極的な採用など、多様な戦略を検討する必要がある。また、若年層の確保が難しくなることで、リスキリング(学び直し)を支援し、既存社員のスキルアップを図る施策も重要となる。
さらに、婚姻数の増加が一時的なものなのか、継続的な傾向となるのかについても注視する必要がある。婚姻数の増加が定着すれば、将来的な出生数の増加につながる可能性があるため、企業の育児支援策やワークライフバランスの充実が、より一層求められるだろう。
総じて、日本の人口動態の変化は、今後の社会構造や経済環境に大きな影響を与える。企業は、これらの動向を踏まえた長期的な人材戦略を構築し、変化に対応できる組織づくりを進めることが求められる。今後も、人口動態統計のデータをもとに、労働市場の変化を分析し、適切な採用戦略を立てることが重要となる。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ