2025年5月7日
労務・人事ニュース
最終エネルギー消費2.7%減少、化石燃料供給7.0%減【令和5年度エネルギー確報】
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最終更新: 2025年5月7日 09:06
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最終更新: 2025年5月7日 01:10
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令和5年度(2023年度)エネルギー需給実績を取りまとめました(確報)(経産省)
資源エネルギー庁は令和7年4月25日、令和5年度(2023年度)のエネルギー需給実績(確報)を取りまとめ、公表しました。この統計は、各種エネルギー関係統計を基に作成され、日本のエネルギー需給構造や環境負荷の現状を的確に反映した重要な資料となっています。
今回の確報によると、最終エネルギー消費は前年度比で2.7%減少し、11,515ペタジュール(PJ)となりました。消費減少の背景には、製造業の生産活動停滞や、家庭部門における暖冬の影響、さらにテレワーク実施率の低下が指摘されています。部門別に見ると、企業・事業所他部門が3.2%減、家庭部門が4.4%減、運輸部門が0.4%減と、すべての部門で消費が減少しました。特に製造業では前年に引き続き3.2%の減少となり、2年連続の減少が記録されました。電力消費も同様に減少し、企業・事業所他では2.4%減、家庭部門では2.7%減となりました。
供給面においては、一次エネルギー国内供給量が前年度比4.0%減少しました。化石燃料供給量は7.0%減と、1991年度以降で最大の落ち込みを記録しました。石炭供給は8.7%減、天然ガス・都市ガス供給は7.9%減、石油供給は5.2%減と、主要化石燃料すべてで減少が見られました。一方で、非化石燃料供給量は11.1%増加しました。特に原子力発電が前年比51.7%増と大きく伸び、再生可能エネルギー(水力を含む)も引き続き増加し、これで11年連続の増加となりました。その結果、非化石燃料の国内供給シェアは19.3%と、25年ぶりの高水準に達しました。
発電電力量は前年度比1.4%減の9,877億キロワット時(kWh)となり、2010年度以降最少となりました。しかし、発電構成においては、再生可能エネルギーと原子力発電が増加し、非化石電源比率が31.4%と、東日本大震災以降初めて30%を超えました。具体的には、再生可能エネルギー(水力を含む)が全体の22.9%を占め、前年から1.0ポイント上昇しました。原子力発電の比率も8.5%と、前年から2.9ポイント増加しました。火力発電(バイオマスを除く)は68.6%で、4.0ポイント低下しました。
また、エネルギー自給率(IEAベース)は前年度比2.6ポイント上昇し、15.3%に達しました。これは東日本大震災以降で最高の水準となります。日本のエネルギー自給率は、依然として先進国中では低いものの、近年の再生可能エネルギー導入拡大と原子力発電再稼働の進展によって、着実に回復傾向を示しています。
環境負荷の観点では、エネルギー起源二酸化炭素(CO2)排出量が9.2億トンとなり、前年度比4.1%減少しました。これは、2013年度比で25.4%減少しており、1990年度以降最少を記録しました。エネルギー消費量の減少と非化石燃料比率の増加が主な要因とされています。部門別に見ると、企業・事業所他部門では前年度比4.7%減、家庭部門では6.8%減、運輸部門では0.7%減となりました。特に家庭部門のCO2排出量減少は著しく、冬季の気温の高さや、省エネ機器の普及が影響したと考えられます。
さらに、電力のCO2原単位(使用端)は、前年度比2.9%減の0.46kg-CO2/kWhとなりました。これは発電時に排出される二酸化炭素量を示す指標であり、非化石電源の増加により改善が見られた結果です。電力部門の低炭素化は、日本の温室効果ガス削減目標達成に向けた重要な一歩であり、今後も非化石電源の更なる拡大が期待されています。
このような動向から、日本のエネルギー政策は確実に転換期を迎えていることがわかります。依然として化石燃料依存度は80.7%と高い水準にありますが、再生可能エネルギーの拡大と原子力発電の部分的復活によって、その比率は徐々に低下しています。特に注目すべきは、再生可能エネルギー(水力を除く)のシェアが8.3%に達し、再生可能エネルギー全体(含む水力)では22.9%を占めた点です。これにより、再エネ中心の電源構成へのシフトが着実に進展していることが示されました。
今後、日本がカーボンニュートラル社会を目指すためには、さらにエネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの普及拡大、そして水素やCCUS(カーボンキャプチャー・利用・貯留)技術の導入促進が不可欠となります。今回のエネルギー需給実績確報は、こうした取り組みの成果を実証するとともに、今後の課題を明確に浮き彫りにする内容となっています。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ