労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 正答率71.5%、家庭でのルールありでさらにアップ!2024年インターネット・リテラシー調査

2025年7月11日

労務・人事ニュース

正答率71.5%、家庭でのルールありでさらにアップ!2024年インターネット・リテラシー調査

Sponsored by 求人ボックス

2024年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果の公表(総務省)

令和7年6月27日、総務省は「2024年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果」を公表しました。この調査は、若年層がインターネット上の様々なリスクにどの程度対応できるかを測定し、その能力を数値化して把握することを目的に、全国30校の高校1年生5,314人を対象として実施されました。ILAS(Internet Literacy Assessment indicator for Students)と呼ばれるテストとアンケートを通じて、多面的な分析が行われました。

ILASテストの全体的な正答率は71.5%で、昨年度の71.4%とほぼ同水準にとどまりました。中でも「不適切利用リスク」、たとえばスマートフォンの過度な使用やネット依存、歩きスマホなどに関する正答率が79.2%と最も高く、これらのリスクに対しては比較的理解が進んでいることがわかります。一方で「不適正取引リスク」、たとえばフィッシング詐欺やネット上の売買トラブルについては、正答率が63.1%と最も低く、この分野に対する教育の必要性が浮き彫りになりました。

家庭でのインターネット利用に関するルールについては、「ある」と回答した生徒が53.4%にのぼり、前年の33.5%から大幅に増加しました。さらに、家庭内でルールを設けている場合、ILASテストの正答率は平均より3ポイント以上高いという結果が出ています。また、フィルタリング機能を活用している生徒の正答率も全体平均よりも高く、家庭内でのルールづくりと技術的対策の併用が効果的であることが示されました。

学校教育においてもリテラシー向上の取り組みが強化されており、「偽・誤情報(フェイクニュース)」や「ファクトチェック」、「生成AI」に関する教育を受けた生徒の割合が昨年より増加しました。とくに生成AIについては、使用経験があると答えた生徒のうち、「文章作成に使用したことがある」が最も多く35.6%でした。全体では40.1%が「使ったことがない」と答えており、依然として情報格差があることも明らかです。

生成AIの印象については、「学習効率や効果があがる」との肯定的な意見が33.6%と最多を占めましたが、「人の仕事を奪う」といった懸念も24.6%に上っており、若者の間でも賛否が分かれていることが見て取れます。

また、実際にインターネットでトラブルを経験した生徒は全体の47.1%に達し、「迷惑メールを受け取った」が25.7%で最も多く、次いで「長時間利用による睡眠不足」が23.8%、「偽・誤情報に遭遇した」が13.2%となっています。このうち、フェイクニュースに対して「情報源の確認」や「画像が本物かのチェック」など、適切な対応をとった生徒の割合が前年度よりも増加しており、教育の効果が徐々に表れていることが伺えます。

トラブル発生時の相談先については、「保護者」が74.6%と最も多く、次いで「友人や知人」(49.2%)、「学校の先生やスクールカウンセラー」(17.9%)となっており、身近な大人や周囲の人への相談体制が構築されつつあることがうかがえます。

さらに、平日のスマートフォン利用時間が長いほど、ILASテストの正答率が下がる傾向も明らかになりました。具体的には、1日2〜3時間未満の利用者の正答率は71.6%であったのに対し、6時間以上利用する層では68.6%まで下がっています。これは過度なスマートフォン使用が情報判断能力に影響を与えている可能性を示唆しています。

総務省は、こうした調査結果をもとに、令和7年1月から「DIGITAL POSITIVE ACTION」という官民連携プロジェクトを展開しています。この取り組みでは、SNSやデジタルサービスにおけるリテラシー教育の充実を目指し、広報活動や普及啓発教材の開発、セミナーの開催などを通じて、利用者全体のICTリテラシー向上を図っています。

デジタル社会に生きる青少年が、ネット上のリスクに対して冷静に対応できる力を養うためには、家庭・学校・社会が一体となった支援が欠かせません。今回の調査結果は、今後の教育政策や啓発活動にとって重要な示唆を与えるものといえるでしょう。

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ