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2025年8月16日

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歴史的風致維持向上計画 認定都市ついに100に到達、小樽市と宇陀市が歴史まちづくり計画に新たに追加

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歴史的風致維持向上計画の認定について(農水省)


この記事の概要

令和7年7月30日、歴史まちづくり法に基づき、小樽市と宇陀市の歴史的風致維持向上計画が正式に認定されました。これにより全国の認定都市数は100都市に達し、小樽市は北海道内で初の認定都市となります。地域資源の保全と活用による持続的まちづくりが一層進むことが期待されます。


農林水産省、文部科学省、国土交通省の三省は、令和7年7月30日付で、小樽市(北海道)と宇陀市(奈良県)の歴史的風致維持向上計画を認定しました。この計画認定は、平成20年に施行された「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(歴史まちづくり法)」に基づくもので、今回の2都市の追加により、全国の認定都市数はちょうど100に達することとなりました。特筆すべきは、小樽市が北海道内で初めての認定都市となった点です。これは地域固有の文化資源や景観を保全・活用し、観光や地域振興に結びつける取組みの一環として重要な意味を持ちます。

小樽市の計画では、明治から昭和初期にかけて建てられた歴史的建造物の保全と活用を柱に、ニシン漁にまつわる地域行事や、越後からの移住者が伝えた盆踊りの風習、運河の保全運動を契機としたまちづくり、さらには季節ごとの神輿渡御や神楽、花見や慰霊祭といった行楽・宗教行事など、多様な地域資源が対象となっています。これらの要素を、歴史的市街地の整備、伝統的活動の継承、文化資源の周知と交流の促進などの複合的な施策によって、都市の個性として磨き上げていくことが本計画の目的です。

一方、奈良県宇陀市の計画では、旧城下町の風情を残す松山地区を中心に、国の重要伝統的建造物群保存地区として選定された町並みを核とし、「参会」や「寒施行」「初市」などの行事が地域の伝統文化として継承されています。さらに、国宝である宇太水分神社の社殿や室生寺の本堂を中心とした宗教的行事、修験道の歴史を背景とする祭礼、旧伊勢本街道に見られる道路整備の習わしなど、歴史的・文化的な価値が地域全体に深く根ざしています。こうした多層的な文化要素を、建造物の保存と合わせて保護・活用することにより、まち全体の魅力を維持しつつ、未来へとつなぐことが意図されています。

歴史まちづくり法の根幹には、城や神社仏閣といった建造物のみならず、その周囲に広がる町家や武家屋敷、伝統行事、地域固有の生業といった「人の営み」が一体となって形成される歴史的風致を、地域資産として保存しようという考え方があります。これにより、まちの個性を保ちながら観光や交流の促進、さらには人口減少社会における地域の活性化にもつながる持続可能なまちづくりが期待されています。

今後、認定を受けた各都市では、国や自治体からの技術的・財政的支援を受けながら、計画に沿った事業が順次進められることになります。こうした取組みは、建物や風景を守ることにとどまらず、地域の記憶や文化を「今ここに生きる人々」が受け継ぎ、未来の世代へと伝えていく大切な役割を担っています。小樽市と宇陀市の認定は、その先駆的な一歩として、今後のまちづくりの指針となることでしょう。

この記事の要点

  • 令和7年7月30日に小樽市と宇陀市の歴史的風致維持向上計画が認定された
  • 小樽市は北海道内で初の認定都市であり、全国の認定都市数は100に到達した
  • 小樽市では明治から昭和初期の建物や伝統行事、運河保全運動などが評価対象
  • 宇陀市では松山地区や国宝建造物を核とした伝統行事の継承が中心テーマ
  • 歴史まちづくり法に基づき、地域固有の風情を守りながら地域活性化を図る
  • 建造物と人々の営みの両面から歴史的風致を評価・保護する制度である

⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ

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