労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 沖縄 求人数は3か月前比で増加傾向、特にカフェ・派遣関連の求人が活発化(令和7年3月調査)

2025年4月26日

労務・人事ニュース

沖縄 求人数は3か月前比で増加傾向、特にカフェ・派遣関連の求人が活発化(令和7年3月調査)

Sponsored by 求人ボックス

景気ウォッチャー調査(令和7年3月調査)― 沖縄(現状)―(内閣府)

令和7年3月に実施された沖縄地域における景気ウォッチャー調査の結果によれば、観光需要の持ち直しや新生活シーズンに伴う一部業種での売上増加が報告されている一方で、物価上昇による生活コストの圧迫、消費者の節約志向、人材確保の難しさといった構造的課題が依然として地域経済の重しとなっている状況が浮かび上がっています。家計、企業、雇用それぞれの分野で明暗が交錯しており、回復の勢いには限界があるとする見方が多く、企業の採用担当者にとっても、採用活動の方向性を再検討する時期に差し掛かっていることを示唆する内容となっています。

まず家計動向については、観光客の増加とともに地元住民の外出機会も増えていることから、コンビニエンスストアでは来客数が増加しているという報告があります。特に地元住民の人流回復が売上を支えており、単価の高い商品や複数購入といった購買行動も一部で見られるようになってきました。また、陶器を扱う専門店でも春の繁忙期という季節要因が重なり、定番商品の売れ行きが好調であるとの声が上がっています。百貨店ではホワイトデーのギフト需要を背景に来客数が増加し、イベント需要の恩恵を受けている状況が確認されました。

一方で、スーパーや衣料品専門店では、価格高騰の影響を受けて販売点数や来客数が減少傾向にあります。スーパーでは売上そのものは前年並みであるものの、販売点数が減少しており、消費者の節約志向が一層強まっていることが明らかです。特に生活必需品にかかる価格上昇が家計を直撃しており、消費者が安価な商品や代替品を選ぶ傾向が加速しています。バーなど一部の飲食業では来客数が伸びず、仕入価格の上昇により利益確保が困難になっているとの報告もあり、業種間で景況感に大きなばらつきが見られます。

家電量販店では、エアコンや携帯電話といった高単価商品の売上が全体をけん引しており、一定の回復傾向が認められています。一般レストランにおいても歓送迎会の需要で来客数が増加し、売上が伸びているとの報告がありますが、これも季節的な要因が強く、持続的な成長には不安が残る内容となっています。

観光業については、ホテルの稼働率自体は増加傾向にあるものの、12月の前年比28%増加に対して、3月はわずか8%の増加にとどまり、成長のペースが鈍化していることが確認されています。旅行代理店では、年度末の予算削減により出張手配が減少し、春休みの特需も見られないとのことで、観光業界全体としては、先行きに対する慎重な見方が広がっている状況です。

企業動向については、窯業土石業では下半期に入り公共・民間ともに受注が増加しており、前期比で売上増が見込まれているなど、インフラ関連分野では一定の好調さが見られます。対照的に、食品関連企業では、米や野菜の値上がりの影響で副食類の動きが鈍っているという報告があり、価格転嫁が難しい業種では収益確保に苦戦している様子が伺えます。住宅販売では賃貸物件の入退去が例年よりも落ち着いており、単価の上昇に一服感が出ているとのことですが、人手不足の状況がやや緩和されてきたという声も上がっており、業界によっては雇用の安定が進んでいる可能性も示唆されます。

雇用に関しては、求人情報誌制作会社からは3か月前と比較して求人数が増加しているという報告があり、とくにレストラン・カフェ関連や派遣の求人が増えていることが示されています。また、専門学校でも新規の求人問い合わせが前月に続いて多く、人手不足が続いている中で企業側が求人の内容を厳選する傾向が強まっていることも分かっています。

しかしながら、人材派遣会社や大学の就職支援部門では、求人案件に対して求職者の動きが鈍いとする声が多く聞かれ、求職者数が期待ほど増えていない現実が浮き彫りになっています。派遣料金の見直しをめぐっても、これまで応じていた企業が価格交渉に応じなくなりつつあるという状況が指摘されており、中央政府が主導する賃上げ政策に対する現場の反応は鈍く、企業間での温度差が広がっている様子がうかがえます。また、求職者が求める労働条件と企業が提示する条件の間に乖離があり、採用活動においてもマッチングの精度が問われる段階にあるといえます。

全体として、沖縄地域の景気は一部で回復傾向が見られるものの、その動きは限定的であり、物価上昇の影響を受けた消費者行動の変化、雇用市場のミスマッチ、そして企業の収益構造における課題が依然として重くのしかかっています。採用担当者にとっては、求人倍率だけに依存せず、働きやすい環境の整備、職場定着率の向上、多様な雇用形態の活用など、総合的な視点で人材確保を進めていく必要があるタイミングといえるでしょう。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ