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2025年8月7日

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熱中症で令和7年6月に1.7万人が救急搬送、企業の夏季労働安全管理が緊急課題に

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令和7年6月の熱中症による救急搬送状況(総務省)

令和7年6月、日本全国で記録的な猛暑が観測された中、熱中症による救急搬送者数がこれまでにない規模で急増しました。消防庁が発表した最新の確定値によると、同月の熱中症による救急搬送人員は17,229人にのぼり、これは平成22年に6月分の統計を開始して以来、最も多い数字となりました。この異常とも言える状況の背景には、気象庁が観測を開始した明治31年以降、6月としては過去最高となる平均気温の記録が大きく関係しています。

この猛暑の影響は特に高齢者に集中しており、搬送者のうち65歳以上の高齢者が占める割合は全体の60.0%に達しました。具体的には、10,342人が高齢者であり、次いで成人(18歳以上65歳未満)が5,246人で30.4%、少年(7歳以上18歳未満)が1,534人で8.9%、乳幼児(28日以上7歳未満)はわずか105人、全体の0.6%にとどまりました。年齢別の構成比を見ても、特に高齢者におけるリスクの高さが際立っており、社会全体で高齢者への対策が急務であることを強く印象づけます。

また、医療機関での初診時における傷病程度別では、軽症(外来診療)が最も多く10,750人で全体の62.4%を占めましたが、中等症(入院が必要)と重症(長期入院が必要)を合わせた割合は37.1%と、実に3人に1人以上が入院を要する重い症状を呈していました。中等症が6,006人(34.9%)、重症は384人(2.2%)、さらに死亡者は26人にも及びました。この死亡者数は0.2%に相当し、わずかとはいえ命を落とすリスクが現実のものとなっていることが分かります。

発生場所に注目すると、住居内での発症が最も多く6,819人(39.6%)に上り、次いで道路上が3,404人(19.8%)、公衆(屋外)では2,012人(11.7%)と続きます。さらに、仕事場での発症も少なくなく、1,545人(9.0%)が搬送されています。これらのデータは、必ずしも外出時だけでなく、自宅や職場、公共の場など、あらゆる場所で熱中症が発生していることを示しており、もはや日常生活のあらゆる場面がリスクの対象となっていることを物語っています。

このような状況の中、消防庁は「もはや熱中症は災害である」と警鐘を鳴らし、具体的な対策として以下の点を挙げています。まず、喉の渇きを感じる前にこまめに水分と塩分を補給することが重要です。加えて、室内の温湿度を頻繁に確認し、エアコンや扇風機の使用をためらわないこと、特にエアコンが使用できない場合は、涼しい服装に着替え、濡れたタオルを身体に当ててうちわであおぐといった工夫が推奨されています。また、屋外での作業時には定期的に休憩を取ること、熱中症警戒アラートが発表される日にはできる限り外出を控えることも呼びかけられています。これらはすべて、自分自身だけでなく周囲の人々や遠方に住む家族にも注意を促す必要があるとしています。

日別の搬送人員を見ていくと、6月後半にかけて急激に件数が増加しており、特に6月17日には1,794人、6月30日には1,429人と1,000人を超える日が相次ぎました。このような日には、全国的に極めて厳しい暑さが記録されており、熱中症による緊急搬送が連日発生していたことが分かります。搬送のピークは、熱波が継続した6月中旬から下旬にかけて見られ、特に都市部を中心に救急医療の逼迫が懸念されました。

都道府県別でみると、東京都の搬送者数が1,554人と最多であり、次いで愛知県の1,170人、大阪府の1,217人、埼玉県の1,164人と、人口の多い都市部が上位を占めています。これらの地域では、ヒートアイランド現象による気温の上昇が影響していると考えられ、都市計画やインフラ整備といった面でも、環境に配慮した長期的な対策が求められる状況にあります。

企業の人事・総務部門にとっても、これは重要な課題です。特に夏場の労働環境における安全対策や、従業員の健康管理体制の見直しが喫緊のテーマとなっています。屋内外問わず作業を行う従業員に対し、作業時間の短縮、空調設備の整備、冷却グッズの配布、水分補給タイムの設定など、具体的な措置を講じる必要があります。また、テレワークの推進も選択肢の一つであり、外出機会を減らすことで熱中症リスクを軽減する効果が期待されます。

さらに、企業が提供する福利厚生の一環として、夏季期間における健康指導や医療機関との連携体制の構築も注目されています。たとえば、産業医による定期的な健康チェックや、暑熱順化に関する啓発資料の配布、熱中症に関するeラーニングの導入などが挙げられます。これらの取り組みは、従業員の安全を確保するだけでなく、企業の社会的信頼性や労働環境の向上といった観点からも、今後ますます重要性を増していくことでしょう。

最後に、令和6年6月と比較した際の搬送者数の推移にも注目が集まっています。前年度の同月における救急搬送人員は7,275人でしたが、本年はその2倍以上にあたる17,229人に急増しています。この増加率は136.8%に相当し、単なる気温の上昇だけでは説明がつかない深刻さが感じられます。地球温暖化の影響とされる長期的な気候変動に加え、都市化の進行や高齢化社会の到来など、複合的な要因が重なった結果といえるでしょう。

このような現実を前に、行政、医療機関、企業、そして個人がそれぞれの立場から対策に取り組む必要があります。誰もが安全に暮らせる社会の実現に向けて、熱中症を「災害」と捉えた抜本的な意識改革と行動が、今まさに求められています。

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

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