2025年5月28日
労務・人事ニュース
社会課題解決型ビジネスを全国展開へ、農林水産省が10取組を選定する新プログラムを始動
- 「残業ほぼなし」介護職員/資格必須/日勤のみ/小規模多機能型居宅介護
最終更新: 2025年6月13日 09:05
- 精神科の訪問看護業務/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年6月13日 09:36
- 訪問看護ステーションでの訪問看護業務/駅近/即日勤務可/土日祝休み
最終更新: 2025年6月13日 07:01
- 福岡県糟屋郡エリア/訪看のお仕事/未経験OK/車通勤可/即日勤務可
最終更新: 2025年6月13日 07:01
「農山漁村」インパクト創出ソリューション実装プログラムを開始します!(農水省)
令和7年5月20日、農林水産省は「農山漁村」インパクト創出ソリューション実装プログラムの開始を発表しました。この取り組みは、全国の農山漁村が抱える多様な課題に対し、社会的・環境的な効果、すなわち“インパクト”をもたらす解決策を広く公募し、選定されたソリューションを地域と連携しながら現場へ実装していくものです。企業や団体が持つ革新的な技術やサービス、そして地域への理解と実践力を活かし、地域社会の持続可能性の確保と活性化を目指す新たな試みです。
募集期間は5月20日から6月23日18時までとされており、この期間内に応募のあった取組の中から、おおよそ10件程度が「インパクト・ソリューション」として選ばれます。選定されたソリューションは、7月中旬に開催予定の「農山漁村」経済・生活環境創生プラットフォーム第2回シンポジウム(仮)で公表される予定であり、選定後は地域の課題解決に活用を希望する自治体等とのマッチングが行われます。このマッチングにおいては、事務局が仲介役を務め、自治体側の課題を深掘りし、選定された企業・団体との最適な組み合わせを構築します。
さらに、選ばれたソリューションは単なる紹介にとどまらず、事業の実装に至るまで事務局による伴走支援が行われる点が本プログラムの大きな特長です。この支援には、目標のすり合わせや合意形成を効率的に進めるためのロジックモデルの作成も含まれており、各ステークホルダー間での共通理解を高める基盤が整えられています。また、実装支援は令和7年度末まで継続され、その期間中に1つのソリューションにつき3地域での実装に向けたマッチングが目標として掲げられています。マッチングとは、単なる提案にとどまらず、翌年度以降の共創に向けた資金調達方法や実施体制の方向性が合意されている状態を指しており、持続可能な実装を視野に入れた本格的な共創が目指されているのです。
本プログラムの選定対象は、農山漁村における課題解決につながる取組であり、自治体との連携実績や関心、持続的に活動できる体制を有していること、法人格を有することなどが応募要件となっています。選定方法については、有識者からなる委員会が評価項目を総合的に勘案しながら審査を行い、全ての評価基準を高い水準で満たす取組のほか、実績よりも課題設定や構造理解の優れた取組に関しては「チャレンジ枠」として柔軟に選定される方針です。これにより、革新性の高い新規プレイヤーにも門戸が開かれ、多様な知見や技術が農山漁村の現場に活かされる可能性が広がります。
農山漁村が持つ役割は、単なる食料供給基盤としての重要性にとどまりません。洪水や土砂崩れの防止機能、生物多様性の維持、そして地域社会の安定といった多面的な機能を兼ね備えており、その持続可能性は都市部を含む全国民の暮らしに直結しています。実際に、農山漁村の人口減少や担い手不足が進行することで、食料安全保障や自然災害のリスク増加、地域経済の衰退といった都市部にまで影響を及ぼす社会的課題へと波及しています。こうした背景からも、今回のプログラムは社会全体にとって極めて意義深いものであると言えるでしょう。
また、農林水産省では令和6年度に、農山漁村における課題と解決策を「インパクト」という観点から7つに分類し、それぞれの課題と関連する国際的な指標も踏まえた「インパクト可視化ガイダンス」を策定しています。これにより、地域で行われる取組がどのような効果をもたらし得るのかを予見的に評価することが可能となり、自治体や企業にとっても事業の方向性を明確に描くための道しるべとして活用できます。特定された7つのインパクトとは、例えば「生物多様性の保全」「地域の経済循環強化」「災害へのレジリエンス強化」などが含まれており、持続可能な開発目標(SDGs)とも密接に関わる内容となっています。
今後のスケジュールは、6月23日に応募が締め切られた後、7月中旬には選定結果が公表され、シンポジウムでのピッチ登壇が予定されています。7月下旬から8月末にかけては、活用希望の自治体による課題整理が進められ、9月末にはソリューション提供企業と自治体との一次面談が実施される流れとなっており、着実な実装に向けたステップが計画的に進められます。シンポジウムは農林水産省7階講堂で開催され、WEBでも同時配信される予定であり、全国の関係者がリアルタイムで議論に参加できる環境が整えられています。
本プログラムの魅力は、単に資金的支援を提供するのではなく、課題解決型の共創を強く推進する点にあります。企業や団体にとっては、地域との長期的なパートナーシップを築き、社会的責任(CSR)や環境・社会・ガバナンス(ESG)に対応した事業展開を具体的に実現できる好機となります。とくに、地域課題に根ざしたビジネスモデルを持つスタートアップや中小企業にとっては、その実装の場を広げる絶好の機会と言えるでしょう。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ