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2025年4月16日

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米の集荷数量が223.2万トンに減少、販売数量は増加で需給ギャップに対応する需給分析職が注目(令和7年2月末現在)

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令和6年産米の契約・販売状況、民間在庫の推移及び米穀販売事業者における販売数量・販売価格の動向について(令和7年2月末現在)(農水省)

農林水産省が令和7年3月31日に発表した調査結果によって、令和6年産米の契約・販売状況、民間在庫の推移、さらには米穀販売事業者における販売数量および販売価格の動向についての最新の実態が明らかとなった。今回の報告は、令和7年2月末現在の情報を取りまとめたものであり、全国の出荷・販売業者や関係団体からの詳細な報告に基づいて作成されている。このような情報は、需給調整や価格政策の根拠となるだけでなく、農業や食品関連事業者、さらには消費者にとっても、米市場の動向を把握するために欠かせないものである。

まず、令和6年産米の全国における契約および販売の進捗状況について見てみると、出荷業者の集荷数量は223.2万トンとなっており、これは前年同月と比べて25.4万トンの減少を示している。契約数量についても208.3万トンで、前年から13.1万トンの減少となった。一方で、販売数量は95.7万トンと、前年から4.3万トンの増加が確認されている。この数字は、全体として集荷や契約がやや鈍化している中で、販売そのものは堅調に推移しているという現状を映し出しており、米の流通ルートや販売戦略が見直され、多様化している兆しとも捉えることができる。

次に、全国の民間在庫の状況を見ると、令和7年2月末時点での総在庫量は205万トンとなり、前年同月から39万トンの減少が見られた。出荷段階における在庫量は159万トンで、こちらも前年比43万トンの減少である。一方、販売段階の在庫は46万トンで、前年より4万トン増加している。このように、出荷前の在庫が減る一方で、実際の販売現場では在庫量が増加している点は、流通の途中で在庫が滞留しやすくなっている可能性を示唆しており、販売先の多様化や消費の動向に応じた柔軟な供給体制の整備が求められている。

特に興味深いのが、米穀販売事業者における販売数量および販売価格の動向である。令和7年2月末時点での販売数量指数は前年同月比で91.9%と減少傾向にあり、小売事業者向けの販売数量は同89.2%と大きく減少した。また、中食・外食事業者等向けでも同95.4%と前年を下回った。このような販売数量の減少傾向は、消費者の生活様式の変化や食の多様化、あるいは物価高による消費抑制の影響が背景にあると考えられる。一方で、販売価格は大きく上昇しており、小売事業者向けでは前年比176.0%、中食・外食事業者等向けでも156.7%という非常に高い伸び率を示している。

価格の上昇と数量の減少が同時に進行しているというこの現象は、まさに価格転嫁の現場での実態を表しているといえよう。生産コストの上昇や物流費の増加、エネルギーコストの高騰といった外的要因が米の価格形成に強い影響を与えており、その結果として末端価格が押し上げられている。一方で、消費者側は価格上昇に対して購入量を抑制する傾向にあるため、販売数量の減少が伴っているという構図が浮かび上がる。

こうした中で注目すべきなのは、販売価格の上昇に対応するための企業の戦略的な対応である。価格が上昇しているにもかかわらず販売量が維持または拡大している事業者も存在しており、そのような企業は高付加価値商品の展開やブランド米の販売、または健康志向や安全性を訴求するマーケティング戦略において成果を上げている。つまり、単なる価格競争ではなく、商品価値そのものを高める努力が求められる時代に入っているといえる。

また、こうした米の流通動向や価格変動に対応するためには、企業内部におけるデータ分析力や市場調査力、さらには物流・在庫管理の最適化を図るための専門人材の育成と確保が必要不可欠である。流通構造が複雑化し、需要の変動も読みにくくなる中では、柔軟で迅速な対応力を持つ人材の存在が企業競争力に直結する。

農林水産省が提供するこうした定期的な統計データや分析結果は、企業の中長期的な戦略立案や採用方針の見直しにとって、極めて重要な基盤情報となる。特に米をはじめとする基礎的な食料品の動向は、国民生活に直結する分野であるだけに、食品業界に限らず、物流、マーケティング、デジタル分野など、多様な職種が関わる領域であり、広範な視点からの人材配置が求められている。

全国の販売数量が前年比43千トン増加、販売強化を担う営業人材の確保が急務に

令和7年3月31日に農林水産省より発表された「令和6年産米の産地別契約・販売状況(令和7年2月末現在)」によって、全国各地における米の集荷、契約、販売の動向が詳細に明らかとなった。今回の調査は、全国の主要な米生産地ごとに、品種別に分けて契約状況と販売実績を数値化し、その前年同月比も併せて提示するもので、米の流通と販売に携わる企業にとっては極めて重要な参考資料となっている。とりわけ、需給調整の視点や販路拡大の戦略、さらには地域別の販売力の差異を読み解くうえで、非常に価値の高いデータである。

まず、全国ベースでの集計値を確認すると、令和6年産米の全国の集荷数量は2,232千トンとなり、前年同月の2,486千トンに比べて254千トンの減少となった。これは前年比で約10%のマイナスであり、生産量の増加が報じられている一方で、集荷の段階で流通に乗っていない米が多いことを意味している。契約数量は2,083千トンで、前年の2,214千トンと比較すると131千トンの減少となっており、こちらもおよそ6%の減少率である。一方で販売数量は957千トンで、前年同月の914千トンと比べると43千トン増加しており、約5%の増加を示している。これは全体的に見て、契約量や集荷量が減っている中でも、販売そのものは堅調であるという構図が見えてくる。

地域別に見ると、北海道や東北地方は依然として日本の米供給の中核を担っており、例えば北海道では「ななつぼし」「ゆめぴりか」「きらら397」などの品種が多数流通している。中でも「きらら397」は前年同月比で販売数量が61%も増加しており、その人気と販売力の高さがうかがえる。秋田県では「あきたこまち」の契約数量が203千トンと大きく伸び、前年同月比では126%の増加を記録している。このような動きは、特定銘柄への需要集中やブランド力の強化が進んでいることを示しており、販売戦略における品種選定の重要性が改めて浮き彫りになっている。

一方で、山形県や福島県などでは販売比率が30%台にとどまる地域も多く、出荷された米が契約や販売に十分に結びついていない課題も顕在化している。こうした地域では、物流体制や販売先の多様化、さらには販促施策の強化が必要とされる。また、関東地方では茨城県の販売比率が59%と比較的高く、特に「あきたこまち」は販売比率87%という数値を記録している。これは小売市場における安定的な流通が背景にあると考えられ、消費地に近いという地理的利点も含めて注目されるべきである。

中部から関西地方にかけては、新潟県や滋賀県などの有力産地で安定的な販売が続いており、新潟県の「コシヒカリ(一般)」は販売数量が47千トン、契約数量比で40%の販売比率を確保している。関西では兵庫県の「ヒノヒカリ」が前年と比較して125%の伸び率を示しており、今後の販売強化に向けた期待が高まる。一方で、京都や奈良では集荷数量が前年と比べて減少しており、契約や販売への展開が課題とされている。特に奈良県では契約・販売数量がともに46%にとどまり、販路の構築が急務である。

九州・四国地域においては、「ヒノヒカリ」「さがびより」「森のくまさん」などのブランドが広く展開されているが、契約比率や販売比率には地域間で差がある。例えば熊本県では「ヒノヒカリ」の販売比率が40%にとどまっており、また「森のくまさん」においては契約・販売比率がともに28%と極めて低く、地域的な銘柄の販売促進施策が求められている。逆に宮崎県や鹿児島県では、販売比率が80%を超える品種も見られ、特に「コシヒカリ」においては100%販売を達成している地域も存在する。

このような数値は、企業にとって今後の採用戦略や人材配置を見直す材料として非常に重要である。例えば、販路の拡大や契約率向上を支援する営業人材の確保、地域ごとの販売戦略を策定するマーケティング担当者、データを読み解き需給調整に貢献するアナリストなど、多岐にわたる職種が新たな需要として浮上してくる。また、物流の最適化や在庫管理の高度化を担う人材も必要不可欠であり、農業とIT、流通を融合させた新しいビジネスモデルを支える人材の確保が企業の競争力を左右するだろう。

参考:令和7年産米の産地別契約・販売状況(累計、うるち米、令和7年2月末現在)(速報)

全国の民間在庫が前年比39万トン減少、需給バランス分析を担う人材が今後の鍵に

令和6年産米の民間在庫状況に関する最新の調査結果によって、米の需給バランスと流通の実態がより具体的に可視化された。令和7年2月末時点での情報を基にした本報告は、農林水産省が全国の米の出荷および販売段階における在庫量を調査・集計し、うるち米の動向を中心に詳細に分析したものである。ここで得られた数値は、企業のサプライチェーン管理や販売計画、また今後の採用戦略において重要な基礎資料となり得る。

まず、全国の在庫推移において最も注目すべき点は、前年同月と比較して在庫総量が大幅に減少していることである。出荷および販売段階を合わせた全国の在庫量は、前年2月の244万トンから令和7年2月には205万トンへと約39万トンの減少を記録した。この減少傾向は全国的に見られ、特に出荷段階での在庫量が顕著に減少している。令和6年12月には282万トンであった在庫量が、2月には258万トンへと減少しており、2か月間で24万トンもの在庫が市場に流れた計算になる。このことからも、現在の米市場では販売の活性化が進み、流通速度が上がっていることがうかがえる。

出荷段階の在庫に注目すると、令和6年12月の249万トンから令和7年2月には215万トンとなり、同じく34万トンの減少となった。これは全農や経済連、県単一農協などの大規模出荷団体において、販売戦略が奏功し、計画的に在庫を放出していることを示している。一方で、販売段階の在庫については、令和6年12月の53万トンから令和7年2月には43万トンとなり、こちらも10万トン減少したが、出荷段階と比較すると緩やかな動きにとどまっている。これは消費者や小売業者の需要動向、価格動向を踏まえた慎重な販売戦略が影響していると考えられる。

年産別に見ると、令和6年産の新米の在庫が市場で中心的な役割を担っており、1年古米(令和5年産)の在庫量は急速に減少している。令和6年2月時点では1年古米の全国在庫は34万トンだったが、令和7年2月にはわずか14万トンにまで減少し、半減以下となっている。この在庫消化の速さは、価格調整策や新米への需要移行、また輸出や外食産業での活用が影響していると考えられる。新米の在庫量は全国で221万トンから193万トンへと約28万トン減少しており、市場供給においては依然として主要な位置を占めている。

地域別の在庫状況にも顕著な傾向が見られた。特に北海道・東北地方は日本全体の米供給における中核地域であり、北海道だけでも令和7年2月時点で241.9千トンの在庫を保有している。青森県は185.3千トン、岩手県は56.6千トン、宮城県は102.6千トン、秋田県は77.8千トンとなっており、いずれも前年同月比で在庫を減少させつつも、依然として高い供給力を維持している。これは地域ブランド米の需要の強さや、集中的な出荷体制の整備が背景にあると考えられる。

一方、関東地方では千葉県が39.4千トン、埼玉県が45.2千トン、東京都は28.2千トンの在庫を保有しており、消費地に近いという特性から在庫の流動性が高く、販売段階での在庫も比較的安定している。また、中部地方では新潟県が184.8千トン、長野県が52.6千トン、富山県が60.2千トン、愛知県が25.2千トンとなっており、これらの地域では地場産業としての稲作が今も強く根付いていることを反映している。

西日本では、大阪府が26.5千トン、兵庫県が31.8千トン、岡山県が14.6千トン、広島県が13.3千トン、福岡県が19.9千トンと続き、九州では熊本県が21.4千トン、鹿児島県が15.2千トンの在庫を保有している。これらの地域では、外食需要や業務用米の需要が大きく、特定銘柄の集中出荷や業務提携によって在庫消化が早まっている傾向が見られる。

このような民間在庫の推移を踏まえると、企業にとって重要なのは単なる在庫量の把握にとどまらず、地域別の流通特性や銘柄別の需要予測を踏まえた柔軟な戦略立案である。在庫の減少が進んでいる地域では安定供給を確保するための調達力が問われ、在庫が高水準にある地域では効率的な販売施策と在庫圧縮の手法が求められる。また、近年では輸出向けの需要増加や高品質米の需要拡大に対応できるよう、専門的な人材の育成と採用も重要な課題となっている。

参考:民間在庫の推移(速報)(PDF : 141KB)

中食・外食向け販売価格が前年比156.7%に上昇、業務用対応の営業戦略人材が注目される

令和7年2月末時点における米穀販売事業者に関する販売数量および販売価格の動向が、農林水産省の調査により明らかになった。この調査は、年間の玄米仕入数量が5万トン以上の大規模販売事業者を対象に実施されており、対象事業者が取り扱う精米全体の販売動向を指数化したものである。取扱数量は約160万トンに上り、これは令和6年産米の国内生産量679万トンの約2割を占めている。よって、本報告は米の流通市場におけるトレンドを把握するうえで、非常に信頼性の高い基礎資料といえる。

まず販売数量の動向から見ていくと、令和7年2月の全体販売数量指数は91.9%となっており、前年同月比で約8%の減少を記録している。小売事業者向け販売数量は89.2%、中食・外食事業者等向けは95.4%と、いずれも前年同月を下回る結果となった。これは、物価高や消費マインドの冷え込み、食生活の多様化による米消費の減少といった複数の要因が影響していると考えられる。とりわけ小売市場では消費者の購入量が落ち込んでおり、前年までと比較して2桁近い落差となっている点は、流通業界や販売店にとって大きな課題である。

一方で販売価格の指数は大きく上昇している点が非常に特徴的である。令和7年2月の小売事業者向けの販売価格は前年同月比で176.0%と、1.76倍にまで跳ね上がった。中食・外食事業者等向けも156.7%となっており、米の価格上昇が市場全体に大きなインパクトを与えていることが明確となっている。これは主に令和6年産米の作況が良好であった一方で、集荷数量が減少し在庫が逼迫したことによる価格上昇圧力の影響と考えられる。また、物流費や包装資材費など副次的なコストも上昇しているため、事業者側が価格に転嫁せざるを得ない状況にある。

過去数年間の推移を振り返っても、この価格上昇のスピードは異例である。令和5年2月の小売価格は101.3%、中食・外食向けは107.1%であり、ここから一年間で70%近い上昇があったことになる。また、令和6年の価格推移を見ても、月を追うごとに上昇率が高まり、12月には小売価格が164.8%、中食・外食価格が138.1%と急伸しており、このトレンドが令和7年にも継続していることが分かる。

販売数量と価格の動きからは、量の減少と価格の上昇という二極的な構造が明らかになっており、これが米穀流通全体に複雑な影響を及ぼしている。販売数量が減っているにもかかわらず、販売金額ベースでは事業者の収益が維持または拡大されているケースも存在し、価格戦略が企業ごとに大きな差を生む状況となっている。このような状況下では、単に米を仕入れて売るというビジネスモデルから、価格形成、販売時期の最適化、消費者動向に応じた商品開発など、より高度な経営戦略が求められる。

加えて、販売チャネルごとの戦略的対応も必要である。中食・外食事業者向けの販売は、小売市場に比べると価格上昇の幅が小さい一方で、数量は比較的安定している傾向があり、BtoB市場における柔軟な供給体制の整備が企業競争力に直結する。また、小売向けでは消費者の価格感応度が高まっている中で、値上げを許容してもらえるだけのブランド価値の構築や、販促活動の強化が不可欠である。

これらの動向は、企業の採用活動においても重要な示唆を与えている。例えば、価格戦略や需要予測を担うデータアナリストの需要は確実に高まっており、AIやビッグデータを活用した需給シミュレーションが可能な人材が求められている。また、消費者動向に即応できるマーケティング担当者、販売チャネルごとに商品戦略を最適化する営業企画職の役割も一層重要になる。さらに、サプライチェーンの安定化に向けた在庫管理や物流調整を専門とするオペレーション人材も引き続き高い需要を誇っている。

今後も、食料品に対する消費者の選別意識が高まる中で、米をはじめとする基幹農産物の価格変動は企業戦略に直結する問題となる。だからこそ、信頼性の高い市場情報と、それを読み解き行動に移せる人材の育成と確保が、各社にとっての最重要課題となることは間違いない。

参考:米穀販売事業者における販売数量・販売価格の動向(速報)

⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ

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