2025年6月22日
労務・人事ニュース
自動運転レベル4時代へ、日本主導のISO 7856で無人移動手段の国際基準が確立
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「ブランクOK」/准看護師・正看護師/介護施設/車で通えます
最終更新: 2025年6月22日 22:38
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「夜勤なし」/正看護師/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年6月22日 22:38
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「駅チカ」/正看護師/クリニック
最終更新: 2025年6月22日 22:38
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「駅チカ」/准看護師・正看護師/クリニック/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年6月22日 22:38
日本発の「低速自動走行システムの遠隔支援」に関する国際規格が発行されました(経産省)
2025年6月3日、日本が主導して開発した「低速自動走行システムの遠隔支援」に関する国際規格「ISO 7856」が正式に発行されました。この規格の誕生は、高齢化や過疎化が進行する我が国にとって大きな一歩となるものです。特に公共交通の維持が困難となっている地域や、深刻なドライバー不足に直面している状況を踏まえると、こうした技術の導入は地域社会の存続や発展にも直結します。
今回の国際規格が対象とする「低速自動走行システム」は、最高時速32km以下で決められたルートを無人で走行する小型の自動運転車両です。省エネルギーかつ安全性に配慮した設計が特長で、交通量が少なく高齢者の多い地域において、日常の移動手段として期待されています。この自動走行車両は単体で運用されるのではなく、遠隔地に配置されたコントロールセンターから通信を通じて一括して管理されます。遠隔支援の役割を担うオペレーターが、停留所での発進・停止時の安全確認や、悪天候時の避難誘導などをリアルタイムで行うことで、トラブル時でも乗客の安全を守ることが可能になります。
このような遠隔支援を効果的に実現するには、車載カメラの検知範囲や車両から送信される情報の通信品質といった技術的な基盤が極めて重要です。今回の規格では、そうした車両側の性能要件や、オペレーションセンターとの通信における詳細な基準が明確に定義されています。加えて、これらの要件を満たしていることを検証するための試験方法もあわせて定められています。これにより、安全性の担保だけでなく、導入前の技術評価がスムーズに行えるようになり、民間企業による導入のハードルが大きく下がると見込まれます。
この規格の背景には、日本が進めてきた「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト(RoAD to the L4)」の成果があります。この国家プロジェクトでは、限定された条件下において完全自動運転を実現するレベル4の技術開発を推進してきました。ISO 7856は、その実践的な成果を国際的な共通基盤として展開する形で発行されたものであり、わが国が自動運転技術において世界のリーダーシップを取っている証とも言えます。
実際に、世界各国で「低速自動走行システム」の実証実験が進められており、都市部だけでなく郊外や農村地域など、さまざまな環境での適用が模索されています。今回の規格が制定されたことにより、これまでバラバラだった運用基準や技術仕様が国際的に統一され、導入の加速が期待されます。とりわけ、複数の車両を少人数で管理する効率的なオペレーションが可能になることで、人件費の抑制やサービスの安定供給が実現しやすくなります。
日本ではすでに一部の自治体において、「低速自動走行システム」を活用した移動支援の実証が行われており、高齢者の日常的な通院や買い物の足として好評を得ています。こうした試みにおいては、地元企業との連携による地域密着型のサービス提供が鍵となっており、今回の国際規格の発行は、こうした地域モデルを他国へ輸出するうえでも重要な基盤となります。
また、この規格が持つもう一つの意義として、自動運転に対する国民の信頼醸成が挙げられます。誰もが安心して利用できる交通手段を実現するためには、技術だけでなく制度や運用における透明性が不可欠です。国際規格に基づいた製品やサービスであれば、安全性が第三者によって保証されているため、利用者や自治体にとっても導入の安心材料となります。さらに、グローバルな市場展開を目指す国内のモビリティ関連企業にとっても、国際規格への準拠は大きな競争優位性につながります。
このように、「低速自動走行システムの遠隔支援」に関する国際規格ISO 7856の発行は、日本国内の課題解決に寄与するだけでなく、世界中の持続可能な移動社会の実現に向けた重要な一歩といえるでしょう。今後は、この規格を基盤としてさらに高度な自動運転システムの実装が期待されており、自動運転レベル4の早期社会実装にも拍車がかかると見込まれます。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ