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2025年3月23日

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若手社員の労働組合加入率40.1%!企業が注目すべき人材動向

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連合および労働組合のイメージ調査2025[2025年3月6日掲載](連合)

日本労働組合総連合会(連合)は、労働者の権利を守るための中心的な組織であり、賃金や労働条件の向上を目指して活動している。今回の「連合および労働組合のイメージ調査2025」では、全国の15歳以上の男女2000人を対象に、労働組合や連合に対する認知度やイメージ、労働環境に関する意識が調査された。その結果、多くの働く人々が労働環境に対して不満を抱えていること、特に若年層では労働組合の存在や役割についての認識が十分でないことが浮き彫りになった。

調査によると、労働組合の認知率は81.8%であったものの、20代以下では7割程度にとどまった。また、有職者のうち自分が労働組合に加入しているかどうかわからないと回答した人は26.3%、特に20代では40.1%と、若い世代ほど労働組合の存在が身近でないことが明らかになった。労働組合があると回答した人は全体の36.0%であったが、従業員規模10人未満の職場ではわずか4.9%と、企業規模による違いが顕著である。特に中小企業では、労働組合の組織率が低く、労働者の権利を守る仕組みが十分に整っていない状況が浮かび上がる。

一方で、連合の認知率は全体で52.3%であり、男性が58.5%、女性が46.0%と、男性の方が比較的高い傾向が見られた。連合の活動として最も認知されているのは「春闘(春季生活闘争)の実施」であり、次いで「労働組合づくり支援・労働相談の実施」が挙げられている。特に10代では「労働組合づくり支援・労働相談の実施」が最も認知されており、若年層における労働環境の向上への関心が高まっていることがうかがえる。しかし、「連合は身近な存在だと思う」と回答したのは、連合を認知している人の35.8%にとどまり、連合の取り組みをより多くの人に伝える努力が求められている。

また、調査では仕事に対する不満についても詳しく分析された。有職者の66.2%が仕事や職場に対する何らかの不満を抱えており、特に「賃金が低い」(31.2%)、「人間関係がよくない」(16.3%)、「会社の将来に不安がある」(14.9%)といった点が上位に挙げられた。世代別に見ると、40代では「賃金が低い」(36.3%)と「会社の将来に不安がある」(20.5%)という回答が特に多く、不満を抱える人の割合が最も高かった。一方、10代や20代では「仕事の内容」や「労働条件(賃金以外)」への不満が比較的高い傾向にあった。

仕事に対する不満を解消するために行動を起こした人の割合は低く、最も多かった行動は「家族・友人に相談した」(17.8%)であり、「何もしていない」と回答した人が57.7%に達した。さらに、「行政に相談した」は4.3%、「労働組合に相談した」はわずか4.2%と、労働組合が不満解消の手段としてあまり活用されていない現状が明らかになった。その理由として、「不満の解消は諦めている」(39.1%)、「解消までの労力を割きたくない」(29.8%)、「行動する勇気がない」(20.4%)といった回答が目立ち、労働者自身が不満の解決に向けた行動を取ることに消極的であることが浮かび上がる。

さらに、労働組合に期待する役割についての質問では、「賃金・労働条件の改善」が最も多く、次いで「雇用・労働に関わる法制度の改善」が挙げられた。特に女性の4人に1人が「パート・有期・派遣契約で働く人の処遇改善」に期待を寄せており、非正規雇用労働者の待遇改善が重要な課題であることが示された。

調査結果からは、労働組合の認知度は一定の高さを維持しているものの、特に若年層においては加入意識が低く、労働組合が実際の相談先として機能していない現状が明らかになった。また、働く人々の多くが職場に不満を抱えながらも、行動を起こさずに諦めてしまう傾向が強いことも課題の一つである。これを改善するためには、労働組合の役割をより分かりやすく伝え、相談しやすい環境を整えることが必要である。また、非正規雇用者の処遇改善に向けた具体的な取り組みを進めることで、労働組合の存在意義をより明確にすることが求められる。

今後、労働組合がより多くの労働者にとって身近な存在となるためには、若年層に向けた広報活動の強化が不可欠である。特に、若年層の情報収集手段としてSNSや動画配信サービスが活用されていることを踏まえ、労働組合の活動をこれらのメディアを通じて発信することが効果的だろう。加えて、企業規模を問わず労働組合を設立しやすい仕組みを整え、中小企業の労働者にも組合活動への参加を促すことが重要である。労働組合が「必ずそばにいる存在」として、すべての労働者の支えとなるためのさらなる努力が求められる。

⇒ 詳しくは日本労働組合総連合会のWEBサイトへ

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