2025年6月14日
労務・人事ニュース
設備投資実施率が27.1%に上昇、小企業の堅実な成長姿勢が明らかに(2024年度)
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最終更新: 2025年6月15日 22:38
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小企業の設備投資動向調査結果(2024年度)(日本公庫)
令和7年5月28日、日本政策金融公庫は「小企業の設備投資動向調査(2024年度)」の結果を公表しました。この調査は、全国中小企業動向調査(小企業編)2025年1-3月期の特別調査として、全国の小企業における設備投資の実態やその背景を明らかにすることを目的としています。調査は2025年3月中旬に実施され、全国の小企業10,000社を対象に行われ、そのうち6,523社からの有効回答を得て、回答率は65.2%に達しました。このような高い回答率は、同公庫が持つ企業との深い関係性と、中小企業経営者の高い関心を反映した結果といえます。
今回の調査結果では、2024年度に設備投資を実施した企業の割合が27.1%となり、前年度から1.2ポイントの上昇を示しました。2025年度に設備投資を実施する予定であると回答した企業は14.6%で、こちらも前回調査から0.3ポイント上昇しており、小企業の設備投資に対する姿勢が徐々に前向きになっていることがうかがえます。設備投資の目的としては、「補修・更新」が61.3%と最も多く、次いで「省力化・合理化」が25.0%、「売上増加」が23.4%と続いており、設備の維持や業務効率化を主な目的とした投資が中心であることが明らかになりました。
業種別に見ると、運輸業が38.9%と最も高い設備投資実施割合を記録し、飲食店・宿泊業(29.8%)、建設業(29.2%)がこれに続きました。これに対し、情報通信業の割合は20.8%と比較的低めでしたが、省力化・合理化の投資目的の割合が高いなど、業種によって投資の方向性に違いがあることも示されています。また、従業員規模別に見た場合、「1~4人」の企業では22.3%、「5~9人」では32.6%、「10人以上」では43.0%と、規模が大きい企業ほど設備投資の実施割合が高くなっている傾向が見られました。
一方で、2024年度に設備投資を行わなかった企業のうち、36.3%が「現在の設備が不十分である」と回答しました。そうした企業が投資を見送った主な理由としては、「借り入れ返済やリース支払いの負担が重いから」が51.7%と最も多く、「事業の先行きに不安があるから」が49.1%と続いています。これらの結果から、財務的な制約や不確実性が小企業の設備投資に対して大きな障壁となっていることが浮き彫りとなりました。
設備投資の金額面においては、「100万円以上300万円未満」が最も多く24.5%を占め、「50万円未満」(23.3%)、「50万円以上100万円未満」(16.6%)と続いています。300万円以上の投資を実施した企業の割合は前年度から4.4ポイント減少し、35.6%となっており、全体的には慎重な投資傾向が見て取れます。
設備投資の内容については、「車両」が18.2%で最も多く、次いで「建物の増改築」(11.9%)、「情報機器」(11.8%)が上位を占めました。業種別では、運輸業においては「車両」への投資が69.4%と圧倒的に高く、飲食店・宿泊業では「建物の増改築」や「空調機器」など店舗の設備改善に重点を置く傾向が見られました。また、情報通信業では「情報機器」への投資が54.5%を占めており、業種の特性に応じた投資内容が明確に反映されている結果となっています。
このように、2024年度における小企業の設備投資は、堅実で現状維持を図る傾向が強く見られました。補修や更新、業務効率の向上といった基本的なニーズを背景とした投資が主であり、積極的な成長戦略というよりは、既存事業の維持・改善に重きを置いた内容が中心です。その一方で、従業員数が増えるほど、また業歴がある程度長くなるほど、設備投資への意欲が高くなる傾向も確認されており、企業の成長ステージに応じて投資行動が変化していることもわかります。
今後の課題としては、資金調達に対する不安や事業の先行きに対する懸念をどう解消していくかが挙げられます。特に、設備の現状に不満がありながらも投資を見送っている企業に対しては、資金繰り支援や経営支援を通じた後押しが求められます。また、成長可能性の高い分野への設備投資を促すような政策的支援の強化も必要とされるでしょう。日本政策金融公庫のこうした調査結果は、今後の中小企業支援政策の基礎資料として重要な役割を果たすことが期待されます。
⇒ 詳しくは日本政策金融公庫のWEBサイトへ