2025年5月17日
労務・人事ニュース
鉄道旅客数が19億人を突破、2025年1月の輸送実績で回復基調が明らかに
- 「高給与」/正看護師/訪問看護/車で通えます
最終更新: 2025年5月16日 22:32
- 「夜勤なし」/准看護師/オンコールなし
最終更新: 2025年5月16日 22:32
- 「高給与」/准看護師/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年5月16日 22:32
- 「駅チカ」/准看護師/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年5月16日 22:32
鉄道輸送統計月報(概要)(令和7年(2025年)1月分)(国交省)
令和7年5月12日、国土交通省総合政策局情報政策課交通経済統計調査室より、「鉄道輸送統計月報(令和7年1月分)」が発表されました。この統計は、旅客および貨物の鉄道輸送動向を把握するための基礎資料として毎月公表されており、鉄道関連事業者のみならず、都市交通政策や物流戦略を検討する企業や地方自治体にとっても重要なデータソースとなっています。今回公表された1月分のデータでは、旅客・貨物の両面において前年同月比で一定の回復が見られた一方、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年同月と比較すると、依然として厳しい水準が続いていることが明らかとなりました。
まず鉄・軌道旅客輸送量については、全国の旅客輸送総数が19億1313万人となり、前年同月と比較して3.8%の増加となりました。また、旅客人キロベースでは344億人キロで、こちらも前年から4.7%増加しています。これらの数値は、2024年1月における人流回復の兆しを示しており、特に年末年始の移動や観光需要の影響が大きかったと考えられます。しかしながら、2019年同月比でみると、旅客数量は7.4%減、旅客人キロは7.2%減と、コロナ禍前の水準には未だ届いていない状況が浮き彫りとなっています。
事業者別に見ると、JR旅客会社は約7億1065万人を輸送し、前年同月比で3.3%の増加、2019年比では9.2%の減少となりました。その中でも新幹線利用者は3291万人で、前年同月比では10.8%増と大きく伸びており、2019年同月比ではわずかに0.8%増となりました。これは、新幹線の利用がようやくコロナ前の水準に回復しつつあることを示しており、高速鉄道の需要回復が特に顕著であることが伺えます。JR以外の民鉄各社については、約12億2477万人を輸送し、前年同月比で4.1%の増加、2019年比では6.3%の減少という結果となっており、依然として地域輸送や都市間輸送における厳しい状況が続いていると見られます。
次に、鉄道貨物輸送量の動向についてです。1月の貨物数量総合計は約328万トンとなり、前年同月比で4.1%の増加となりました。一方、貨物トンキロでは14億トンキロを記録し、前年同月比では6.7%の増加です。内訳としては、コンテナ輸送が163万3628トンで前年同月比10.0%の大幅な増加、車扱貨物は164万5761トンで同0.9%の微減という結果でした。コンテナ輸送に関しては、特に地方港湾との連携やトラックドライバー不足に対応したモーダルシフトが進んでいることが背景にあると考えられます。また、貨物トンキロの増加率が輸送量の増加率を上回っている点からも、長距離輸送へのニーズが拡大していることが読み取れます。
一方で、2019年同月比で見ると、貨物輸送全体は依然として低調であり、数量ベースで13.4%減、トンキロベースでも10.7%減と、大きな落ち込みが続いています。コンテナ輸送が2019年比で12.3%減、車扱貨物が14.5%減という結果からも明らかなように、鉄道貨物全体の需要は回復の途上にあるものの、コロナ前の水準には至っていないことが浮き彫りとなっています。特に、製造業や建設業など荷主産業の生産活動や物流戦略が変化する中で、鉄道貨物がどのような役割を果たしていくのかが今後の注目点となります。
また、鉄道輸送の全体的な傾向としては、旅客・貨物ともに回復基調にはあるものの、そのスピードは分野ごとに異なる点が特徴的です。特に新幹線の利用回復が比較的早い一方で、通勤や通学、観光地以外の地域交通では依然として利用控えが続いていることが、旅客数量全体の伸び悩みにつながっていると考えられます。また、貨物輸送ではコンテナ化の進展が回復の要因となっている一方で、車扱貨物に関しては、運行コストや柔軟性の問題から依然として厳しい状況が続いています。
企業の人材採用においても、こうした統計情報は重要な判断材料となります。たとえば、新幹線を中心とした鉄道利用の回復が顕著であることから、観光業界や出張需要を支えるビジネスにおいては、今後の人材需要の高まりが見込まれます。また、コンテナ貨物の増加は、鉄道を活用した物流戦略の再構築を進める企業にとって、新たな人材育成や技術導入の必要性を意味しています。特にモーダルシフトを推進する上で、鉄道輸送の技術的理解を持った人材の確保が今後ますます重要になるでしょう。
今回の統計は、鉄道という社会インフラが依然として重要な役割を果たしていること、そしてその活用が社会や経済の構造変化と密接に関わっていることを示すものです。感染症や災害といった外的要因によって大きく変動する輸送動向に対応するためにも、官民の連携を通じたデータ利活用や柔軟な運用体制の整備が求められています。これにより、鉄道輸送がより強靱で持続可能な形で社会に貢献できる未来が期待されます。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ