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2025年6月27日

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鉄道旅客数1億7761万人を記録、コロナ後の回復傾向を示す2025年2月の輸送実績

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鉄道輸送統計月報(概要)(令和7年(2025年)2月分)(国交省)

2025年2月の鉄道輸送に関する統計が国土交通省から公表され、日本全国の旅客・貨物輸送の動向が明らかになりました。特に鉄道旅客輸送では、前年同月に比べて微増ながらも回復の兆しが見られ、経済活動の活発化とともに鉄道の役割が再認識されています。統計によると、2月の鉄道および軌道の旅客数量総合計は1億7761万6千人で、これは前年同月と比べて0.6%の増加を示しています。また、旅客人キロ、すなわち輸送された人の距離を掛け合わせた値も同様に上昇しており、前年同月比で0.8%増の約309億人キロとなりました。これは移動の頻度や距離がわずかながら伸びていることを意味し、生活やビジネスシーンにおいて公共交通機関が引き続き重要な手段であることを示しています。

JR旅客会社に限ってみると、旅客数は6491万1600人で前年同月比0.6%減となったものの、旅客人キロは1兆9455億4380万人キロと0.6%の増加を記録しました。注目すべきはその中でも新幹線の利用者数です。新幹線の旅客数は2991万人で前年同月比4.5%の増加、旅客人キロは7922億2130万人キロで2.9%増と、国内の長距離移動が活発になっている傾向が見て取れます。一方、JR以外の民間鉄道(民鉄)の利用者数は1億1270万4000人で前年同月比1.3%増、旅客人キロも1兆1405億1500万人キロで1.2%増加しています。これは都市圏を中心とした通勤・通学需要の回復を示唆するもので、コロナ禍からの移動行動の正常化が進行していると言えるでしょう。

一方、貨物輸送に目を向けると、全体の貨物数量は332万4731トンで前年同月と同水準でしたが、貨物トンキロ、すなわち貨物を運んだ距離を加味した数値は14億190万1300トンキロで前年同月比3.7%の減少となりました。内訳を見ると、コンテナ貨物の数量は162万9341トンで前年同月比0.5%減、トンキロベースでは12億7709万6000トンキロと4.3%の減少となっています。一方で、車扱貨物、つまり貨車ごとに単独で取り扱われる貨物は169万5390トンで0.5%の増加、トンキロは1億4191万7000トンキロで1.5%の増加でした。これらのデータは、近距離中心の輸送が一定の需要を保っている一方、長距離にわたる輸送の一部で減少が見られたことを示しています。

こうした数値の背景には、鉄道をめぐる社会的および経済的な変化が影響していると考えられます。例えば、旅客輸送においては、在宅勤務の浸透や業務のオンライン化などによって日常的な通勤・出張が減少した影響が継続しており、鉄道利用の完全な回復にはまだ時間を要していることがうかがえます。一方で、レジャー需要の復活や、観光需要の回復が新幹線利用の増加を下支えしている可能性があり、特に祝日や週末の移動において利用者数の回復が顕著となっていることが想定されます。

貨物輸送に関しても、サプライチェーンの変化や物流の多様化が影響を及ぼしています。近年はトラック輸送との併用が進んでいるほか、EC市場の拡大によって都市間物流が複雑化しており、鉄道が対応すべき課題も増えつつあります。こうした中で、鉄道貨物の高効率・低環境負荷といった特性を活かした輸送体制の強化が求められており、今後の投資や政策支援がカギを握ると考えられます。

本報告で示された各種数値は微増あるいは微減といった小幅な変動が多く、一見して大きな変化があったわけではないように見えるかもしれません。しかし、こうした小さな変動の裏には社会の動きが反映されており、今後の経済動向や移動スタイルの変化を見極めるうえで重要な手がかりとなります。例えば、旅客の微増傾向は人流の回復に伴うものであり、インバウンドの復活や地域間交流の活性化がさらなる需要を押し上げる可能性があります。また、貨物輸送においても、需要が減少しているコンテナ輸送を補完する形で車扱貨物の輸送量が回復傾向にある点は、柔軟な輸送体制の維持の重要性を示しています。

企業の採用担当者にとっても、これらの情報は無視できないものです。特に、地域間の人流の傾向や物流の変化は、事業戦略や勤務地選定、人材配置といった経営判断に直結します。また、公共交通機関の利便性や定時性の評価は、働き方改革や通勤環境の改善といった労働環境の整備にも影響を及ぼすため、統計データをもとにした現状把握は、人的資源の最適化にもつながる重要な視点となります。

こうした意味で、本統計は単なる数字の羅列ではなく、社会全体の動きや経済の健全性を読み解くための指標としての価値を持ちます。今後も月ごとの統計を継続的に確認することで、中長期的なトレンドを把握し、経営や採用活動に活かす視点を持つことが求められます。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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