2025年8月15日
労務・人事ニュース
障害者支援制度が大幅改正、2024年施行でグループホームに月1000単位加算
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アイリスト/香春口三萩野駅/社員募集/8月15日更新
最終更新: 2025年8月15日 01:32
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「駅チカ」/正看護師/皮膚科/外科/美容クリニック/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年8月14日 22:38
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「ブランクOK」/准看護師・正看護師/内科/クリニック
最終更新: 2025年8月14日 22:38
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介護職員福岡市博多区/JR鹿児島本線/笹原駅/福岡県
最終更新: 2025年8月14日 15:34
令和7年版厚生労働白書 第2部 第8章 障害者支援の総合的な推進(厚労省)
この記事の概要
令和6年4月1日に施行された障害者総合支援法等の改正により、障害のある人々が希望する生活を実現できるよう、地域生活や就労の支援体制が大幅に強化されました。特に、障害者の雇用促進、重度障害者への支援、発達障害や高次脳機能障害に関する取り組みが重点的に見直されており、支援制度の拡充と報酬体系の改善が図られています。
2024年4月1日に施行された「障害者総合支援法等の一部を改正する法律」は、障害のある人々が地域で安心して暮らし、社会に参加しやすくなることを目指して制度の見直しが進められた重要な法改正です。この改正の背景には、障害者の自立と社会参加をさらに推進する必要性があり、国はこれまでの課題を踏まえた上で支援体制を抜本的に強化する方向へ舵を切りました。
まず、障害者の地域生活の支援体制では、グループホームの支援内容に「一人暮らしを希望する人への支援」や「退居後の相談」などが法律上明確化されました。さらに、各市町村には基幹相談支援センターや地域生活支援拠点の整備が努力義務として課され、地域移行や緊急時対応の体制整備が促進されます。精神障害者に対しても、心身の状態に応じた支援が明記され、医療保護入院においても、家族の同意が得られない場合には市町村長の同意により入院が可能になる制度変更がなされました。
就労支援についても重要な進展がありました。就労ニーズを把握するための「就労アセスメント」の活用により、「就労選択支援」が新設され、個々の特性に合わせた職業指導が可能になっています。また、重度障害者であっても週10〜20時間の短時間勤務において雇用率に算定されるようになったことは、企業にとっても雇用の門戸を広げる契機となるでしょう。さらに、職場定着に向けた企業の取り組みに対しては、障害者雇用調整金等の支給方法が見直され、実際の支援内容に応じた評価と助成が行われる仕組みに改められました。
福祉サービスにおいては、2024年度の報酬改定により、サービスの質に応じた報酬設定が行われ、たとえばグループホームでの自立生活支援加算として月額1000単位、感染症対策や重度障害者支援への加算も導入されました。これにより、現場の人材確保と支援の質の向上が一体的に進められることが期待されています。
また、難病患者や小児慢性特定疾病児童に対しても、医療費助成の開始時期を「申請日」から「重症化と診断された日」に前倒しするなど、療養生活を支える措置が強化されました。さらに、「登録者証」の発行により、福祉や就労支援との連携がしやすくなっています。
障害福祉計画に関しても、第7期計画が策定され、2024年から3年間の間に、福祉施設からの地域生活への移行、精神障害にも対応する地域包括ケアの構築、障害福祉サービスの質の向上などが目標とされています。各自治体には、この計画に基づいて定期的な調査・評価を行いながら、計画的な施策の推進が求められています。
さらに、虐待防止の観点からも多くの改正が行われました。精神科病院における従事者への研修や通報義務の整備、市町村における訪問支援事業の創設などが進められており、障害者の権利擁護体制の整備が進んでいます。
発達障害に関する取り組みでは、全国の発達障害者支援センターの整備や青年期の交流支援、初診待機の解消を目的とした医療機関ネットワークの構築支援が展開されています。医療機関以外の支援機関との連携により、診断の迅速化と家族の不安軽減が図られています。
最後に、高次脳機能障害者に対しては、都道府県ごとに支援拠点が設けられ、コーディネーターによる専門的な支援体制が整備されつつあります。これにより、目に見えにくい障害への理解と支援が広がり、当事者や家族が安心して地域で生活できる環境が整ってきました。
このように、障害者支援に関する制度は、多角的な視点から見直されており、今後も社会全体で共生を実現するための取り組みが続けられていく見通しです。各企業にとっても、障害者の雇用拡大や定着支援、社内の理解促進などを進める上で、有効な制度と連携していくことが求められています。
この記事の要点
- 障害者総合支援法等の改正が2024年4月1日に施行された
- 地域生活支援体制の整備が市町村の努力義務となった
- 就労選択支援が新設され、多様な就労ニーズに対応
- 重度障害者の短時間勤務が雇用率に算定されるようになった
- 報酬体系が質の高い支援内容に応じたメリハリある設定に見直された
- 難病患者への支援が拡充され、登録者証の発行が始まった
- 第7期障害福祉計画が開始され、2026年度までの目標が明確化された
- 発達障害や高次脳機能障害への支援体制も強化された
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ