2025年4月9日
労務・人事ニュース
雇用関連DIが低下、採用活動に影響必至―令和7年3月調査で見えた景気の陰り
- 「夜勤なし」/准看護師/訪問看護/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年4月30日 22:32
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最終更新: 2025年4月30日 22:32
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最終更新: 2025年4月30日 22:32
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最終更新: 2025年5月1日 03:01
令和7年3月調査結果(抜粋):景気ウォッチャー調査(内閣府)
令和7年3月に実施された景気ウォッチャー調査によれば、国内景気の現状および先行きに対する見通しに弱含みの兆しが見られる結果となりました。調査結果の中でも特に注目すべきは、現状判断DI(ディフュージョン・インデックス)の季節調整値が45.1と、前月比で0.5ポイント低下した点です。この数値は景気の方向感を示す重要な指標であり、50を下回ると「悪化」とされることからも、景気の回復にややブレーキがかかっている状況がうかがえます。
家計動向に関連するDIについては、飲食業を中心とした一部の業種で改善の兆しが見られたものの、住宅関連をはじめとする分野での落ち込みが全体としての押し下げ要因となりました。住宅購入やリフォームといった高額消費には依然として慎重な姿勢が続いており、金利や物価の影響を受けやすい家計の心理が今後の景気を左右する重要なカギとなります。また、企業動向では製造業が堅調に推移する一方で、サービス業など非製造業分野の弱さが目立ち、総合的にはマイナス方向への変化が見られました。さらに、雇用に関するDIも低下しており、採用活動や人材確保における企業の慎重姿勢が引き続き存在していることが浮き彫りになっています。
一方、先行き判断DIについては、季節調整値が45.2となり、前月比で1.4ポイントのマイナスを記録しました。2~3か月先の景気に対する見通しについては、企業動向の一部では前向きな兆候が見られたものの、家計および雇用に関連する分野での不透明感が強まり、全体としては慎重な見通しに傾いた結果といえます。家計における実質的な購買力が回復する兆しは見えにくく、企業の設備投資や採用計画にも様子見の姿勢が続いていることが、こうした結果に影響していると考えられます。
さらに、季節調整を行わない原数値に基づく現状判断DIは47.8と、前月比で2.7ポイント上昇しました。この結果は、季節的な要因が重なったことに加え、一部の地域や業種で一時的に需要が高まったことを示しているとみられますが、長期的な回復基調を示すものとは言い難く、慎重な見方が必要です。先行き判断DIの原数値は46.6と、こちらは1.8ポイントのマイナスとなり、やはり将来的な不安感が根強いことを示唆しています。
今回の調査を通じて明らかになったのは、「景気は緩やかな回復基調にあるものの、足元ではその勢いに陰りが見られる」という全体的な評価です。賃上げへの期待感が広がる一方で、依然として続く物価上昇の影響や、米国の通商政策に関する不安材料が企業や消費者心理に影を落としています。特に採用担当者にとって注目すべきなのは、雇用関連DIが低下している現実です。これは、人材の獲得や育成をめぐる環境が厳しさを増していることを意味しており、今後の採用計画においては、景気動向だけでなく、業種ごとの人材供給バランスや労働市場の流動性にも細かく目を配る必要があります。
また、企業動向においては、非製造業の足踏みが経済全体に影響を及ぼしている点にも注意が必要です。これはサービス産業を中心とした需要の弱さが影響しており、特に人材の確保が課題となる業種においては、採用活動を単なる人数確保ではなく、職場環境の改善やリスキリングといった施策とセットで進めることが今後の競争力につながると考えられます。
現時点での景気は完全な後退局面にはないものの、回復力にはばらつきがあり、業種や地域によっては明確な回復傾向を感じにくい状況が続いています。採用市場もこれに連動して動いており、好不調の波が企業ごとに異なることから、柔軟で戦略的な人材活用がこれまで以上に求められる局面に入ってきているといえるでしょう。
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ