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2025年3月24日

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食品業界の景況DIがマイナス1.8に悪化、販売数量DIもマイナス11.7で低迷(食品産業動向調査 令和7年1月調査(日本公庫))

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食品産業の下半期景況DI 2年ぶりにマイナス値 ~仕入価格DIが高止まり。販売価格DIは高水準だが、販売数量DIが低迷~ <食品産業動向調査(令和7年1月調査)>(日本公庫)

2025年3月6日、日本政策金融公庫は「食品産業動向調査(令和7年1月調査)」の結果を発表した。この調査は、食品産業の景況、物流問題(2024年問題)、環境に配慮した取り組みなどを把握する目的で行われた。全国の食品製造業、食品卸売業、食品小売業、飲食業の6,518社を対象に実施され、有効回答数は2,147社、回収率は32.9%だった。

調査結果によると、令和6年下半期の食品産業の景況DI(ディフュージョン・インデックス)はマイナス1.8となり、前回(令和6年上半期)から5.0ポイント低下した。これは令和4年下半期以来のマイナス値であり、業界全体の景気が低迷していることを示している。令和7年上半期の見通しはマイナス2.2で、横ばい推移となる見込みだ。業種別では、製造業、小売業、飲食業のDIが前回調査から低下しており、特に小売業は19.2ポイント、飲食業は26.9ポイントと大幅に落ち込んだ。

一方で、仕入価格DIは前回比4.6ポイント上昇し84.3となり、引き続き高止まりしている。販売価格DIも3.3ポイント上昇し59.0だったが、販売数量DIは2.6ポイント低下しマイナス11.7となった。これらの数値から、食品業界全体でコスト上昇が続く中、販売数量の低迷が課題となっていることがわかる。

雇用に関しては、令和6年下半期の雇用判断DIが38.2で、前回比2.5ポイント上昇した。令和7年上半期の見通しは38.5で、横ばい推移となる。設備投資DIは、前年(令和6年当初見通し)より1.6ポイント低下し12.5となったが、依然としてプラス値を維持している。

物流問題(2024年問題)についての調査では、トラックドライバーの時間外労働規制の影響で「物流費用が上昇した」と回答した企業が75.3%に上り、そのうち6割以上が「前年と比べて1割以上上昇した」と回答した。業種別では、製造業では「輸送に時間がかかるようになった」との回答が多く、小売業や飲食業では「集荷条件が変更された」との回答が目立った。物流問題への対応策としては、「価格転嫁」(33.9%)、「配送回数の減少(大ロット化等)」(24.5%)が多くの企業で採用されていた。

環境に配慮した取り組みについては、「食品ロス削減・食品リサイクル」(53.6%)、「脱プラスチック・容器包装リサイクル」(24.5%)、「地球温暖化対策」(23.3%)が主な施策となっている。業種別では、飲食業で「食品ロス削減・食品リサイクル」に取り組む企業の割合が最も高かった。環境配慮の理由としては、「経営理念」(53.7%)が最も多く、「取引先・消費者からの要望」(33.9%)、「CSR活動による企業イメージ向上」(32.1%)と続いた。一方で、環境配慮に取り組まない理由としては、「コストが高く、売価に転嫁できない」(46.3%)、「売上や利益の改善につながらない」(37.4%)が挙げられた。

仕入れ・調達段階でのリスク対策としては、「事前契約により原材料などを確保」(45.9%)、「仕入れ・調達先の地域を分散」(38.9%)が多くの企業で実施されていた。また、災害時のBCP(事業継続計画)策定状況については、「策定している」との回答が24.8%、「策定予定」が22.8%だった。業種別では、小売業で「策定している」と回答した割合が40.8%と最も高かった。

今回の調査結果から、食品産業はコスト上昇と販売数量の低迷という課題に直面していることがわかった。また、物流問題による負担増や環境対策への対応が求められる中、企業は価格転嫁や生産性向上などの取り組みを強化している。今後の経済環境の変化や政策動向が食品産業にどのような影響を与えるか、引き続き注視する必要がある。

⇒ 詳しくは日本政策金融公庫のWEBサイトへ

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