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2025年5月6日

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2023年度 日本の温室効果ガス排出量が4.2%減、過去最低の10億1,700万トン(2023年度)

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2023年度の我が国の温室効果ガス排出量及び吸収量について(環境省)

2023年度における日本の温室効果ガス(GHG)の排出量および吸収量は、二酸化炭素(CO₂)換算で約10億1,700万トンとなり、2022年度と比べて約4.2%、約4,490万トンの削減となりました。また、2013年度比では約27.1%、およそ3億7,810万トンの削減となり、過去最低の排出量を記録しました。この結果は、2050年のネット・ゼロ(温室効果ガス排出実質ゼロ)の実現に向けた前進を明確に示すものです。

排出量減少の背景にはいくつかの要因が挙げられます。まず注目されるのは、電源構成の脱炭素化です。再生可能エネルギーと原子力の合計割合が電源全体の3割を超え、化石燃料依存からの転換が進んだことが大きく寄与しました。また、製造業を中心とした国内の生産活動の一部縮小に伴い、エネルギー消費が抑えられたことも排出削減に貢献しています。

2009年以降増加傾向にあった代替フロン類(HFCs、PFCs、SF₆、NF₃)の排出量は、2022年に初めて減少に転じ、2023年にはさらに減少が進みました。その排出量は約3,700万トンで、2022年比で3.9%(約150万トン)の減少です。これは2019年のフロン排出抑制法の改正を契機に、低GWP冷媒への転換や適切な管理体制が浸透してきたことによる成果と見られます。今年は同法改正から5年の節目を迎えるため、制度の見直しが検討されています。

一方、森林やブルーカーボン(海洋生態系によるCO₂吸収)など、吸収源による対策も堅実に進められています。2023年度の吸収量は約5,370万トンで、2022年度とほぼ同水準を維持しました。これは、2013年度の排出量からの削減総量の約14.2%に相当します。今後は特に沖合域におけるブルーカーボンの活用に注目が集まっており、関係省庁および民間事業者の連携によって、吸収源対策の強化が図られる見通しです。

技術革新の分野では、CCU(カーボン・キャプチャー・アンド・ユーティライゼーション)技術、特にCO₂吸収型コンクリートの取り組みが拡大しています。2023年度には、同技術によるCO₂固定量が約121トンに達し、前年の約27トンから約4.5倍の増加を見せました。このような技術は今後、J-クレジット制度への組み込みも視野に入れ、さらなる制度整備と普及が期待されています。

経済成長と温室効果ガス削減を同時に実現している点も見逃せません。2023年度の実質GDPは成長を続ける一方で、温室効果ガスの排出量は減少しており、日本の温室効果ガス原単位(GDPあたりの排出量)は11年連続で低下しました。これは、経済と環境の両立に向けた日本の取り組みが着実に成果を上げている証拠です。

企業の人事担当者やサステナビリティ責任者にとって、このような国の環境政策の進展は、自社の脱炭素戦略の方向性を見直す重要な参考となります。脱炭素社会に向けた取り組みが企業価値の向上や人材獲得競争力の強化にもつながる今、こうした環境データを正しく理解し、戦略に反映することは極めて重要です。

⇒ 詳しくは環境省のWEBサイトへ

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