2025年4月16日
労務・人事ニュース
2024年のキャッシュレス決済が42.8% 4割に達成、コード決済13.5兆円時代に求められるデジタル人材とは
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最終更新: 2025年4月30日 22:32
2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました(経産省)
2025年3月31日、経済産業省は2024年におけるキャッシュレス決済比率が42.8%に達したことを公表し、2018年の「キャッシュレスビジョン」や2019年の成長戦略フォローアップに掲げられていた政府目標「2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度にする」という方針が、1年前倒しで達成されたことを明らかにした。この成果は、近年のデジタル技術の進展や消費者行動の変化、さらにはコロナ禍以降の非接触決済ニーズの高まりといった複合的な要因によって、社会全体にキャッシュレス文化が浸透してきた結果ともいえる。
今回発表されたデータによると、2024年の国内におけるキャッシュレス決済の総額は141.0兆円に達し、その内訳としてはクレジットカードによる決済が116.9兆円と最も大きなシェアを占め、全体の82.9%を構成していた。これに続くのがコード決済で13.5兆円、シェアでは9.6%。電子マネーが6.2兆円(4.4%)、デビットカードが4.4兆円(3.1%)と続く構成となっている。この比率からは、依然としてクレジットカードがキャッシュレス決済の主流であることが伺える一方で、近年急速に利用が広がっているコード決済が2桁目前にまで迫っており、消費者の多様なニーズに対応した決済手段の広がりが進んでいることも浮き彫りになった。
キャッシュレス決済比率の推移を振り返ると、2010年代初頭までは10%台前半にとどまっていたが、スマートフォンの普及や金融機関・小売事業者による積極的な導入促進、政府の各種支援策が奏功し、年々着実に比率が上昇してきた。特に2019年に実施されたポイント還元制度や、2020年以降の新型コロナウイルスの感染拡大による接触回避意識の高まりは、コード決済や電子マネーの利用促進に拍車をかけたとされている。その結果、2020年には30%を突破、2022年には36.0%、そして今回ついに42.8%へと到達するに至った。
この動向は、単に決済手段が現金から電子へと移行しているだけではなく、消費者の購買体験全体がデジタル化に向かっていることを意味している。キャッシュレス決済はポイント付与、履歴管理、クーポンとの連動など、利便性と付加価値の高いサービスと連携することが多く、単なる「支払い手段」ではなく「マーケティング・顧客管理のツール」としてもその存在感を強めている。また、事業者にとってもキャッシュレスの導入は現金管理の負担軽減、会計処理の迅速化、不正防止といったメリットがあり、業務効率の向上と売上拡大に直結する重要な経営戦略の一環となっている。
今後の課題としては、より一層の普及を目指すにあたって、地域格差や高齢者層への対応、小規模店舗への導入支援などが挙げられる。地方においては、いまだ現金決済が主流の地域も少なくなく、また高齢者やデジタルに不慣れな層に対しては、使い方のサポートや安心して使える環境の整備が求められる。また、コード決済や電子マネー事業者においては、セキュリティ強化と利用者保護のバランスが重要となる。
さらに将来的には、政府が掲げる「キャッシュレス決済比率80%」の実現に向けた動きが本格化する見込みである。そのためには、金融機関や小売業界だけでなく、IT業界、教育機関、自治体など多方面との連携が不可欠となる。また、マイナンバーカードとの連携やデジタル地域通貨の導入、公共料金支払いの完全電子化なども検討されており、キャッシュレス社会の実現は今後ますます社会構造全体に影響を及ぼすだろう。
こうした状況を受け、企業の採用担当者にとっては、キャッシュレス領域における専門人材の確保が新たな戦略課題として浮上している。特に注目すべきは、決済インフラに関わるシステムエンジニア、ユーザー体験を最適化するUI/UXデザイナー、決済データを活用するマーケティング分析担当者、そして法規制やセキュリティに強いコンプライアンス担当者など、多岐にわたる職種での人材ニーズが高まっていることである。デジタル決済を事業成長の原動力として活用するためには、専門性だけでなく、事業視点を持ち合わせた人材の登用がカギとなる。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ