労務・人事ニュース

父親の仕事と育児両立読本～ワーク・ライフ・バランス　ガイド～（厚労省）

---

この記事の概要

厚生労働省は令和6年度版として「父親の仕事と育児両立読本～ワーク・ライフ・バランスガイド～」を作成し、公表しました。本書では、父親による育児参加の意義や制度の活用方法、育児休業のメリットに加え、実際に制度を利用した男性の体験談も紹介されています。

---

近年、日本社会では育児と仕事の両立に対する意識が大きく変化しており、とりわけ父親の育児参加が重要視されています。こうした流れを受け、厚生労働省は令和6年度版として「父親の仕事と育児両立読本～ワーク・ライフ・バランスガイド～」を取りまとめ、公表しました。このガイドブックは、妊娠・出産・育児期における父親の役割に焦点を当て、家庭と仕事を両立させるための支援制度や実践的な知識を広く紹介する内容となっています。

本書の中では、育児休業制度や出生時育児休業制度（いわゆる「産後パパ育休」）など、父親が育児に参加しやすくなるための制度について丁寧に解説されています。これらの制度の具体的な取得方法や取得時の給与補償、社会保険料の扱いなど、制度を正しく理解し、活用するための基礎情報が盛り込まれていることが特徴です。特に企業における人事労務担当者や管理職にとって、従業員の育児支援を行う上での参考資料として非常に有益な内容となっています。

また、ガイドブックにはワーク・ライフ・バランスの実現に関する専門的な知見も反映されており、育児休業の取得が職場や家庭にもたらすポジティブな影響についても触れられています。たとえば、育児に積極的に参加した男性は、パートナーとの関係性が深まるだけでなく、職場復帰後のモチベーション向上や業務への主体的な取り組みにもつながるといった報告があります。こうした視点は、育児が単なる「負担」ではなく、個人の成長や組織の活性化にも寄与するという認識を広げるきっかけとなるでしょう。

さらに、本書には実際に育児休業を取得した男性従業員の体験談も多数掲載されており、実務上の課題や気づき、制度を活用して良かったと感じた点など、リアルな声が紹介されています。これらの体験談は、これから育児休業の取得を検討している父親たちにとって背中を押すものとなるだけでなく、制度運用に悩む企業にとっても非常に参考になる事例と言えます。

本ガイドの目的は、単に制度の利用を促進するだけでなく、職場全体の理解と協力体制を高めることにあります。そのため、管理職や経営層の意識改革も重要なテーマとして取り上げられています。育児と仕事の両立を当たり前の選択肢とするためには、企業文化の見直しや柔軟な働き方の導入が欠かせません。ガイドブックでは、業務の属人化を避ける仕組みや、復職後のキャリア形成支援など、制度運用に伴う実務的な課題への対応策も提案されています。

このように、「父親の仕事と育児両立読本～ワーク・ライフ・バランスガイド～」は、育児休業制度の正しい理解を促すだけでなく、個人と組織の双方にとってのメリットを多角的に解説する内容となっており、持続可能な働き方を模索する企業や従業員にとって有用な資料です。

この記事の要点

• 令和6年度版として父親の育児参加支援を目的に厚労省が読本を作成
• 妊娠・出産・育児期の父親の関わり方と支援制度の情報を網羅
• 育児休業や産後パパ育休の仕組みと取得方法について解説
• 取得経験のある男性のリアルな体験談を多数掲載
• 企業の人事担当者や管理職に向けた制度活用の実践的アドバイスも含まれる
• 育児参加が家庭と職場双方に与えるポジティブな効果を紹介
• 制度活用とあわせて企業文化の見直しや柔軟な働き方の必要性にも言及

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ