2025年6月17日
労務・人事ニュース
2025年4月、富山県の有効求人倍率1.44倍で人材獲得競争が激化!企業が取り組むべき採用手法とは
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最終更新: 2025年6月16日 22:31
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求人倍率1.44倍の背景にある人材不足と富山県の地域特性、採用戦略再構築のヒント
2025年4月、富山県の有効求人倍率は1.44倍となり、全国平均の1.26倍を上回る水準で推移しました。この数値は前月より0.01ポイントの微増ながら、4か月連続の上昇を記録しており、富山県の労働市場が引き続き「求人超過」の状態にあることを示しています。つまり、求職者1人に対して1.44件の求人がある状況で、企業側にとっては人材の確保がますます困難になっている現実を浮き彫りにしています。採用担当者にとっては、この状況を踏まえた柔軟で戦略的な対応が求められるタイミングです。
まず、有効求人倍率の上昇という現象は、単なる数字以上の意味を持っています。2024年後半から2025年初頭にかけて、富山県では有効求人数が増加傾向にある一方で、有効求職者数は減少または横ばいで推移しています。例えば、2025年4月の有効求人数は21,722人で、前月比0.7%の増加を示していますが、有効求職者数は15,110人と前月比0.3%の微増にとどまり、依然として求職者側の動きは鈍いままです。これは、企業が求人を出しても応募者が思うように集まらないという現場の課題を裏付けるデータです。
このような採用環境の中で、採用担当者がまず注視すべきは「職種別の求人倍率」です。富山県においては、管理的職業の有効求人倍率が4.17倍、建設・採掘従事者では9.73倍と極めて高く、こうした分野では慢性的な人手不足が常態化しているといえます。一方で、事務職の倍率は0.65倍と、求職者が多く求人に対して過剰な状態です。このように職種ごとの需給ギャップが大きく異なるため、自社がどの分野で人材を必要としているかに応じた的確な採用方針の策定が不可欠となります。
採用戦略を考える上では、待遇改善や柔軟な勤務体制の導入がますます重要になっています。求職者が少ない市場においては、応募者に選ばれる企業になるための取り組みが決定的な差を生み出します。例えば、従来のフルタイム勤務に加えて、時短勤務やリモートワーク、フレックスタイム制度など多様な働き方を許容する体制を整えることは、働き手の選択肢を広げるだけでなく、企業としての魅力向上にも直結します。特に中途採用市場では、家庭や地域活動との両立を重視する層が増えているため、柔軟性のある勤務体系の導入は欠かせません。
また、採用担当者にはデータに基づいた判断も求められます。例えば、富山県内では新規求人倍率が2.29倍に達しており、これは新たに求人を出した際の競争が激しいことを示しています。自社が求人票を出すタイミング、掲載する媒体、掲載期間などの要素を戦略的に組み合わせ、他社との差別化を図ることが求められます。そのためには、求人内容の見直しや訴求ポイントの明確化が必要です。報酬条件の他にも、職場の雰囲気、研修制度、キャリアアップ支援など、求職者が「働いてみたい」と思えるような内容を丁寧に伝える工夫が不可欠です。
さらに注目すべきは、正社員に限った求人倍率も1.45倍と高水準であることです。これはフルタイムでの安定した雇用を希望する求職者が減っている可能性を示唆しており、企業側の人材確保が今後さらに難化することを示しています。こうした傾向を受けて、企業は「即戦力」のみに頼る採用から「育成前提」の人材獲得へと転換を図ることも重要です。人材のポテンシャルに注目し、入社後の成長を見越した長期的視点で採用計画を立てることが、将来的な組織の安定につながります。
地域に根ざした採用活動も強化すべきです。富山県内のハローワークや地域イベント、学校との連携を深めることで、地元で働きたいと考える潜在的な人材に直接アプローチすることができます。また、地域特性を理解した上で、地元に住むメリットや地域社会との関わり方なども採用情報に盛り込むことで、より強い共感を得られる可能性があります。特にUターン・Iターン希望者を対象とした採用活動では、生活支援や移住サポート情報なども発信することで、応募のハードルを下げる工夫が求められます。
さらに、雇用の質を高める取り組みも重要です。富山県では雇用保険の資格取得者数が前年同月より12.1%増加しており、一定の雇用維持がなされていることがわかります。しかしながら、実際の就職件数や就職率は前年を下回っており、求人から就職に結びつけるプロセスにおいて何らかの障壁がある可能性も考えられます。採用活動においては単に人を集めるだけでなく、入社後の定着支援、キャリア形成へのサポートまで視野に入れた取り組みが、企業の持続的成長に直結します。
以上のように、2025年4月時点での富山県における有効求人倍率「1.44倍」という数字は、採用担当者にとって単なる統計データではなく、今後の採用活動に向けた重要な指標となります。求職者が少なく、求人が多いという現実の中で、いかに他社と差別化し、持続的に人材を確保・育成していくか。その鍵は、柔軟な働き方の提案、待遇や制度の見直し、地域との連携強化、そして企業文化の魅力発信にあるといえるでしょう。戦略的な視点を持った採用活動を進めることで、企業は激しい人材競争の中でも存在感を高め、持続的な成長を実現していくことが可能となります。
⇒ 詳しくは富山労働局のWEBサイトへ