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2025年6月18日

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2025年4月時点の三重県における有効求人倍率1.17倍で読み解く採用難易度と今後の人材戦略の考察

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2025年4月の三重県の求人倍率1.17倍が企業の採用方針と人材確保に与える実務的影響

令和7年4月の三重県における有効求人倍率は1.17倍と発表され、前月からわずかに0.02ポイント低下しました。この数値は、全国平均の1.26倍を下回っており、都道府県別では32位という結果となりました。このデータが示すのは、企業側が提示する求人件数と、それに対して求職者がどの程度存在するかという需給バランスです。有効求人倍率が1.0倍を超えているということは、求職者一人あたりに対して1件以上の求人があることを意味し、企業にとっては人材確保が難しい「売り手市場」であることを示しています。

三重県内の詳細な就業地別のデータを見ると、新規求人倍率は2.14倍に達しており、前月から0.15ポイントの上昇が確認されました。さらに、就業地別新規求人倍率においては2.54倍と全国でも上位に位置しており、新規に募集された職種への応募者が少ない傾向がうかがえます。このような状況下において、企業の採用担当者は、従来型の求人方法だけでは人材確保が困難になるという現実に直面しているといえます。

求人と求職のバランスに関する統計の内訳をもう少し詳しく見てみると、令和7年4月の有効求人数は29,077人で、前月から0.6%減少しました。一方、有効求職者数は24,755人で0.4%の増加が見られました。このように、求人の分子が減少し、求職者の分母が増加したことによって、有効求人倍率が微減する結果となっています。この傾向は、一時的な変動ではあるものの、求人活動の活発さがやや鈍化している兆候とも受け取れます。

新規求人数については、前月に比べて11.0%増加し、10,867人に達しました。これは、企業が新たに人材を求める動きが活発化していることを示す一方で、実際に応募してくる求職者数がそれに比例して増えていないという課題も浮き彫りになります。企業の採用担当者にとっては、新規求人倍率が高いということが必ずしも良いニュースではありません。なぜなら、採用活動にかかるコストと時間が増加する可能性があるからです。

実際に業種別の動向を見ると、建設業では前年同月比で10.6%の求人増加が見られたのに対し、製造業では4.1%減少、運輸・郵便業では13.1%減少と業種間での格差が顕著です。特に運輸業やサービス業では求人を出しても応募が集まらない「人材難」の状態が続いており、これは働き方や労働環境の厳しさが背景にあると考えられます。こうした業種では、単なる求人広告の出稿ではなく、企業の魅力を適切に伝える情報発信の工夫が求められます。

求職者側の動向にも変化が見られます。新規求職申込件数は前年同月比で4.7%減少し、7,006件にとどまりました。中でも離職者の申込数は3か月連続で減少しており、特に自己都合による離職者の数は7.2%減少しています。これは、現職に留まる選択をする人が増えていることや、転職活動のハードルが高くなっていると感じる人が増加していることを示唆している可能性があります。

特に注目すべきは、正社員の求人動向です。令和7年4月時点で、正社員の有効求人数は13,683人と前年同月比で0.9%増加しましたが、有効求職者数は14,142人と5.4%減少し、有効求人倍率は0.97倍となりました。この数字は前年同月を0.06ポイント上回っており、28か月ぶりに上昇に転じています。正社員採用の市場においても、求人数が増える一方で応募者が減っている状況は、企業にとって中長期的な人材確保戦略の見直しが必要であることを意味しています。

企業の採用担当者にとって、このようなデータは単なる統計ではなく、自社の採用活動に直結する実務的な情報です。有効求人倍率が高いということは、優秀な人材の獲得競争が激化しているということを意味し、採用コストの増加、内定辞退のリスク、採用ミスマッチなどさまざまな課題が生じやすくなります。このような状況を乗り越えるためには、給与条件や福利厚生の見直しだけでなく、柔軟な働き方やキャリアパスの提示、リスキリング支援など、長期的に人材を惹きつける環境づくりが不可欠です。

また、従来のハローワークや求人媒体だけに頼らず、自社ホームページやSNS、社員紹介制度など、多様な採用チャネルを活用することが重要です。特に若年層をターゲットとする場合は、スマートフォンでの閲覧を前提とした求人情報の最適化や、動画による企業紹介など、視覚的・感情的に訴求できる手法が有効です。

さらに、採用活動の前段階である「認知形成」も大きな意味を持ちます。地域イベントやインターンシップ、地元高校・大学との連携を通じて、自社の存在や働きやすさを早い段階で伝えることで、潜在的な応募者層を形成していくことができます。特に地域密着型の企業にとっては、地域との接点を増やすことが人材確保において重要な鍵となります。

今後も有効求人倍率は一定の変動を見せると予想されますが、本質的な課題は単に数値に左右されるのではなく、いかに持続的な採用活動を行えるかにかかっています。採用は単発のイベントではなく、企業の将来を担う人材を育てていくための長期的な取り組みです。だからこそ、数値を読み解き、戦略に落とし込むことが、これからの採用担当者には強く求められるのです。

⇒ 詳しくは三重労働局のWEBサイトへ

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