2025年8月27日
労務・人事ニュース
2025年4~6月期の完全失業率が全国平均2.6%に低下、就業者数は6836万人に増加
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常勤・医療業界の看護師/車通勤可/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年8月26日 10:04
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初任者研修/介護職員・ヘルパー/有料老人ホーム/日勤・夜勤
最終更新: 2025年8月26日 09:49
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訪問看護ステーションでの在宅における健康管理のお仕事/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年8月26日 00:40
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無資格/介護職員・ヘルパー/デイサービス事業所/日勤のみ
最終更新: 2025年8月26日 09:49
労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)4~6月期平均(総務省)
この記事の概要
2025年4~6月期の労働力調査によると、全国の就業者数は6836万人で前年同期比57万人増加し、完全失業者数は182万人で7万人減少しました。完全失業率は2.6%と0.1ポイント低下し、地域別では北海道や南関東などで改善が見られた一方、東北や九州などでは悪化しました。地域間の雇用状況の差が依然として存在し、経済動向や産業構造の違いが影響していることが浮き彫りになりました。
2025年(令和7年)4~6月期の労働力調査(基本集計)では、全国の雇用情勢が前年同期に比べて全体的に改善したことが明らかになった。全国の就業者数は6836万人となり、前年同期比で57万人の増加を記録した。これは経済活動の回復や新たな産業分野での雇用創出が進んだことが背景にあると考えられる。一方で、完全失業者数は182万人と、前年同期よりも7万人減少した。これにより、完全失業率(原数値)は2.6%となり、前年同期比で0.1ポイント低下した。こうした数値は、総じて全国的には雇用改善の方向にあることを示しているが、その内訳を地域別に見ると異なる動きも見えてくる。
地域別の就業者数の増減をみると、北海道、南関東、北陸、東海、近畿、九州および沖縄では前年同期比で増加した。一方、東北、北関東・甲信、中国および四国では減少しており、地方間での経済状況や産業構造の違いが雇用動向に反映されていることがうかがえる。特に製造業や観光業への依存度が高い地域では、景気変動や訪日客数の変化によって雇用が左右されやすく、都市部と地方での差が広がる傾向が見られる。
完全失業者数の増減に目を向けると、北海道、南関東、北陸、東海および中国で減少が見られた。近畿、四国および沖縄は前年同期と同数で横ばいだったが、東北、北関東・甲信および九州では増加している。これらの地域では、特定産業への依存や人口減少の影響により、新たな雇用の創出が難航している可能性がある。特に東北や九州の一部地域では、高齢化による労働人口の減少も影響しており、地域経済全体の活性化が課題となっている。
完全失業率を地域別にみると、北海道は2.5%で前年同期比0.5ポイント低下、南関東は2.6%で0.3ポイント低下、北陸は2.2%で0.2ポイント低下、東海も2.2%で0.4ポイント低下と、これらの地域では顕著な改善が見られた。中国(2.3%、0.2ポイント低下)や四国(2.2%、0.1ポイント低下)もわずかながら改善している。一方で、東北は3.0%で0.4ポイント上昇、北関東・甲信は2.5%で0.2ポイント上昇、九州は3.0%で0.3ポイント上昇し、悪化が確認された。沖縄は3.3%で前年同期と同率、近畿も2.7%で横ばいとなっており、地域ごとの雇用情勢に明確な差が存在している。
これらの数値から読み取れるのは、全国的な経済回復の中でも地域ごとの経済基盤や産業構造の違いが雇用情勢に大きく影響しているということだ。例えば南関東や東海などの大都市圏や工業地帯では、新産業や企業の拡大による雇用機会の増加が失業率低下に寄与している。一方で、東北や九州の一部地域では、新たな雇用創出のペースが遅く、若年層の流出も続いているため、失業率の改善が進みにくい状況となっている。
また、過去数年の完全失業率の推移をみると、2023年から2025年にかけて全国平均では緩やかな低下傾向が続いているが、地域によっては一時的な上昇や横ばいも見られる。北海道や南関東のように、ここ1年で0.3ポイント以上の改善を果たした地域もあれば、東北や九州のように0.3ポイント以上悪化した地域もあり、これは地域経済の強弱や労働市場の柔軟性に直結している。
こうした背景を踏まえると、全国的な雇用改善だけでなく、地域ごとの課題に即した雇用政策や人材育成施策の重要性が一層高まっている。例えば、人口減少が進む地方では、地元企業と行政が連携して若者の定住を促す仕組みづくりや、リモートワーク環境の整備によって都市部からの人材誘致を進めることが有効だと考えられる。また、産業構造の転換が必要な地域では、観光や農業に加えてデジタル関連や再生可能エネルギーなど成長分野への労働移動を促す取り組みが求められる。
さらに、企業の採用担当者にとっても、この調査結果は重要な指標となる。特に完全失業率が改善している地域では人材獲得競争が激化する可能性があり、給与や福利厚生の見直し、働き方改革の推進など、採用戦略の再構築が必要になる。一方、失業率が上昇している地域では優秀な人材を比較的確保しやすい反面、長期的な人口減少リスクを踏まえた雇用維持策が不可欠となる。
今回の調査は、単なる雇用統計にとどまらず、企業や自治体が地域ごとの労働市場の動きを把握し、将来の採用計画や地域振興策を立案するための重要な材料となる。今後もこうしたデータを基に、地域間格差の是正と持続可能な雇用環境の構築を目指すことが、全国的な経済成長の鍵となるだろう。
この記事の要点
- 全国の就業者数は6836万人で前年同期比57万人増加
- 完全失業者数は182万人で7万人減少
- 全国の完全失業率は2.6%で0.1ポイント低下
- 北海道や南関東、東海などで失業率が改善
- 東北や九州などで失業率が悪化
- 地域ごとに雇用情勢に大きな差がある
- 企業は地域別労働市場を踏まえた採用戦略が必要
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ