2025年8月20日
労務・人事ニュース
2025年6月東京都の有効求人倍率1.70倍
-
「夜勤なし」/准看護師・正看護師/有料老人ホーム/保育園/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年8月31日 22:36
-
「夜勤なし」/准看護師/デイサービス/オンコールなし
最終更新: 2025年8月31日 22:36
-
「駅チカ」/正看護師/皮膚科/外科/形成外科/クリニック
最終更新: 2025年8月31日 22:36
-
「駅チカ」/正看護師/整形外科/リハビリテーション科/外科/クリニック
最終更新: 2025年8月31日 22:36
一般職業紹介状況(令和7年6月分)(東京労働局)
この記事の概要
2025年6月の東京都における有効求人倍率は1.70倍で、前月より0.06ポイントの低下が見られました。求人件数の減少と求職者数の増加が重なり、企業の採用活動はより戦略的な対応が求められています。業種別の求人動向を見極め、適切な人材確保のための工夫が必要です。
2025年6月に発表された東京労働局の一般職業紹介状況によると、都内の雇用市場は緩やかながらも変動の兆しを見せています。有効求人倍率(季節調整値)は1.70倍となり、前月の1.76倍から0.06ポイントの減少が確認されました。この数値は、求人数が求職者数をどれだけ上回っているかを示す重要な指標であり、東京都の採用市場においては、依然として企業側が優位にある状況といえますが、その差は徐々に縮まりつつあります。企業の採用担当者にとっては、慢心せず現状の変化を的確に読み解く力が必要不可欠です。
有効求人数(原数値)は358,551人で、前年同月比では1.9%の減少となり、9か月ぶりに前年を下回る結果となりました。一方、有効求職者数は217,502人で、前年同月比で2.5%増加し、21か月連続で前年を上回っています。これは明らかに求職者の動きが活発化していることを示しており、企業が求める人材の質と、求職者側の希望する条件との間にギャップが存在している可能性があります。採用担当者は、このズレを解消すべく、求人票や採用広報の内容の見直しを進める必要があります。
さらに注目すべきは、新規求人倍率の動向です。新規求人倍率(季節調整値)は3.45倍と、前月比で0.04ポイント上昇しています。これは、新たに求人を出す企業の数が求職者数に比して非常に多いことを示しており、特に積極的な採用活動を行っている企業にとっては、優秀な人材をいかに自社に引き込むかが勝負の分かれ目となります。新規求人数は123,581人で、前年同月比5.1%の減少が見られ、2か月連続で前年を下回っている点は、今後の採用競争の激化を暗示するものと考えられます。
産業別で見ると、求人の動向には明確な差が存在します。情報通信業では25.4%の増加、宿泊業・飲食サービス業でも13.2%の増加が確認されており、特定の業界では採用ニーズが高まっています。一方で、卸売業・小売業は43.6%の減少、生活関連サービス業・娯楽業も10.2%減と、業界によっては慎重な姿勢が強まっていることが読み取れます。こうした業種ごとの動向を把握することは、採用活動の方向性を決める上で極めて重要であり、自社のポジションを明確にしながら、競合との差別化を図る戦略が求められます。
また、正社員に関するデータにも注目が必要です。正社員の有効求人数は161,709人と前年同月比で2.9%増加しており、50か月連続で前年を上回っています。これは正社員採用への強いニーズが続いていることを示していますが、正社員の新規求人数は53,636人で、前年同月比0.3%の減少と、やや慎重な傾向も見られます。正社員就職件数は2,097件で、前年同月比4.7%の減少となっており、採用の成果が思うように出ていない企業も少なくないと推察されます。このことからも、採用担当者は募集条件の見直しや選考スピードの改善、求職者へのアプローチ方法の多様化など、あらゆる側面での工夫が必要になります。
特に注目すべきは、在職中の求職者や離職者の内訳です。新規求職者数は34,189人で前年同月比7.4%の増加が確認され、4か月連続で前年を上回る結果となりました。うち在職者は4,400人、離職者は15,424人で、特に自己都合離職者は10,394人と前年同月比で8.0%増加しています。これは働き方やキャリアに対する価値観の多様化が進んでいることを反映しており、企業としては、柔軟な勤務体系やスキルアップ支援、長期的なキャリア形成支援といった面での充実が必要です。
就職件数や求人充足数の推移も見逃せません。全体の就職件数は6,553件で前年同月比2.2%の減少、求人充足数は9,213件で1.6%の減少となっています。一般職の充足数は4,348件で前年同月比4.8%の減、パートでは4,865件で1.4%の増加でした。このように、雇用の現場では正社員採用の難易度が高まっている一方で、パートタイム人材の活用が進んでいる様子も読み取れます。企業はフルタイムにこだわらず、パートや契約社員など多様な雇用形態を視野に入れることで、柔軟に人材を確保していく必要があるといえるでしょう。
東京都という経済活動の中心地においては、採用競争が全国でも特に激しい状況にあります。だからこそ、企業の採用担当者には、最新のデータに基づいたタイムリーな戦略変更と、求職者の意識の変化をとらえたアプローチが強く求められます。今後も雇用情勢の動向を注視しながら、自社の採用力を高めるための不断の努力が求められます。
この記事の要点
- 2025年6月東京都の有効求人倍率は1.70倍で前月より0.06ポイント低下
- 新規求人倍率は3.45倍に上昇し企業の採用意欲の強さがうかがえる
- 有効求人数は前年同月比1.9%減、新規求人数は5.1%減で慎重な採用傾向
- 情報通信業や宿泊・飲食業で求人増加、小売業では大幅減少
- 正社員の有効求人は50か月連続で増加し高い需要が継続
- 新規求職者数は7.4%増で求職者の動きが活発化
- 企業には求人内容の改善と求職者への魅力訴求が求められる
⇒ 詳しくは東京労働局のWEBサイトへ